異才・石井克人が昭和の忘れられた巨匠・清水宏名作に真正面から挑戦!

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清水宏監督シンポジウム。左から石井克人監督、マイコ、佐藤忠男。
  • 清水宏監督シンポジウム。左から石井克人監督、マイコ、佐藤忠男。
昭和初期のとある温泉場を舞台に、盲目の按摩・徳市の淡い恋心を描いた『山のあなた 徳市の恋』が5月24日(土)より公開される。本作は、1938年に発表された清水宏監督の『按摩と女』のリメイク作品。さらに、この作品を含む清水監督の名作を収録したDVD集「清水宏監督作品 第一集 山あいの風景」も4月25日(金)に発売を迎える。これに先立ち4月16日(水)、『山のあなた 徳市の恋』の監督の石井克人と本作でヒロインを演じたマイコ、映画評論家で日本映画学校校長の佐藤忠男を迎えてトークシンポジウム「“ニッポン・ルネッサンス”昭和初期の巨匠・清水宏 復興」が開催された。

石井監督は、清水監督について「『簪(かんざし)』(1941年)という作品がありまして、特に何が起こるというわけではないのですが、僕の中に非常に強烈な印象を残してくれました。『按摩と女』については、温泉場を訪れるときはみんな洋装なのに、宿に着いたら浴衣に下駄ばきになるんですね。そこにすごく爽快さを感じました」と感想を語った。

当時の邦画は、演劇出身の俳優が多いこともあり、大げさな演技が主流であった中で、清水監督は俳優に「何も考えずにそこにいろ!」と指示していたという。石井監督は「僕もよく、俳優に『何も考えないでくれ』と言います(笑)」と自身との類似点を挙げ、さらに「清水監督はいつも『カラーで表現できたら…』と周囲に漏らしていたと聞きました。とても現代的な感覚を持った方でいらしたんだな、と思います」と語った。

佐藤さんは清水監督を「天真爛漫」と評し「松竹という大きな会社の中で、個人的な映画を撮り続けた人物であり、独特ゆえに忘れられてしまった」と説明。あの溝口健二監督をして“清水くんは天才で、僕や小津安二郎は努力家に過ぎない”と言わしめたというエピソードを紹介し「何気ない芝居を撮り続けた、“傍流のヒーロー”」と語った。

オリジナル作品で昭和の名女優・高峰三枝子が演じた、徳市の恋の相手・美千穂に扮したマイコさん。「監督と話し合い、お姉さんとして弟を包み込むようなイメージで演じました」とふり返った。映画についても「全てにおいて美しい作品です」と胸を張った。

石井監督も「イントネーションや登場人物の所作などはオリジナル作品そのまま。美術に関しても、昔の温泉街を再現するために、一度引退した熟練スタッフにお願いして作っていただきました」と自信のほどをうかがわせた。『山のあなた 徳市の恋』は5月24日(土)より全国東宝系にて公開。なお、本作は“心の入浴料”と称して一律1,000円で鑑賞できる(一部劇場をのぞく)。そして、DVD集「清水宏監督作品 第一集 山あいの風景」は4月25日(金)発売。

「清水宏監督作品 第一集 山あいの風景」
※特典ディスクを含む4枚組BOX
発売・販売元:松竹株式会社 映像商品部
価格:12,600円(税込)
発売日:4月25日(金)
《text:cinemacafe.net》

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