「マリに勇気をもらった」実話に基づく感動ストーリー『マリと子犬の物語』舞台挨拶

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『マリと子犬の物語』初日舞台挨拶にて(左から)平原綾香、高嶋政伸、松本明子、佐々木麻緒、船越英一郎、イチ、広田亮平、宇津井健、小林麻央、猪股隆一監督
  • 『マリと子犬の物語』初日舞台挨拶にて(左から)平原綾香、高嶋政伸、松本明子、佐々木麻緒、船越英一郎、イチ、広田亮平、宇津井健、小林麻央、猪股隆一監督
  • 『マリと子犬の物語』初日舞台挨拶にて、子犬を抱く船越英一郎
  • 『マリと子犬の物語』初日舞台挨拶にて、マリを演じた柴犬・イチ
2004年10月23日、新潟県中越地方を震源として発生したマグニチュード6.8の地震。“新潟県中越地震”と名付けられたその地震の際、壊滅的な被害を受けた山古志村(現・長岡市)で、多くの被災者を勇気づけた心温まるエピソードを映画化した『マリと子犬の物語』。今年の2月から5月にかけて撮影が行われた本作がようやく初日を迎え、主演の船越英一郎、松本明子、高嶋政伸、小林麻央、宇津井健、広田亮平、佐々木麻緒に柴犬のイチ、主題歌を担当した平原綾香、猪股隆一監督が舞台挨拶を行い、その感動を観客を分かち合った。

マリの飼い主である石川優一を演じた船越さんが開口一番、「映画、楽しんでいただけましたでしょうか? そして胸を熱くしていただけましたでしょうか?」と観客に呼びかけると大きな拍手。続けて「この映画は、監督とそしてここにいるキャスト、スタッフだけではなく、このマリと、そして新潟のみなさんと一緒に作り上げた映画です。毎日200名、300名という方たちが早朝から深夜まで協力してくださいました。中には実際に被災された方たちもたくさんいらっしゃいました。ご自身の生活がままならないのに、この映画に大変な情熱と愛情を込めてくださいました。そしてみなさん、異口同音に、この映画が一人でも多くの方たちに観ていただけることを願っているというメッセージをいただきました」と本作に込められているものの大きさを語ってくれた。また「やはり僕らは実際に被災していないので、どんなに映像や資料を見て勉強しても、胸の中には埋めきれない穴が空いていました。でも新潟でロケをしている時、みなさんの被災体験を聞かせていただいて、そしてこの映画にかける熱い思いをいただいて、その穴が少しずつ埋まって、臨場感のある芝居ができたような気がします」と地元・新潟で撮影に協力してくれた方たちに感謝した。

優一の亡き妻の妹・冴子を演じた松本さんは個人的なエピソードも添えて作品をアピールしてくれた。「マリが懸命に生きる姿、それからマリと人間たちの絆、それから兄妹の絆、家族の絆…たくさんの絆、たくさんの愛がいっぱい詰まった映画です。観終わった後はきっと悲しい涙だけじゃなくて、胸が本当に温かくなって誰かに伝えたい。そして、愛おしい人が、大切な人がたくさん頭の中をめぐっていく、そんな素晴らしい映画だと思います。私の中でもこの作品はすごく感慨深い、思い出深い、そして印象深い映画になりました。実は、船越さんは撮影中に、私はキャンペーン中に、親を亡くしまして、その親にも本当にこの素晴らしい映画を観せたかったです。マリやこの映画から大切なものを教わりました。私自身も精神的にもまた一回り大きくなれたような気がしています」。

優一の父・優造を演じた宇津井さんは、「私は多くの方に感動していただきたいという気持ちで、この映画をお引き受けいたしましたけれども、実は感動したのは自分であって、最初に台本を読んだときに涙なくしては読めませんでした。今年2月の始めに東宝の撮影所で最初の読み合わせをした時も、この前にいる2人の孫たちの演技などに驚きました。撮影中にはもう数限りない感動を受けました。新潟でも実際に被災した方たちが、撮影に協力をしてくださったり、それから、何よりもさきほど私たちが壇上に来た時に、みなさんの温かい拍手をいただいて、本当にこの作品の出演者の一人として、出演したことが本当に良かったと思っております」と、本作に出演したきっかけなども併せて語った。

被災地に救助に向かった自衛隊員・安田を演じた高嶋さん。劇中に登場するヘリコプターなどは実際に救助に使われたものが使用されているそうだ。「大好きな映画で、本当にこんな素晴らしい映画に出させていただいて、そしてこのような最高の初日を迎えさせていただき、本当にいまは胸がいっぱいで心から感謝しております。撮影中も実際に被害に遭われたかた、その関係者のみなさん、そして自衛隊のみなさん、そしてボランティアのみなさんの途方もない優しさと勇気をいただきまして、本当に僕の人生の中でも宝石のような素晴らしい財産になりました。ご覧になった一人でも多くの方が幸せな気持ちになっていただけたらと思います」。

小学校教諭の関根を演じた小林さんは新潟県小千谷市出身。「私は撮影には本当に少ししか参加できなかったんですが、完成した映画を観て、諦めないこと、勇気を持つこと、そして人と人との絆、人と動物の絆、本当にたくさんのことを教わりました。新潟出身とか、そういうことを越えて一人の人間として、この作品に携われたことを本当に幸せに思っています」。

そして、この感動作のメガホンを取った猪股監督は、「マリは、震災の後遺症みたいなもので、元気がない時もあったんですけれども、いまでは元気に暮らしていると聞いております。僕たちはマリからいろんなことを教わって、いろんな感動を受けてこの映画を作りました。3匹の子犬を守って、そして自分を愛し、育ててくれた飼い主を守って、マリが大自然と闘った姿に僕たちは感動したんです。僕たちは、守るものを持っているものの強さや幸せをマリから教わって映画にしました。この感動を少しでも、この映画を通してみなさんにお伝えできることができたら、これに勝る喜びはありません」と本作に込めた想いを語ってくれた。

優一の息子・亮太を演じた亮平くんと妹・彩を演じた麻緒ちゃんは、撮影が終わったいまでも、まるで仲良しの兄姉のように、イチ(マリ役の柴犬)を連れていた。「今日は来てくれてありがとうございました。山古志村の風景もすごくキレイで、犬もかわいかったです。僕も自分の犬を大事にしなきゃな、と思いました(亮平くん)」、「今日は映画を観に来てくれて、どうもありがとうございました。映画はどうでしたか? お友達や家族の人たちと一緒に何回も映画を観てくれたら嬉しいです(麻緒ちゃん)」と、二人揃ってかわいらしく作品をアピール。

主題歌を担当した平原さん。彼女の代表曲「Jupiter」が自然発生的に震災復興のシンボルソングとなり、新曲「今、風の中で」が本作の主題歌となった。「まずは台本を読んで、それから映像を観ながら歌詞を書きました。実際に山古志に行って、『今、風の中で』そして『Jupiter』を歌ってきました。山古志のみなさん、泣いてらっしゃいました。すごく胸が熱くなりました。そして畑仕事をしているお母さんにお話を伺ったら泣き崩れていらっしゃいました。本当に映画を作ってくれてありがとう、歌を歌ってくれてありがとう、と言ってくださいました。それだけで私は心がいっぱいです。本当に良い映画ですので、みなさん、ぜひ何回もご覧ください。そして、世界にこの映画が届くことを心から願っています」。

最後に山古志で行った上映会で本作を鑑賞した女性から感想の手紙が紹介された。
「素晴らしい映画の完成、お祝い申し上げます。震災当時、私たちが抱いていた想いがそこにはたくさん詰まっていました。身の回りに起こった様々な出来事がスクリーンと重なりました。あの時、取り残された動物たちや廃墟となった村のことを忘れられません。私は避難するヘリコプターの中から被害を目の当たりにしました。ひどく傷ついた山々の姿が痛々しく、涙があふれて止まりませんでした。もう二度とここには戻れないかもしれない。そう想うと懐かしい情景が浮かんできて、戻りたいという想いに繋がっていきました。自分でも初めて知る故郷への思いでした。(中略)この風の中に私たちを帰して下さったみなさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。もうすぐマリも帰ってきます。みんな一緒に笑顔でがんばって行きたいと思っています。どうか一人でも多くのみなさまにこの映画を観ていただき、感動に触れてもらえますように心からお祈りいたしております。『マリと子犬の物語』ご関係者のみなさまへ」。

MCが手紙を読み終わると、登壇者の目にはうっすら涙が。観客も、そしてマスコミの中にも涙ぐんでいる人がたくさんいた。船越さんは、「胸がいっぱいになりました。本当に、この映画の冒頭に出てくるような、あの山古志の姿はもういま、旧山古志村には残っていません。山肌は赤土が見えて、土砂が崩れないようにコンクリートが打ち付けられています。でも、この映画の撮影、そしてキャンペーンでお邪魔した山古志は新しく力強い街として、村として生まれ変わっています。その山古志にも僕は大変なエネルギーと、そして勇気をいただいたような気がします。この映画は、守りたいという気持ちをテーマにしています。そんな守ろうという気持ちが連鎖して輪になった時に、大変な困難、そして苦境を乗り越えていく力が生まれたんですね。そんなことがこの映画からたくさん感じていただけるんではないかと思います。どんなに辛いことがあっても、僕たちは一人じゃない、諦めないで、みんなで力を合わせて助け合っていけば、必ず希望にすぐにたどり着くことができるんだという思いをこの映画を通じてみなさんに感じていただければと思います」という熱い言葉で舞台挨拶は幕を閉じた。

『マリと子犬の物語』は日劇PLEXほか全国にて公開中。
《text:cinemacafe.net》

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