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【TIFFレポート16】若き日の松山千春を演じた大東俊介「負けてたまるか!」

2006年にデビュー30周年を迎えた、日本を代表するシンガーソングライター、松山千春。彼が23歳のときに、自ら書き下ろした自伝「足寄より」をベースにした『旅立ち〜足寄より〜』が「日本映画・ある視点」部門に選ばれ、10月20日(月)に上映された。今井和久監督、主演の大東俊介、石黒賢が上映前に舞台挨拶に登壇し、作品についてそれぞれの熱い思いを語った。

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『旅立ち〜足寄より〜』舞台挨拶にて(左から)今井和久監督、大東俊介、石黒賢
『旅立ち〜足寄より〜』舞台挨拶にて(左から)今井和久監督、大東俊介、石黒賢
  • 『旅立ち〜足寄より〜』舞台挨拶にて(左から)今井和久監督、大東俊介、石黒賢
  • 『旅立ち〜足寄より〜』舞台挨拶にて大東俊介
  • 『旅立ち〜足寄より〜』舞台挨拶にて石黒賢
2006年にデビュー30周年を迎えた、日本を代表するシンガーソングライター、松山千春。彼が23歳のときに、自ら書き下ろした自伝「足寄より」をベースにした『旅立ち〜足寄より〜』が「日本映画・ある視点」部門に選ばれ、10月20日(月)に上映された。今井和久監督、主演の大東俊介、石黒賢が上映前に舞台挨拶に登壇し、作品についてそれぞれの熱い思いを語った。

ドラマ「花ざかりの君たちへ 〜イケメン♂パラダイス〜」や『リアル鬼ごっこ』で注目された若手俳優の大東さんは本作が初主演映画となる。「この作品は本当に僕にとってすごく大きな作品です。役者としてもすごく刺激を受けましたし、いまの僕と同世代の松山千春という人に、同じ男として負けてたまるかとも思いました」と本作にかけた意気込みを語った。実在の人物を演じるには相当のプレッシャーがあったようで、「コンサートの映像を見て、曲もたくさん聴いて、役作りをしていたんですけど、変にドツボにはまってしまいました。役作りとは別に不安やプレッシャーで無意識の内に悩んでしまって。このままモノマネ王座決定戦に出るのかなと思うくらい、本当に抜けれなくなったときがありました。何もかもコピーしようとしていたんです。いまとなっては笑い話ですけど(笑)」と明るく語った。そこから抜けたのは千春の父を演じた泉谷さんの言葉だったそうだ。「あるとき泉谷さんが『本当に千春に見せたいなら、千春本人が特殊メイクすれば、それが千春だから。いまの技術だったらそれができるし』と、冗談半分で言ってくださったんです。『でも、そうしないでお前が選ばれたってことは、映画の中の、この松山千春という役はお前なんだから、お前の好きなようにやれ』と。それで吹っ切れたんです。その一番大事なことを忘れていたな、と。22歳のときの松山さんって、すごく真っ直ぐな方なので、僕が普段、ストッパーかけてる気持ちの部分とかも全部ぶっ壊してしまう、すごく気持ちいい、カッコイイ人なんです。本当にこうなりたいなと思ったし、それに気づいてから役に入ることが出来て、すごく気持ち良かったです」。

撮影現場には松山千春さんのマネージャーさんが来ていたそうで、「『千春に似てる』って言ってくれたのがすごい嬉しくて。コンサートのシーンとかも千春さんのファンの方々が協力してくださって、どんな気持ちで観てるんだろう、とかすごく聞き耳を立てて観てましたけど(笑)」と、充実した表情で語った。

石黒さんはSTVラジオ(札幌ラジオ)のプロデューサー、西口を演じた。「松山千春さんとは、僕が中学生時代に見ていた『ザ・ベストテン』という歌番組で曲を聴いたのが最初の出会いです。こうやってTVで曲がかかるようになる前にこんなにもドラマティックなストーリーがあったことを初めて知りました」と松山さんとの出会いを語った。また、自身が演じた“ラジオの人”というキャラクターについても、「ラジオの良さみたいなものを改めて感じました。千春さんの曲がだんだん広まっていく感じはいまのネット配信という刹那的なものとはちょっと違う、ひたひたと波が打ち寄せる感じがあって、そこに松山千春が自分でも来た来た、って感じはあったでしょうし、当時のスタッフもそうだったと思うんです。その辺のラジオの良さみたいなもの、ラジオに関わった我々男たちの思いみたいなことも合わせて観ていただけたらなと思います」と、大東さんに負けずに熱い思いで役を演じたことをうかがわせた。

監督は、『ポストマン』に続き長編映画2作目となる今井監督。「他人との繋がりが希薄になってきているいまの世の中で、松山千春さんの物語を通して、人と人との触れあいとか、絆とか、人を信じることの素晴らしさをみなさんに分かっていただけたらありがたいなと思ってドキドキしています。観終わった後、家族のことを考えたり、昔の友達のことを思い出したり、故郷を思い出していただければ嬉しいです」と、作品をアピールした。

最後に大東さんが、「僕自身、松山千春という人、そしてこの作品にすごく影響を受けました。人の思いの強さ、人との繋がり、やっぱり何かをやり遂げる力というのは誰もが持ってるもので、自分を信じることが一番の力なんだと改めて思いました。この映画のそういう部分が刺激になり、パワーになれば嬉しいです」と語り、舞台挨拶は幕を閉じた。

『旅立ち〜足寄より〜』は、11月22日(土)より北海道先行公開、2009年1月24日(土)より、全国にて順次公開される。

第21回東京国際映画祭特集
http://www.cinemacafe.net/fes/tiff2008/
《シネマカフェ編集部》

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