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ファッション小噺vol.87 オフのときには、ジャージでだらだら『ジャージの二人』

日本で教育を受けた人なら、これを着たことのない人などいないのでは? 緑、エンジ、紺、ブルー…。胸元には学校の名前がプリントされているあれ。そう、ジャージです。学生時代は「思い切りダサい」と思っていたのに、卒業しても捨てるでもなく、なんとなく部屋着にしてしまったりして。不思議です。

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『ジャージの二人』 -(C) 2008「ジャージの二人」製作委員会
『ジャージの二人』 -(C) 2008「ジャージの二人」製作委員会
  • 『ジャージの二人』 -(C) 2008「ジャージの二人」製作委員会
  • 『ジャージの二人』 -(C) 2008「ジャージの二人」製作委員会
  • 『ジャージの二人』 -(C) 2008「ジャージの二人」製作委員会
日本で教育を受けた人なら、これを着たことのない人などいないのでは? 緑、エンジ、紺、ブルー…。胸元には学校の名前がプリントされているあれ。そう、ジャージです。学生時代は「思い切りダサい」と思っていたのに、卒業しても捨てるでもなく、なんとなく部屋着にしてしまったりして。不思議です。

そんなジャージが、思い切り存在感を主張している映画があります。タイトルもずばり『ジャージの二人』。会社を辞めたばかりの息子とグラビアカメラマンの父が、高級別荘地・北軽井沢で夏休みを過ごすという物語。亡き祖母が集めてきた古着のジャージを着て、特に予定もない何もせずに過ごす休暇です。

この夏休み、“ジャージを着て”というのがポイント。いい大人が並んでジャージを着ている姿は、なんとも緩んだ感じで滑稽でもあるのですが、一目で分かる“オフ感”は、さすがジャージのなせる業です。

かつては、ジャージはイケてないものというのは定説でしたが、いつの頃からか、イケてるジャージというのが登場しました。L.A.カジュアルと称して、ベビーブルーやベビーピンク、淡いイエロー、ブラックなど、主にきれいな色使いのパイル地やスパンデックスを使って、ぐんとおしゃれ仕様になったジャージです。ハリウッドセレブたちの街角スナップなどで、登場することも多かったので、たちまち人気になりました。でも、なぜかそんなお洒落なジャージではしっくり来ないという人も多いはず。薄い色の服は汚れやすくて、食べこぼしなどしたらジ・エンド。その点、学校で使っていたジャージは、食べこぼしても気にならないし、耐久性もばっちり。子供のジャージが体育の授業のためにあるとしたら、大人のジャージはだらだらするためにある、そう言い切りたいほど。スポーツウェアが多様化し、機能も発達しているために、ジャージを着て運動している大人を見かけなくなったいま、もはや大人の運動着ではなくなったのでしょう。

となると、残る使命は“だらだら着”に徹すること。トップスだけならまだ「こういうお洒落なんだ!」と言い張ることもできますが、上下揃えて着てしまったときには、だらだら着という名前に相反して、「今日は、思い切りだらだらする!」という強い決意と覚悟を表明しているようなもの。もし、この夏休み、この映画を機にジャージの魅力を再発見してしまったら、寝てもジャージ、起きてもジャージというような生活にハマってしまうかもしれないので、要注意です。

公開直前の7月10日(木)には、映画『ジャージの二人』特別試写会「ジャージでナイト!! 〜やっぱりジャージでないと!?」も行われ、会場となった恵比寿ガーデンシネマには、ジャージ姿の人々が集ったとか。

ますます(?)盛り上がりを見せるジャージ。劇中で父子が着ていたジャージが、9689(クロパグ)特製・わんこジャージになって発売中というのですから、犬にも着せて、みんなでジャージライフを楽しんでみては?



9689(クロパグ)
http://9689.jp/
《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

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