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「僕がやらなきゃ誰がやる?」こだわり派監督、陣内孝則が『スマイル』をふり返る

自身の息子のアイスホッケー観戦から生まれた物語『スマイル 聖夜の奇跡』。ホッケー少年とフィギュアスケート少女の淡い恋を軸に、ホッケーに関してはド素人なのに、北海道ナンバーワンのチームを作り上げた監督とチームメンバーたちによる爽やかな青春ストーリーとなっている本作のDVDが発売中だ。自分の初恋を思い出してちょっと切なくなるようなキュートな作品を取り上げた陣内孝則監督に話を聞いた。

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『スマイル〜聖夜の奇跡〜』 陣内孝則監督 photo:HIRAROCK
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  • 『スマイル〜聖夜の奇跡〜』 陣内孝則監督 photo:HIRAROCK
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  • 『スマイル 聖夜の奇跡』
自身の息子のアイスホッケー観戦から生まれた物語『スマイル 聖夜の奇跡』。ホッケー少年とフィギュアスケート少女の淡い恋を軸に、ホッケーに関してはド素人なのに、北海道ナンバーワンのチームを作り上げた監督とチームメンバーたちによる爽やかな青春ストーリーとなっている本作のDVDが発売中だ。自分の初恋を思い出してちょっと切なくなるようなキュートな作品を取り上げた陣内孝則監督に話を聞いた。

何よりも少年・少女たちのホッケーシーンの迫力に魅せられる本作。ホッケーチームの子供たちは、子役ではなく、本物のホッケー選手だ。しかし本作を機に俳優への道を歩み始めたメンバーもいるというから驚きだ。
「息子がアイスホッケーをやっていたので、10年くらい僕自身も観戦し続けていたんですよね。その中で気になっていた子もいたのでピックアップしたんですよ。彼らにとってはありがた迷惑だったかもしれないけど(笑)。主役の男の子を演じた綿貫智基(現在は立花裕大として活動中)は役者になりたいという強い希望があって、うちの事務所に籍を置くことになったんです」。

それは監督冥利に尽きるのでは?
「どうなんでしょう? そんな芸能界甘いもんじゃないですからね(笑)。むしろ、この世界に引きずり込んじゃったみたいで申し訳ない気がします。あと、フィギュアスケートからホッケーに転身しちゃう女の子、千夏を演じた子は、女学館に行っていたのに、辞めちゃったんですよ。彼女のおじさんが舞台の脚本家で、後藤ひろひとさんなんですけど、オーディションの前日に彼からメールをもらったんです。“明日、うちの姪っ子がオーディションを受けるそうです。あなたも好きなことやってますね、わははは!”って。これってうちの姪っ子を使えってことだよね(笑)」。

とはいえ、監督が「この子が良い!」と主張した訳ではなく、周囲の人間の後押しによって、キャスティングが決定したことは明記しておきたい。ちなみに、この千夏にはモデルがいるそうだ。
「息子が所属していたチームに実際に、そういう女の子がいたんですよね。都内の女子校に通っていてフィギュアをやっていたのに、フィギュアじゃつまらないってアイスホッケーやり出したんですよ。それで本気でオリンピック狙いたいからって、北海道の高校に転校しちゃった。すごくかわいいのに男勝りで、『おめー、男だろ!』って言うような子で、千夏は彼女をモデルにして書いたキャラクターだったので、ちょうど良かったよね」。

そうしたキャスティングの妙は、主演の森山未來が演じた修平にも表れている。
「森山くんがキャスティングされた後、たまたま彼の舞台を観たらタップダンスをやっていたんですよね。それで、踊るコーチって良いかもって思ったんですよ。ほら、海外のバスケットボールとかの監督って、踊るように指示を出すでしょ? ああいう存在感を出したかったんですよね」。

その後、森山さんとはいろいろと話し合いがあったようで…
「森山くんが“タップはイヤだ”って言うんですよ。確かに彼の気持ちは分かる。それ(タップ)は彼のこだわりで、素人には触れられたくない世界だから。僕もバンドをやっていたから、“バンドマンの役とかどうですか?”って軽々しく言われると、カチンとくる。だから、“じゃあ、やめるか”って言ったら、“やめるんですか?”って。“どっちなんだよ、コノヤロー!”ってね(笑)。見せたいんだけど、軽はずみに扱われたくないっていう彼のデリケートな部分なんですよね。だから、ここはかなりディスカッションしましたよ」。

そんな陣内監督にだって、“監督業”にこだわりがあるのだ。
「腕のある職業監督はいっぱいいるし、僕より才能のある人は、それこそたくんさんいます。でも僕が撮るから意味がある、僕だから撮れる映像が欲しかった。やっぱり、ダテに10年ホッケーに付き合ってないっていうのを見せたかったんですよね。『ロッカーズ』もそうだったけど、自分だから分かるバンドマンの世界みたいな、自分だから分かるホッケー少年たちの世界みたいなものを切り取れたと思います。僕がやらなかったら、誰もタッチしないところだと思うんですよね。“僕がやるから意味のある”ところを大事にしました」。

「撮影している時間が一番幸せ」と嬉しそうに、たくさんのエピソードを語ってくれた陣内監督。今回の『スマイル 聖夜の奇跡』にしろ、前作の『ロッカーズ ROCKERS』にしろ、監督自身の人柄がそのまま映し出されたようなストレートな温かさが感じられる。是非とも新作を、なるべく早く、そして数多く発表してほしいものだ。



『スマイル 聖夜の奇跡』
発売:フジテレビジョン
販売:ポニーキャニオン
価格:3,990円(税込)
発売中
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