世界の映画館vol.10 コロンボ「爆音を聞きながら映画を観る?」

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コロンボの映画館では上映中に爆音が! photo:ishiko
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ふらりと入った食堂で、カレー味のマカロニ炒めとコーラを頼んで120ルピー(約130円程度)の安い夕食をとった。その後に立ち寄った映画はさらに安い。僕が窓口で支払ったのは後ろの方の席で100ルピー(約110円)。一番安い席、すなわち前の方の席だと50ルピー(約55円)である。ちなみに2階席が150ルピー(約165円)、バルコニー席でも200ルピー(約220円)という安さである。

市民にとって映画館は特別なものではなく、生活の一部になっているのだろう。確かに市内には映画館の数も多い。現在、コロンボ市内はタミル人のテログループによるテロが頻繁に行われているはずなのに映画館では何事もなくお客さんたちが映画を楽しんでいる。入った映画館近くの新聞社前では、ほんの2、3日前に公衆電話に爆弾が仕掛けられ、爆発したばかりである。

タミル人のテログループは民族独立国家を訴え、シンハラ人で形成される政府に対し、テロ行為を続けている。観ていたスリランカ映画の中でも、シンハラ人の主人公がタミル人のテロについて語るシーンがあった。もちろん台詞はスリランカの公用語・シンハラ語なのでわからないが、もう一つの字幕の簡単な英語とわかりやすいストーリー展開で、だいたい予測することはできる。

映画が終盤にさしかかる頃、花火のような大きな音がした。効果音にしては変なタイミングである。「爆発?」と頭の中によぎったが、正直、僕は爆発の音というものを聞いたことがない平和ボケの日本人である。状況がよくわからない。お客の何人かは出て行ったが、ほとんどの人が変わらず映画を熱心に観ていた。結局、僕もそれにならって最後まで映画を楽しんだ。

終演後、ホテルに戻り、テレビをつけた。国営放送のニュースでは現場検証中の生中継の映像が流れていた。どうやら映画館近くのコロンボ駅周辺で爆発があったようである。ということは先ほどの音は、やはり爆発の音だったのだ。そんな街中の映画館で、きっと今日も生活の一部となっている映画を楽しむ家族がいるのだと思う。

《text:Ishiko》
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