アーロン・エッカート「もう一人の自分が少し離れた所でヒースの演技に魅入ってた」

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『ダークナイト』 アーロン・エッカート photo:Shinya Namiki
  • 『ダークナイト』 アーロン・エッカート photo:Shinya Namiki
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従来の単純な善と悪の対立という構造をぶち壊し、ヒーロー映画を新たなステージへと導いたとまで評されるクリストファー・ノーラン監督の最新作『ダークナイト』。本作で“トゥー・フェイス(=2つの顔)”を持つ男、ハービー・デントを演じたアーロン・エッカートに話を聞いた。

子供の頃から原作コミックのファンで「いつも『バットマン』のアニメを楽しみに学校から帰っていたし、ハロウィーンでは毎年バットマンの扮装をしていた」と言うアーロン。今回演じたハービーは、正義を胸に生きる高潔な地方検事だったが、ある悲劇が彼に恐ろしいまでの変化をもたらす。
「実は、最初にオファーをもらった段階では、ハービーはあまり大きな役じゃないな、と思っていたんだ。ジョーカーをヒース(・レジャー)が演じると聞いて、そちらの興奮が大きかったこともあるしね。でも、脚本を読んでみてその考えが間違いだったと気づいた。バットマンとジョーカー、そしてハービーという3人の主要人物の中でも、ハービーこそが物語のハートであり、魂であるとさえ感じたよ。ジョーカーは破壊衝動に突き動かされ、社会に対し難しい選択を突きつけるけど、ハービーはそれを全て受け止める。彼のこうした行動によって、劇中におけるジョーカーやバットマンのキャラクターが浮かび上がってくる。いわば、ハービーがジョーカーやバットマンという存在の定義を与えているんだ」。

アーロンは、物語を読み解く重要なポイントとして「他者との関係性」を挙げ、ハービーの抱えるジレンマについてこう語る。
「バットマンとの関係、バットマンの正体であるブルースとの関係、恋人のレイチェルとの関係、それにゴードン警部補との関係——ハービーは多くの人々との関係性を持っている。でもおかしなことに、彼自身には相手がどのような人間なのか、自分が相手の中のどこに位置しているのかがわからないんだ。なぜなら、彼が接する人々はみな、表の顔と裏の顔を持っているから。いみじくも彼のニックネームは“トゥー・フェイス”だけれども、実は2つの顔を持っているのは彼だけではないんだ。この複雑な構造を楽しんで観てほしいね」。

そして何より、ジョーカーとの関係性。病院の一室で、ジョーカーとハービーが対峙するシーンは、その先の物語のゆくえを決定づけることになる。あのシーンはどのように作られていったのだろうか?
「あの病室でのシーンの原動力となっているのは、間違いなくヒースの凄まじいまでのエネルギーさ。それまでのシーンでもヒースは素晴らしい演技を見せていたから、僕自身、ヒースとの撮影をすごく楽しみにしてたんだ。リハーサルの段階で、彼はいろんなアイディアを出してくれて、それを見ながら僕は『どうやろうか?』とあれこれ考えていたんだけど、実際に撮影が始まると、正直言って彼の演技に付いていくので精一杯だったよ(笑)。ベッドに寝て演技をしながら、俳優としてヒースの演技に反応する自分と、同僚として、少し離れたところから彼の演技に魅入っている2人の自分がいたんだ。あのシーンは僕にとってこの映画の中で最も気に入っているシーンだし、ヒースと一緒にそれを作れたことを誇りに思うよ」。

《photo:Shinya Namiki》

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