主人公の栄光と転落、内なる孤独をシエナ・ミラーが魅せる『ファクトリー・ガール』

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『ファクトリー・ガール』
  • 『ファクトリー・ガール』
  • 『ファクトリー・ガール』 -(C) 2006 Factory Girl.LLC
  • 『ファクトリー・ガール』 -(C) 2006 Factory Girl.LLC
シエナ・ミラーと言えば、現代のおしゃれセレブであり、ジュード・ロウに始まる怒涛の恋愛遍歴からゴシップクイーン視されることも多い。『カサノバ』『スターダスト』などで好演を見せてはいるものの、“女優シエナ・ミラー”を印象づける結果にはならなかった。そういう意味では、この『ファクトリー・ガール』こそが彼女の女優力を感じられる作品だと言える。

シエナ演じるイーディ・セジウィックは、名家出身者特有のオーラと多くの者を惹きつけるカリスマ性でアンディ・ウォーホルのお気に入りに。瞬く間にポップ・カルチャーのアイコンへと祭り上げられるが、華やかなときは長く続かず、気まぐれなウォーホルに見捨てられ、やがて転落していく。

生身のイーディに寄り添った語り口だからか、センチメンタルなストーリーになり過ぎている嫌いはあるが、イーディ・セジウィックという時代のミューズを、脆く不安定だが目の離せない女性として演じ上げたシエナが注目に値する。アンディ・ウォーホルの内にうごめく屈折した感情を、とらえどころのない雰囲気で絶妙に表現したガイ・ピアースも見事。撮影時にはシエナと共演者ヘイデン・クリステンセンの熱愛がクローズアップされ、完成後はシエナが着こなす60年代ファッションが作品の魅力のひとつになっているあたりはいかにもシエナの主演作らしいが、そんな彼女だからこそ虚構の影で孤独を抱いたイーディにリアリティをもたらすことができたのかもしれない。

《text:Hikaru Watanabe》

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