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『クローズド・ノート』行定勲監督「10年経ったと思って観てほしい」

香恵は引越したばかりのアパートで、前の住人が忘れていった一冊のノートを見つける。ふとしたきっかけでノートを開き、そこに書かれた日記を読み進めるうち、香恵の想像の世界はどんどん広がっていく——。雫井脩介の同名恋愛小説を沢尻エリカ、伊勢谷友介、竹内結子という豪華キャストで映画化した『クローズド・ノート』。行定勲監督に作品、そして自身の映画作りについて話を聞いた。

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『クローズド・ノート』 行定勲監督
『クローズド・ノート』 行定勲監督
  • 『クローズド・ノート』 行定勲監督
  • 『クローズド・ノート』 -(C) 2007「クローズド・ノート」製作委員会
  • 『クローズド・ノート』DVD スタンダード・エディション
香恵は引越したばかりのアパートで、前の住人が忘れていった一冊のノートを見つける。ふとしたきっかけでノートを開き、そこに書かれた日記を読み進めるうち、香恵の想像の世界はどんどん広がっていく——。雫井脩介の同名恋愛小説を沢尻エリカ、伊勢谷友介、竹内結子という豪華キャストで映画化した『クローズド・ノート』。行定勲監督に作品、そして自身の映画作りについて話を聞いた。

本作以外にも『世界の中心で、愛をさけぶ』『GO』など小説の映画化を数多く手がけてきた行定監督。どのようなスタンスで原作に向き合い、映像化していくのだろうか?
「小説を読んで、一般の読者と同じ受け手の立場からテーマを紡ぎ出すという作業ですね。本作に関して言うなら、原作を解釈する上で最も影響されたのは、雫井さんが『この作品は自分の姉の実際のエピソードから着想を得た』と明かす“あとがき”の存在。これを読んで“残された人間は何をすべきか”というテーマを掴みました。実はこれは『世界の中心で、愛をさけぶ』『ひまわり』といった作品と同じテーマであり、僕の映画作りの一貫したスタンスと言えるかもしれません。原作を足がかりに、僕なりのテーマで原作とは別物の、でも原作なくしては存在し得ない物語を作る。そこで、観客が原作と映画の両方の世界を楽しめるということを大切にしています」。

さらにこんな興味深い発言も。
「作家の吉田修一さんに言われたんですよ。『行定さんは自分の映画から自分の姿を消そうとしている』って。彼に言わせると、ふと手に取った本を読んで、面白いと思って表紙を見たら『ああ、吉田修一が書いたのか』って言われる小説が一番良い小説だと。“姿を消す”というのは言い得て妙だと思います。作品から作者の姿が消えるということはつまり、観る人に“行定の映画はこういう作品”というジャンルや作風の限定をされることなく、無限大にいろいろなものを表現できるってことですよね。この10年ほど映画を作ってきて、そういう状況が出来てきた。吉田さんの表現はそれを見事に言い当てたものだと思います」。

本作を“アイドル映画”と定義する行定監督。その主人公である香恵を演じた沢尻さんをこう評する。
「彼女は本当の意味で“器”の女優なんです。こっちの要望を全て受け止めてくれる。俳優の中には自分の中で役を重点的に作りこんで『自分はこうでなきゃできない!』と言うタイプもいますけど、彼女はそうじゃない。こっちが困難なことを言えば言うほど燃えるタイプで、涙を流すシーンでも『もう一回いける?』って聞いても『ええ、大丈夫です』って即答でしたからね。演じているときですら“自分でありたい”という俳優が多い中で、日本では数少ない器の女優ですよ。劇場に観に行かなかった人には、ぜひこの作品で演じる彼女を観ていただきたい。きっと驚くでしょう。公開当時は変な捉え方をされて、作品にとっても非常に不幸な状況でしたけど、今回のDVD発売を機に、10年経ったと思って観てもらいたいですね」。

ちなみに今回発売されるDVDには、劇中の香恵の部屋のTVで流れる黄川田将也さん(劇中ではアイドル俳優、その名も夏目涼)主演のVシネマ「殺し屋は天使の匂い」の完全版が収録されている。行定監督はこちらの撮影をかなり楽しんだようで、作品もお気に入りの様子。
「あれだけを誰か買い取ってくれないですかね。深夜ドラマシリーズみたいな感じで、どこかのTV局からオファーが来るといいですね(笑)」。

『クローズド・ノート』スペシャル・エディション(2枚組)
価格:6,300円(税込)
発売元:ショウゲート/東宝
販売元:東宝
発売日:3月28日(金)

『クローズド・ノート』スタンダード・エディション
価格:3,990円(税込)
発売元:ショウゲート/東宝
販売元:東宝
発売日:3月28日(金)
《シネマカフェ編集部》

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