希代の写真家が撮りたい日本の風景は? エドワード・バーティンスキーが大学で講演

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東京工芸大学で講演を行ったエドワード・バーティンスキー。
  • 東京工芸大学で講演を行ったエドワード・バーティンスキー。
産業発展という名の下に、人間は地球をどれだけゆがめてきたのか——? 産業の発展で変化を強いられた風景を撮影する写真家、エドワード・バーティンスキー。そんな彼の中国での撮影の過程を追ったドキュメンタリー『いま ここにある風景 エドワード・バーティンスキー:マニュファクチャード・ランドスケープ「CHINA」より』が7月に公開を迎える。公開を前に来日を果たしたバーティンスキーを迎えて、6月11日(水)に東京工芸大学で「いまここにある風景〜アートとドキュメントのあいだで」と題した講演会が開かれた。

講演会の前半で行われたプレゼンテーションで、バーティンスキーは、これまで撮影してきた風景写真を丁寧に1枚1枚紹介した。これらの写真は、南米での銅山の写真に始まり、アメリカの石切り場や出身地のカナダの油田、ラスベガス近くのダムなど、世界中で撮影されたもので120点にも及んだ。中には、まだ未発表の画像も多く含まれ、講演会に出席した聴衆は貴重な作品の数々に息を飲んだ。

今回の映画の舞台になった中国での画像も見られ、劇中にも登場するダムや工場の数々、都市化する上海の街並みなどの画像が紹介された。加えて、このプレゼンテーションの中で、彼が次のテーマとして強調したのが「石油」。現在このテーマのもと、すでにドバイで撮影を行ったほか、今後サウジアラビアにも赴くことを明かした。

プレゼン終了後には質問タイムも設けられ、出席者からの様々な質問に丁寧に答えてくれた。「日本で撮影したい場所は?」という質問には「かつて産業があったけれど、打ち捨てられてしまった場所に興味があります。(かつて炭鉱として栄えた)軍艦島を見てみたいですね。ポンペイのように突然、人がいなくなってしまったかのような風景を昔、写真で見ましたが、非常に興味があります。ちょっと不吉な雰囲気があり、違和感を持ってしまうような風景、残った廃墟を再び自然が吸収しようとしている風景などに想像力が喚起されます。日本は世界有数の造船技術を持った国でもありますから、大きな造船所を撮ってみたいとも思います」と語った。初めて訪れた日本は彼の目にどう映ったのかも気になるところ。今後、日本をテーマにした作品が発表される可能性もあるかもしれない。

映画『いま ここにある風景 エドワード・バーティンスキー:マニュファクチャード・ランドスケープ「CHINA」より』は7月12日(土)より東京都写真美術館ホール、シアター・イメージフォーラムにて公開。
《text:cinemacafe.net》

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