“愛の力”を訴えるラブストーリー『WALL・E/ウォーリー』のA・スタントン監督

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『WALL・E/ウォーリー』 -(C) WALT DISNEY PICTURES/PIXAR ANIMATION STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
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  • 『WALL・E/ウォーリー』 アンドリュー・スタントン監督
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その公開作品のほとんどが大ヒットを記録するピクサー・スタジオの最新作『WALL・E/ウォーリー』。ピクサー作品初のアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『ファインディング・ニモ』のアンドリュー・スタントン監督による本作がいよいよ公開となる。スタントン監督に話を聞いた。

今回の主人公は、ゴミ処理ロボットのウォーリー。これまでのピクサー作品とは異なり、ウォーリーは人間の言葉を話さない。しかし、脚本も担当した監督は「しゃべらないとは思っていない」と話す。
「脚本上は全部セリフが書いてあったんです。それを彼らの言語、要するに機械音に変えたんです。私にとっては外国映画と同じですね(笑)。ウォーリーは自分の言語でしゃべって、表現しているんです。人間化しない方が、つまり人間の言葉じゃない方が、ウォーリーたちの世界観を表現しやすく、観客も彼らの世界に入りやすいと思ったんです。(ピクサー創立メンバーであり、本作の制作総指揮を担当している)ジョン・ラセターが作った短編、『ルクソーJr.』(ピクサー作品の冒頭に登場する電気スタンドのキャラクター)でのルクソーの表現が豊かですよね。電気スタンドが生きていたら、ああいう音を出しそうだと思うような。今回、そのロボット版を作りたかったんです」。

そのウォーリーの“声”を担当したのは、『スター・ウォーズ』シリーズの人気キャラ、R2-D2の声を作ったサウンド・デザイナーのベン・バート。
「R2-D2の素晴らしさは、いわゆる電子音だけで、彼がいまどんな気持ちで、どんな感情でいるかが確実に分かるところですよね。それと同じことをウォーリーにも望みました。ベンとの仕事は、まさに優秀な俳優との仕事と同じでしたよ。細かい注文を出さなくても、ストーリーを語るだけで、何が必要なのか全部考えてくれました。毎週のようにいろんな提案を出してくれて、むしろその素晴らしいアイディアの中から一つだけを選ばなければならないのが難しくて大変でした」。

また、ピクサーといえば、『モンスターズ・インク』での毛の表現、『ファインディング・ニモ』の水の表現のように、CGアニメーションとしての技術の限界に挑戦し続けている。『WALL・E/ウォーリー』ではどんな技術的挑戦があったのだろうか?
「実は今回は、明確にコレというところはなかったんです。ただ、私がいままでずっとやりたかったことに挑戦しました。それはカメラワークです。これまでのアニメ作品のカメラワークというのは、ソフトウェアの関係もあって、実写映画とはちょっと違う動きなんです。例えば実写だと手ブレがあったり、ズームアップするときに焦点が合わなかったり不完全な部分がありますよね。『WALL・E/ウォーリー』ではその不完全な動きも併せて表現しました。この映画を観たときに、まさに誰か人間が実際に映像を撮っているという見え方にしたかったんです」。

ウォーリーがゴミだらけの地球でひとりぼっちで暮らしているという設定は、現代の消費社会に対する批判だと言われがちだが「それは逆なんです」と苦笑する監督。
「ひとりだけ取り残されたロボットが主人公という設定ありきなんです。そこから、どうして地球上に誰もいなくなったのか、それはもう住めないほどゴミが溜まってしまったからだ。主人公はその尻ぬぐいをしているという設定はどうだろう、と進んでいったんです。そのゴミの山から、どういう人類がいたのかが分かっていく過程も描けるし、消費しすぎの物質社会だから…というように全て逆の発想なんです。そこから、現実の我々は消費社会なんだと伝わるとは思います」。

そうしたエコ・メッセージ的な側面もあるが、「“孤独”の反対は“愛”。“誰かと一緒にいること”なんです。ロボットでさえ、愛というものに目覚めたときに、その愛の力がいろいろなものに影響を与えて希望が持てるんじゃないかというのがメッセージ」と言う監督。つまり地球に暮らす私たち一人一人が地球を愛すれば、将来への希望が持てるということ? 意外と言ったら失礼かもしれないが、本作は人類の大きな野望を秘めたラブ・ストーリーだったのだ!
《text:cinemacafe.net》

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