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監督が明かす『ブーリン家の姉妹』 「スカーレットはナタリーと共に泣いていたよ」

16世紀のテューダー朝、ヘンリー8世の離婚とそれに続くイギリス国教会の設立。今日に至るイギリスの歴史に大きく影響を及ぼすことになったこの事件の裏には、ある姉妹の愛憎と悲劇があった——。イギリスの王室を舞台に、国王の寵愛を巡って繰り広げられる熾烈な女たちの戦いを描いた『ブーリン家の姉妹』。本作で長編映画デビューを飾ったジャスティン・チャドウィック監督に話を聞いた。

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『ブーリン家の姉妹』 ジャスティン・チャドウィック監督
『ブーリン家の姉妹』 ジャスティン・チャドウィック監督
  • 『ブーリン家の姉妹』 ジャスティン・チャドウィック監督
  • 『ブーリン家の姉妹』 -(C) 2008 Columbia Pictures Industries, Inc. and Universal City Studios  Productions LLLP and GH Three LLC. All Rights Reserved
  • 『ブーリン家の姉妹』 ジャスティン・チャドウィック監督
16世紀のテューダー朝、ヘンリー8世の離婚とそれに続くイギリス国教会の設立。今日に至るイギリスの歴史に大きく影響を及ぼすことになったこの事件の裏には、ある姉妹の愛憎と悲劇があった——。イギリスの王室を舞台に、国王の寵愛を巡って繰り広げられる熾烈な女たちの戦いを描いた『ブーリン家の姉妹』。本作で長編映画デビューを飾ったジャスティン・チャドウィック監督に話を聞いた。

感受性のスカーレットと知性のナタリー

「女性が持っている強さ、美しさを描くことこそがこの映画のテーマ」と監督は言う。
「一般的に社会において、特にこの映画で描かれているような封建的な時代では、あたかも男性が世の中の中心に居座り、全てを支配しているかのように見えるものです。でも実際のところ、男性の後ろで、本当の意味での知性や豊かさ、深みを理解しているのは女性なのではないかと考えています。そうした女性の魅力を前面に出した映画は実はあまり多くありません。そういう意味で、今回の原作は非常に魅力的でした。アンとメアリーの姉妹に加え、ヘンリー8世の王妃であるキャサリン、物語の中でモラルの中心として存在する姉妹の母親であるエリザベスなど興味深い女性たちが数多く登場します」。

もちろん言うまでもなく、この強き女たちの物語の中心にいるのが、ナタリー・ポートマン扮するアンと、スカーレット・ヨハンソン演じるメアリーの姉妹である。ハリウッドを代表する2人の女優の起用について監督はこう語る。
「まず、妹のメアリーはこの映画のハートとも言うべき存在です。感受性豊かで大きな心を持った女優としてスカーレットは適役でした。そして姉のアンは、物事に瞬間的に反応する女性です。ナタリーは美しさに加えて、素晴らしい知性を持った女優であり、彼女自身、アンのように何にでも好奇心を持って臨むタイプだったので、この2人の組み合わせは理想的でした。現場での2人は、互いをサポートし合い、本当の姉妹のようでした。ナタリーが非常に辛いシーンを演じるときに、スカーレットが自分の出番はないにもかかわらず、そばにいて一緒に泣いていたこともありました」。

「情けない男たちの役だからこそ、エリックやジムは引き受けてくれた」

女性たちがいずれも魅力的に描き出される一方で、男たちは、エリック・バナ扮する国王・ヘンリー8世をはじめ、ジム・スタージェスが演じたブーリン家の長男・ジョージなどいずれもこれでもかと情けない姿を見せている。
「同じ男性として、情けない男たちの姿を描く気分はどうだったかって? 僕自身は楽しみましたよ(笑)。ヘンリー8世に関して言うと、一般的に彼は“マッチョな暴君”というイメージで捉えられがちです。でもこの映画ではそうじゃなくて、跡継ぎが出来ないことに悩む、弱さを持った普通の男性として描きたかったんです。また、ジョージは周囲に翻弄され続ける男で、ある意味、アンやメアリー以上に父親の権力欲の犠牲になったとも言えます。エリックもジムも、むしろこうした通常のイメージとはかけ離れた部分を面白がってこの役を引き受けてくれたんです」。

このトップクラスの俳優陣に、役になりきってもらうため「セットから衣裳など細部に至るまでリアリティを追及した」と監督は胸を張る。
「それぞれのスタッフの仕事は尊敬に値するものでした。衣裳は全て手縫いで、着るのに30分も掛かるようなものもありました。子役が『トイレに行きたい』と言い出したら、脱いで、また着てと1時間も掛かってしまう状況だったんです(笑)。それ以外の小物に関しても、残念ながら当時のものはなかなか残っておりませんので、ゼロから資料を集めて再現していきました。俳優陣が衣裳を着て、その場に立ったときに500年の時を超えてあの時代の人間になれる環境を作り上げたんです」。

人間ドラマあり、壮大な歴史ドラマあり、これが初の長編映画とはとても信じられない濃厚な作品に仕上がっている。早くも次の作品が楽しみだ。
《シネマカフェ編集部》

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