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オスカー女優共演『いつか眠りにつく前に』監督が明かす秘密の女優演出方法とは?

永遠の眠りにつく前に、人は何を思い出すのか? 最も楽しい思い出か、それとも辛い記憶か——。死の床の混濁の中で過去に思いを巡らせる一人の老女、そして彼女を取り巻く人々の姿を描いた『いつか眠りにつく前に』。監督を務めたのはハンガリー出身で、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『マレーナ』などで撮影監督として活躍してきたラホス・コルタイ。監督に本作に込めた思いを聞いた。

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『いつか眠りにつく前に』 ラホス・コルタイ監督
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  • 『いつか眠りにつく前に』 ラホス・コルタイ監督
  • 『いつか眠りにつく前に』 -(C) 2007 Focus Feaures. All Rights Reserved.
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永遠の眠りにつく前に、人は何を思い出すのか? 最も楽しい思い出か、それとも辛い記憶か——。死の床の混濁の中で過去に思いを巡らせる一人の老女、そして彼女を取り巻く人々の姿を描いた『いつか眠りにつく前に』。監督を務めたのはハンガリー出身で、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『マレーナ』などで撮影監督として活躍してきたラホス・コルタイ。監督に本作に込めた思いを聞いた。

まず、本作で話題を呼んだのはキャスティング。クレア・デインズを始め、実力派の俳優をそろえたことに加え、ヴァネッサ・レッドグレーヴとメリル・ストリープは、それぞれ実の娘との共演を果たしている。
「キャスティングは非常に重要な要素です。役を演じるというよりもドキュメンタリーのようにごく当たり前にその場にいてくれる俳優を望みました。実は、メリルとメイミー・ガマーが母子であるということを最初は知らなかったんです。キャストが決定した後で、プロデューサーに『メイミーはいいね、メリルによく似てる』と言ったら『そうだろう、娘だからね』と言われました(笑)」。

一人一人の登場人物、特に女性キャラクターが人生の様々な局面で見せる“不安”や“迷い”などの感情表現は、時に繊細さを、時に強さを帯びて観る者の心に迫る。
「女性の人生が物語の中心にあるせいでしょうか。“これは女性に向けて描いた作品?”という質問を度々受けますが、決してそうではありません。私は、家庭を何よりかけがえのないものだと思っています。ですので、女性の視点というよりは家族の一員としての視点で家庭を描いたと言えます」。

撮影現場での役者への具体的な演出について監督は「私は“親密な方法”を選んで演出しています」といたずらっぽく笑う。
「女優から素晴らしい演技を引き出す“秘訣”ですが、大切なのはモニター越しに彼女たちを見ることでなく、同じ空気を吸ってその場で彼女たちを支えることです。そして何かを伝えるときは、彼女たちにしか聞こえないようにそっとささやくんです」。

美しい色彩も本作の魅力の一つ。長く撮影監督を務め「ビジュアルこそが映画を作る」と語る監督ならではのこだわりと工夫が随所に見られる。
「通常、過去へさかのぼるほどに色があせていくというイメージがありますが、あえて本作では、過去の映像を色鮮やかに映し出すことを意識しました。たとえ過去であっても、病床の主人公の頭の中ではそれが、人生で最も鮮明な記憶なのです。特に、撮影が行われたニューイングランドの景色が素晴らしかったので、それを最大限に活かしてアンの記憶の中の3日間をより生き生きと描くことを心がけました」。

繊細な演出と美しい映像によって紡ぎ出される人生の輝きを堪能してほしい。
《シネマカフェ編集部》

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