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「“つるべえ、これ!”って吉永さんに怒られた」鶴瓶師匠が『母べえ』宣伝部長宣言!

長年に渡り黒澤明監督のスクリプターを務めた野上照代が幼い頃の家族の思い出を綴ったノンフィクション作品を原作に、山田洋次監督がメガホンを握った『母べえ』。主演の野上佳代を演じたのは、『男はつらいよ 柴又慕情』以来、実に30年ぶりに山田監督とタッグを組んだ吉永小百合。12月11日(火)に本作の完成会見が行われ、主演の吉永さん、山田洋次監督、原作の野上さんのほか、板東三津五郎、浅野忠信、笑福亭鶴瓶、檀れい、志田未来、佐藤未来が出席した。

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『母べえ』完成会見にて(後列左から)笑福亭鶴瓶、浅野忠信、檀れい、(前列左から)板東三津五郎、佐藤未来、志田未来、吉永小百合、山田洋次監督、野上照代
『母べえ』完成会見にて(後列左から)笑福亭鶴瓶、浅野忠信、檀れい、(前列左から)板東三津五郎、佐藤未来、志田未来、吉永小百合、山田洋次監督、野上照代
  • 『母べえ』完成会見にて(後列左から)笑福亭鶴瓶、浅野忠信、檀れい、(前列左から)板東三津五郎、佐藤未来、志田未来、吉永小百合、山田洋次監督、野上照代
  • 『母べえ』完成会見 吉永小百合
  • 『母べえ』完成会見にて(左から)鶴瓶師匠、浅野さん、檀さん
長年に渡り黒澤明監督のスクリプターを務めた野上照代が幼い頃の家族の思い出を綴ったノンフィクション作品を原作に、山田洋次監督がメガホンを握った『母べえ』。主演の野上佳代を演じたのは、『男はつらいよ 柴又慕情』以来、実に30年ぶりに山田監督とタッグを組んだ吉永小百合。12月11日(火)に本作の完成会見が行われ、主演の吉永さん、山田洋次監督、原作の野上さんのほか、板東三津五郎、浅野忠信、笑福亭鶴瓶、檀れい、志田未来、佐藤未来が出席した。

『男はつらいよ』のシリーズに2本出させていただいて、その後、またシリーズで、というお話もいただいたんですけど、スケジュールが合わなくて出演することができませんでした。でも、心のどこかで『男はつらいよ』の最終回には何が何でも出演させていただこうと思っていたんです。ところが渥美さんがお亡くなりになってダメになってしまったので、とてもガッカリしてました」という吉永さん。そんな吉永さんのコメントを聞いた山田監督は「そうなの? 知らなかった」と一言。吉永さん曰く「松竹さんにはお願いしていたんですけど…」とのこと。今回の“母べえ”役については「この2人の子供たちのお母さんにしてはちょっと年を重ねすぎているということがとても心配でして、監督に『私のような年を重ねている者でいいんでしょうか』と伺ったら『あの頃のお母さんはみんな疲れてたんですよ』と(笑)」と本作出演の経緯を話してくれた…のだが、あの吉永さんにこんなことを言ってしまえる山田監督がスゴイ! 

そんな監督は「僕も少年時代、この戦争(太平洋戦争)を体験しているわけですから、記憶も鮮明にあります。僕の母親もそうでしたけど、この時代の一般的なお母さんというのは本当に忙しかった。野上さんとこの原作についていろんな話をしたときに野上さんが、『あのときのお母さんは大変だったよね』とおっしゃる言い方が僕には共感できたんです。食べるものも配給で、洗濯機などもない時代に、いろいろやりくりして子供たちを育てた。きっと、いまのお母さんには想像出来ないんじゃないかと思います。付け加えれば女性として、この時代の女性は選挙権がなかった。しかも姦通罪といった前近代的な法律なんかもあった。そういう時代だっていうことをみなさんに思い出していただきたいと思います」と作品について語ってくれた。

その子供たち初べえ、照べえを演じたのは志田さんと佐藤さん。2人とも口を揃えて「やさしい母べえでした」と吉永さんを讃えた。紙風船で遊んだり、料理が得意な佐藤さんは吉永さんと一緒に料理をするなどして「本当の家族のように」(佐藤さん)撮影期間を過ごしていたそうだ。

そして一家の大黒柱でありながら、治安維持法違反で検挙されてしまうドイツ文学者・滋を演じた板東さん。「吉永さんの旦那さんという大変幸せな役回りなんですが、幸せなのは冒頭だけで(笑)、あとはほとんど監獄の中で、辛い日々を送らせていただきました」。その役作りの一環で生まれて初めてダイエットをして4キロ痩せたにもかかわらず、監督からは「『三津五郎さん、痩せたんじゃないの? 大丈夫?』と言われてしまいました(笑)」と苦笑い。

今回初めて山田組に参加した浅野さん。滋の元教え子の山ちゃんというキャラクターはこれまでの浅野さんのイメージとはずいぶん違う。「最初に監督にお会いしたときに『これまであまりやったことのない役なんですが、何で僕なんですか?』と聞いたら『だから君なんだよ』と言っていただいて(笑)、『じゃあぜひ助けてください』と言ったのを覚えています。本当に最初はどうすればいいのかさっぱり分からなかったんですけど、撮影している間に、自分が全く気にしていなかったことを教えていただいたんです。例えば僕は普段ぼそぼそしゃべってしまうんですけど、『きちっとセリフを発声して言ってみよう』と言われました。そういう基本的なことすら出来ていなかったので、新しい可能性を自分の中に見つけることができて、素晴らしい時間を過ごしました」そうだ。また吉永さんとの共演についても「僕が溺れるシーンがあるんですが、吉永さんが一生懸命泳いで助けに来てくれるんです。すごい安心しました。このまま身体を任せて助けてもらえればいいな(笑)って」だそう。

そんな吉永さんのエピソードは鶴瓶師匠からも。「僕は、現場では母べえとそれから照べえ、初べえと絡むシーンが多かったんですけど、母べえが、たぶん、照べえを怒るときですね。2回ほど『鶴瓶!』って(笑)。本当ですよ。浅野さんも知ってはります。『つるべえ、これ!』って。ものすごい嬉しかったです」。すると吉永さんは「ドキッとしました。いけないことを」と恐縮するも、鶴瓶師匠、本当に嬉しかったらしく、「ややこしい名前なんですよ。怒られてすごい嬉しかったです。もう吉永さんが、そこにいてはるだけで嬉しいです。浅野さんと2人で、『いま、言わはったよね』って。楽しかったですね」とニコニコ。「もう観させていただいたんですが、本当に良い映画で、思いっきり広報活動をしていかないかんのやないかと思います。宣伝部長としてがんばります」と宣言。

滋の妹で広島から上京してきた久子を演じたのは板東さん同様に『武士の一分』に続いての山田組となる檀さん。「『武士の一分』の加代というつましい武士の妻と、今回の野上久子という現代的な女性の役の違いに関しては、私の中ではあまり違和感もなく、いろんな役を演じていきたいという気持ちがあるので、ある意味、一つの挑戦でした。本当に山田監督の下で、いろいろ勉強させていただいたと思っています」と、自身が演じた2つの役について語ってくれた。

山田監督が「もう60年以上も前に何千万もの人が死んでいくというすさまじい戦争をしたにもかかわらず、世界では未だに戦争が起こっている。罪のない市民がとばっちりを受けて死んでいってしまう。その人たちの人生や生活について、想像を馳せてみることがとても大事だし、そうすることで戦争はなくなるはずなんです。僕は戦争映画じゃなくてお茶の間映画を作ったつもりだったんだけど、そのお茶の間の向こうに戦争が見えているというところこそがこの映画なんだな、と出来上がってみて分かったような思いがしております」と語る『母べえ』は1月26日(土)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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