「コーラスライン」ダンサー、高良結香「ブロードウェイは今の自分の力を試せる場所」

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『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』 高良結香
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16年ぶりに再演されたミュージカルの最高峰「コーラスライン」。そのオーディション会場に初めてカメラが入り、ダンサーたちの熱く激しい闘いを収めたライヴドラマ『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』がいよいよ公開となる。応募者3,000人の中から選ばれるのはわずか19名のダンサー。その1人として再演版「コーラスライン」で見事コニー役を射止めたのは、ブロードウェイのアジア人女優の中でもずば抜けた実力を発揮している高良結香だった。2006年9月〜2007年7月にわたってコニー役で出演した彼女に本作の魅力を聞いた。

「“愛していないとこの世界には生き残れない”、まさにそのとおりです」

「映画にはいまから3年前の映像も入っているので、すごく懐かしい(笑)。私にとって『コーラスライン』は、リボンをかけて押し入れの奥にしまってあるような宝物なんです。この映画でまた心を揺さぶられた感じですね。いまは地元の沖縄で音楽活動をしているので、ある程度距離を置いて(映画を)観られますが、心の底のファイヤーはまだまだ残っていますよ!」。

そう語るように、彼女は沖縄とニューヨーク・ブロードウェイを往復するアクター&シンガーソングライター。これまでにブロードウェイにて、「マンマ・ミーア!」や「Flower Drum Song」、「太平洋序曲」、「RENT」などに出演している。中でも「コーラスライン」は「精神的にも体力的にも一番がんばった作品、自分自身を試された作品」なのだと言う。
「役を作るのではなく、心を裸にして演じている、そこが現実的で人間らしいと思うんです。“愛していないとこの世界には生き残れない”という話が出てくるけれど、本当にそのとおり。単にきれいだからでは務まらない、普通の愛じゃ足りないのが『コーラスライン』なんです」。言葉ひとつひとつに重みがある。

本作で描かれるのは約8か月にわたって行われるオーディション。ブロードウェイでは1年がかりのオーディションは当たり前だが、彼女が話すように相当な作品への“愛”と精神的“強さ”が不可欠なのだ。
「でも、へこむときもありますよ(笑)。1、2回目のオーディションからファイナルのオーディションまで3か月あって、その間は沖縄に帰って音楽活動をしながらいろいろと考えていましたから。本当にこの仕事をやりたいのか、1年間ニューヨークにいたいのか、やっとアルバムをリリースしてラジオで自分の曲が流れるようになったのに沖縄を去っていいのか…と。というのは、私が最終的にやり続けたいのは音楽なんです…」。葛藤の末に彼女が出した結論は「ミュージカルをやることでポップスやロックにもいい影響が出てくる、損なことはひとつもないはずだ」という前向きなものだった。

オリジナルのコニー役を目の前にして…“Oh my god!”

また、台本を読んだときに「コニーは自分自身だと思った」という共通点が、彼女を「コーラスライン」に導いたとも言えるだろう。
「フィジカル面で背が低いところとか、小さい頃からバレリーナになりたかったとか、スパンキーで負けず嫌いなところも似ています(笑)。ただ一つコニーと違うところ、彼女から学んだものがあるんです。“自分は自分だからしょうがないじゃん!”と、歌うシーンなんですが、そう言い切れるってすごいなと」。

そして「自分のコニーを認めてほしいと思った」と、高良さん。その言葉の裏には、オリジナルでコニーを演じたバイヨーク・リー本人が再演の振り付け担当であるというプレッシャーもあったようだ。
「ほんとに(苦笑)。オーディションの部屋に入ってバイヨークの姿を見たときは、“Oh my god!”って思ったけど、バイヨークが演じたコニーをそのままコピー&ペーストはしたくなかったんです。だから自分のコニーを出そうと思った。彼女は『コーラスライン』のバイブルと呼ばれている人で、全部の振り付けを覚えているんです。彼女なくして再演はあり得なかった。バイヨークに0Kをもらい“ありがとう”と言ってもらえたことは本当に嬉しかったですね」。

実在のダンサーたちが語る“真実”から生み出されたミュージカル「コーラスライン」。オリジナル版は1975年5月21日から1990年4月28日まで6,137公演が行われ、当時のブロードウェイ史上最長のロングランを記録(現在のブロードウェイのロングラン記録を保持しているのは「オペラ座の怪人」)。そして、2006年10月5日から始まったリバイバルも2008年8月17日に千秋楽を迎えた。世界中に感動を与え続けてきた「コーラスライン」の凄さ、ブロードウェイの魅力をいま一度、高良さんに聞いてみた。
「マイケル・ベネット(オリジナル版の原案・振付・演出を手がけた)は本当に天才なんです。キャストが誰であろうと、どの国であろうと完璧に公演できるように作られている。だからこそ、何年経っても世界中で公演され続けているんだと思う。それは凄いことでしょう? 私にとってのブロードウェイは過去でも未来でもない“今”の自分の力を試せる場所。今、ここで歌えるの? 今、心揺さぶることができるの? という力を試される場所ですね。いつまでもそういう場所であってほしい」。

《text:Rie Shintani》

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