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【TIFFレポート32】イスタンブールからイラクへ『私のマーロンとブランド』

アメリカのイラク侵攻によって、イラクに暮らす恋人と連絡が取れなくなった、イスタンブールに暮らす女性・アイチャが、彼に会うために、イラク国境へ向けて旅に出る物語『私のマーロンとブランド』。トルコの新人若手監督、フセイン・カラベイの初長編作である本作が10月24日(金)に「アジアの風」部門で公式上映され、上映後のティーチインにカラベイ監督が登場した。

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『私のマーロンとブランド』 フセイン・カラベイ監督
『私のマーロンとブランド』 フセイン・カラベイ監督
  • 『私のマーロンとブランド』 フセイン・カラベイ監督
アメリカのイラク侵攻によって、イラクに暮らす恋人と連絡が取れなくなった、イスタンブールに暮らす女性・アイチャが、彼に会うために、イラク国境へ向けて旅に出る物語『私のマーロンとブランド』。トルコの新人若手監督、フセイン・カラベイの初長編作である本作が10月24日(金)に「アジアの風」部門で公式上映され、上映後のティーチインにカラベイ監督が登場した。

全体的に「興味深く観た」、「反戦の思いを感じた」という感想が多く聞かれ、国際事情やトルコとヨーロッパの関係についての質問が多かった中、「アイチャの物語は実話ですか?」という質問も。「実話です。アイチャは戦争が始まる前に彼に恋をして実際に旅をしたんです。私がそのアイチャの旅に、いろいろと付け加えて、この映画になりました。実際のアイチャとハマリ(アイチャの恋人)に出演してもらい、当時を再現してもらったんです。もちろんフィクションの部分も多くあります。ニュースでイラクでの戦争の話が出てきたとしても、例えば、どれくらいの死傷者が出たとか、何万人の兵士がイラクに滞在しているとか、そうした“数”は分かりますが、そこにいる人の名前やそれにまつわるストーリーが語られることはありません。この物語は、そうしたたくさんのニュースのうちの一つに名前とストーリーを付けて表現したと言えます」と、本作を作った動機も合わせて答えてくれた。

もう一つ興味深かったのは、「映画が大好き」と言う監督が語るこの主人公たちについて。「この物語は全てが逆なんです。普通は男性から女性にアプローチするところ、アイチャという女性自ら男性の元へ行こうとしますし、幸せになるためには普通、東から西に行きますよね。でもアイチャは西から東へ行きます。そして人々は戦争を避けるものなのに、アイチャは進んで戦争へ向かうんです。それに、映画やテレビに出てくる恋人たちはお金持ちで美男美女。でもアイチャもハマリも決して美形ではないし、ハマリにいたっては、老けていて、ハゲていて、しかも太ってます(笑)。ここにいるみなさんだって、アンジェリーナ・ジョリーやブラッド・ピットのように美しい人ばかりじゃないでしょう(笑)? メディアの影響で私たちは自分自身に価値を見い出せなくなっています。でもそうではなく、現実に生きている私たちがヒーローであり、ヒロインであると言いたかったんです。そういう“普通の”恋愛をお見せすることで、自分自身に誇りを持ってもらいたかったんです」。

第21回東京国際映画祭特集
http://www.cinemacafe.net/fes/tiff2008/
《シネマカフェ編集部》

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