盟友・鈴木敏夫プロデューサーが語る宮崎駿と『崖の上のポニョ』の挑戦

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『崖の上のポニョ』 -(C)2008「崖の上のポニョ」製作委員会
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さかなの子・ポニョと人間の男の子・宗介の間に生まれた絆を描いた宮崎駿監督の最新作『崖の上のポニョ』がいよいよ7月19日(土)に公開を迎える。『ハウルの動く城』以来、4年ぶりとなる最新作に宮崎監督が込めた思いとは——。スタジオジブリの代表取締役プロデューサーで、宮崎監督の全てを理解する盟友・鈴木敏夫に話を聞いた。

本作について“「母と子」を描いた物語”、“宮崎駿の母親へのオマージュ”と評する言葉をよく耳にする。その一方で、貨物船の船長をしている宗介の父・耕一や娘のポニョを海へと連れ戻そうとするフジモトなど、タイプは異なるが印象的な父親たちも登場する。鈴木プロデューサーは、劇中の2人の父親を通して垣間見える“父親”としての宮崎駿についてこう語る。
「昔、宮さん(宮崎監督)が『アルプスの少女ハイジ』を作っていた頃、週に6日は仕事場で寝泊りして、家に帰るのは日曜日だけという生活だったんです。だから耕一は、その頃の宮さんそのものと言えるのかもしれない。ちなみに、日曜は『ハイジ』がTV放映されるんだけど、長男の吾朗くん(※『ゲド戦記』の宮崎吾朗監督)は正座してこれを見てたって。本当は裏番組で放映されていた『宇宙戦艦ヤマト』が見たかったのに、週に一度の父子の交流で『ハイジ』を見なくちゃならなかったので、吾朗くんはいまだに『ハイジ』を恨んでるらしい(笑)。それから、宮さん自身は男ばかり4人の中で育って、子供も2人とも男の子だから、実際に娘を思い案じるフジモトの気持ちを経験したことはないんだよね。だから、と言うべきか女の子への憧れはすごく強い。それがフジモトに投影されているんですね」。

鈴木プロデューサーは、本作におけるアニメーションとしての挑戦が“海”の表現にあったと語る。
「アニメーションで一番難しいと言われているのが火と水の表現なんです。前作の『ハウルの動く城』は、火の悪魔・カルシファーや戦火などの火をどうやって描くかという挑戦でした。そういう意味で、宮さんの中に『次は水だ』という思いがあったんですね。『ハウル』が公開を迎えたとき、舞台挨拶には行かずに(笑)、ジブリの人間は250名総勢で瀬戸内海のとある町を訪ねていました。そこで見た風景が、今回の物語に大きく関係しています」。

宮崎作品を語る上で、欠かすことが出来ないのが久石譲さんが手がける音楽。本作では、一度聴いただけで耳に残る、かわいらしいメロディの主題歌が、公開前から話題となっているが、この曲の誕生には物語の展開とも深い繋がりがある。
「久石さんは、以前『となりのトトロ』のときは、歌詞を渡してから曲の完成まで8か月もかかったんです。それが、今回は歌詞を見せた途端にメロディが浮かんできたそうなんです。それから大橋のぞみちゃんに歌ってもらうことが決まったんですが、宮さんが『父親の声が一緒にあった方がいい』って言ったので、僕の知り合いの藤巻という男に頼んで、『藤岡藤巻と大橋のぞみ』というユニットにしたんです。最初はこの曲、主題歌なのでオープニングで使う予定だったんですが、宮さんが『エンディングかな…』って言い始めまして。子供たちが映画を観て、この曲を聴いて外に出てもらう方が良いからって。そこから、この歌にふさわしい映画のストーリーを組み立てていったんです。歌に合わせて物語を作るというのは今回が初めての挑戦でした。『トトロ』のときは、久石さんが相当苦しみましたが、今回は逆で、宮さんが物語の生みの苦しみを相当味わったみたい(笑)。まあ、その甲斐あって、プロデューサーから見ても素晴らしい映画に仕上がったと思いますよ」。
《text:cinemacafe.net》

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