【TIFFレポート34】市川崑監督の幻の名作が15年の月日を経てついに公開!

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『その木戸を通って』舞台挨拶にて(左から)中井貴一、浅野ゆう子
  • 『その木戸を通って』舞台挨拶にて(左から)中井貴一、浅野ゆう子
  • 『その木戸を通って』舞台挨拶にて 浅野ゆう子
  • 『その木戸を通って』舞台挨拶にて 中井貴一
2008年2月13日、惜しまれながらこの世を去った巨匠、市川崑監督。70本以上に及ぶその作品歴の中で、唯一公開されていない作品が、1993年の『その木戸を通って』である。日本初の本格的長編ハイビジョンドラマとして完成しながら、ほとんど人の目に触れることなく15年もの間眠っていた本作が10月24日(金)に特別上映され、上映前の舞台挨拶に主演の浅野ゆう子と中井貴一が登壇した。

原作は1959年に発表された山本周五郎の短編小説。城勤めの侍、平松正四郎(中井さん)の元に嫁いだ記憶喪失の娘・ふさ(浅野さん)という夫婦の物語が美しい映像と共に描かれている本作でふさを演じた浅野さん。「15年間、大きなスクリーンで観たいと想い続けてきましたので、本当に幸せです」と挨拶した。日本初のハイビジョン撮影という本作の撮影について聞いてみると、「当時はハイビジョンなんて、聞くのも見るのも初めてでした。新しいことに前向きにトライする市川監督にの姿に惹かれて、この作品をお引き受けしたんですが、ハイビジョン撮影は照明がないんです。女優にとって、照明は命なんですよ。暗い中の撮影が心配で、とても不安だったんですが、監督に『大丈夫や、あんたは明かりがなくともキレイやで!』とおだてられました(笑)」と語ってくれた。

数々の市川監督作品に出演している浅野さんだけに、市川監督との思い出も数多くあるようだ。「監督はとにかくお肉が大好きで、お肉しか召し上がらないんです。いつだったかすき焼き屋さんに食事に行ったんですが、そこにすき焼きとオイル焼きというメニューがあって、『どちらになさいますか?』と聞いたら、『両方だ!』とおっしゃられて。しかも2人前ずつ、完食なさったんです。そのときすでに80歳を越えていらしたんですよ!」と、微笑ましいエピソードを披露してくれた。

市川監督ゆかりの俳優といえば、中井さんも同様。「15年もの間眠っていた作品です。食品ならもう食べられないですね(笑)。でも本作を観たら、映画は腐ることはないと分かっていだけると思います」と、力強い挨拶をした中井さんにも、市川監督との思い出を語ってもらった。「最近は健康ブームですが、市川監督を見ていると、何が健康なんだか全く分かりませんね。タバコは1日に4箱も5箱も吸うし、肉と卵しか召し上がらない。それでも90歳を過ぎるまで健康に映画を撮り続けていらしたんです。健康と元気は違うのだなと痛感しました。市川監督との思い出は本当にたくさんあって、ここでは語りきれないくらいです。僕は市川監督に俳優のいろはを教わりました」と監督に対する胸の内を明かした。

『その木戸を通って』は11月8日(土)より丸の内TOEI2ほか全国にて順次公開。

第21回東京国際映画祭特集
http://www.cinemacafe.net/fes/tiff2008/
《text:cinemacafe.net》

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