世界の映画館vol.25 メキシコシティ「標高2,200メートルの映画館」

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メキシコシティ内のシネコンで『デイブは宇宙船』鑑賞 photo:ishiko
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現地在住のアーティストと昼食を取りながら、メキシコ国立自治大学内でメキシコ映画を上映している映画館があると聞いた。『苺とチョコレート』や『エル・トポ』など独特の芸術性を持つメキシコ映画を観たいなぁと思っていた。早速、彼女に場所を教えてもらい、最寄りの地下鉄駅へ向かった。しかし、改札口は人であふれ、中に入れない。どうやら電車が動いていないようである。

予定変更。ホテルに戻ってバーでテキーラでも飲むことにする。さてさて、そのホテルへは、どう戻るのだろう。昨日の夜、この街に到着したばかりで土地勘は全くない。ベンチに座り、地図を広げる。自分のいる位置とホテルの位置を確かめると歩けない距離ではなさそうだ。通り名を一本ずつ確認しながら、約20分程度歩くと、この街の目抜き通りとも言えるレフォルマ通りに出た。後は、これをまっすぐ進んでいけば滞在先のホテルまでたどり着きそうである。地図をポケットにしまいこみ、世界中の芸術家がそれぞれ作ったベンチが並ぶ歩道を進んでいく。

まだ、この街の標高に慣れていないのか、少し息苦しいのは気のせいだろうか。メキシコシティは標高約2,200メートル。富士山でいうと五合目あたりに街があるようなものだ。そう思ったとき、エディ・マーフィの新作映画『デイブは宇宙船』の垂れ幕が掲げられたシネコンが見えた。富士山五合目にあるシネコン。そう思ったら入っていた。

薄暗い受付の窓口では二人の係員が並んでいる観客をさばいている。入場料40ペソ(約420円)。タイトルや客席の様子を書いたメモをなくしてしまい、いまとなってはラブ・コメディだったことしか覚えていないのだが、映画のエンディング・テロップを最後まで観ていく客が多かったことは印象に残っている。たいてい世界の映画館は、エンディング・テロップが流れると席を立つ観客が多い。テロップが流れると同時に場内の電気がつく映画館さえある。そんな中、フィルムが終わるまで見届けるメキシコの観客の姿に、どこか映画を大切に対する気持ちが伝わってきた。

(text/photo:ishiko
《text:cinemacafe.net》
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