シネマカフェ的海外ドラマvol.74 エミー賞、今年のノミネーション作品は?

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昨年のエミー賞でドラマ部門の最優秀主演男優賞を受賞したジェームズ・スペイダー -(C) Getty Images/AFLO
  • 昨年のエミー賞でドラマ部門の最優秀主演男優賞を受賞したジェームズ・スペイダー -(C) Getty Images/AFLO
今回は今年のノミネート作品に目を向けていきたいと思いますが、と言ってもエミー賞の部門数は100近く。そこで、エミー賞の最重要部門であるドラマ・シリーズ部門作品賞を中心に取り上げていきます。

まず、ノミネートされたのはジェームズ・スペイダーが破天荒な弁護士を軽快に演じる弁護士ドラマ「ボストン・リーガル」、大女優グレン・クローズが非情な敏腕弁護士を演じるサスペンス「ダメージ」、昼間は警察の鑑識官、夜は犯罪者に制裁を加える殺人鬼として生きる男を主人公にした「デクスター」、天才医師・ハウスが原因不明の病を解明する「Dr.HOUSE」、謎の無人島でサバイバルが繰り広げられる「LOST」、そして60年代の広告業界を舞台にした「Mad Men」の6作。

「Mad Men」以外は日本でも見られる作品ばかりです。そして、シーズン1が評価の対象になっている新作シリーズは「ダメージ」と「Mad Men」の2本。しかも、この2本はそれぞれFXとAMCという、ケーブルTVのベーシック・チャンネルで放送されているものです。

アメリカのTV局がネットワーク局(「ボストン・リーガル」、「LOST」を放送するABCや「Dr.HOUSE」を放送するFOXなど)とケーブル局に分かれているのはすでにご存知だと思いますが、ケーブル局の中には基本料金のみで視聴できるベーシック・チャンネルと契約料が発生するプレミアム・チャンネルが。「SEX AND THE CITY」などのヒットで日本でも有名になったHBOのほか、「デクスター」や「Lの世界」を放送しているSHOWTIMEなどがプレミアム・チャンネルにあたります。

しかしながら、これまでエミー賞などの賞レースを賑わせてきたのはプレミアム・チャンネルの作品が中心で、ベーシック・チャンネルの作品が2本も作品賞にノミネートされたのはエミー賞史上初の快挙。このあたりから、ネットワーク局よりは振り幅の広い制作方針の下に作られたケーブル局の作品に注目が集まっていることと、その中でもベーシック・チャンネルの勢いが増してきたことが分かります。

また、昨年の11月から今年の2月まで行われた脚本家組合のストライキがノミネーションに影響しているのも事実。大抵の番組が9月放送開始となっているネットワーク局の作品は、このストライキにより制作の中断や中止を余儀なくされました。そのため、ストーリーの調整に追われたネットワーク局のドラマたちが評価されにくかった感は否めません。「LOST」「HEROES/ヒーローズ」など、今後への期待を背負い、シーズン1の時点で華々しく候補入りしているシリーズも過去には多々ありますが、今年はそれにあたる作品がないのが寂しいところです。

ちなみに、「ダメージ」と「Mad Men」のシーズン1が放送されたのはスト開始以前の昨年7〜10月。ただし、DVDの日本発売のために今年3月に来日したグレン・クローズによれば、「シーズン2の撮影はストの影響で延期してしまっているのよ」とのことで、放送開始自体も来年1月にずれ込んでいます。



写真は昨年の第59回プライムタイムエミー賞でドラマ部門の主演男優賞を受賞(「ボストン・リーガル」)したジェームズ・スペイダー。昨年の最優秀ドラマ賞は「ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア」

© Getty Images/AFLO
《text:Hikaru Watanabe》

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