成宮寛貴「東京という街に流されずに、ちゃんと自分を見つめ直すことが大切」

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『ララピポ』 成宮寛貴 photo:HIRAROCK
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  • 知り尽くしてこそ語れる“東京”の魔力 photo:HIRAROCK
  • 進化をやめない表現者・成宮寛貴 photo:HIRAROCK
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  • 大都会にしがみつく栗野に共感も photo:HIRAROCK
  • 今後も目が離せない、成宮寛貴 photo:HIRAROCK
「この世界には二種類の人間しかいない。一生地べたに這いつくばって生きる人間と、そこから抜け出し、高く高く昇りつめる人間」──大都会東京を舞台にした映画『ララピポ』で成宮寛貴演じる23歳の風俗専門のスカウトマン、栗野健治は言う。タイトルの『ララピポ』とは、東京の人ごみを「a lot of people」とぼやいた外国人の言葉を耳で聞いたままに表したものだ。物語の中心となるこの難解な都市「東京」で生まれ育った主演・成宮寛貴に聞く。

東京をひとことで表すと“すれ違い”と“依存”

「東京をひとことで表すのは難しいですね。“すれ違い”でしょうか。自分の周りを人が通り過ぎていく…衝突を避けるんですね。それは自分のためでもあるし、人のためでもあるんでしょうが、僕は最終的にぶつかり合うことの方が大切なんじゃないかなと思います。東京で自分らしく生きていくには、自分の意見をはっきり言って、いろんな人と目を見合って意見していく。東京という街に流されずに、ちゃんと自分を見つめ直すことが大切だと思います。あと“依存”の街ですよね。どこかにとても依存していて、常に何かをしていないと遅れていってしまうような、恐怖心みたいなものがありますよね」。

まさにこの“すれ違い”と“依存”が『ララピポ』でも色濃く描かれている。対人恐怖症のフリーライター、スーパーヒーローを夢想するカラオケボックス店員、AV・風俗専門のスカウトマン、デブ専裏DVD女優でもあるアニメ声優、ゴミ屋敷に住む淫乱主婦、言われるままに堕ちていく元OL──何かに依存しながら東京に這いつくばって生きる人間たちの、可笑しくも哀しい滑稽なドラマがオムニバスで展開され、それぞれが絶妙なタイミングですれ違う。
「この作品に出てくるキャラクターって、どれもとてもよく出来ていますよね。ちゃんと取材して作られてるのが分かります。特に村上さんのキャラクター(アニメ声優)が好きです。自分の在り方をきちんとわかってて、ズルく生きてる。男をナンパして部屋に連れてきて、セックスを隠し撮りしてデブ専の裏DVDとして売って、そのお金で自分の欲しいものを買う。東京でそうやって強く生きる女性っていうのが僕はすごく好きでしたね。あとはやっぱり濱田さんのキャラクター。ゴミ屋敷の主婦っていうのが、いまっぽくてすごい好きです。それに濱田さんのあの迫力のある演技…バイブがよく似合ってました(笑)」。

現代社会の暗い現実をどう見つめるかを試される

台本ではコメディ要素がもっと強かったものの、実際には数段暗い内容になったというストーリーは、ビビッドでポップな映像と70年代のディスコ調の音楽に乗ってすすんでいく。
「力強くて明るい70年代のディスコミュージックがあの暗さをより暗くもするし、明るくもします。だから、暗い現実をどう見つめるかですね。暗いものを暗く観るか、暗いものをポップに楽しんで観るかを試される。それは、中島哲也さんの下で自分のやりたいことをグツグツと溜めていた宮野監督の感性なんだと思いました。中島さんに似ていて否なる部分が宮野さんにはあるなあと…心の闇が(笑)。人生のうまくいかない部分が入っているんじゃないかと思います(笑)」。

人生のうまくいかない部分は誰しも持っているが、それを素直に認め、受け入れることがなかなかできない不器用さが人間には往々にしてあるものだ。そんな不器用な人間の縮図『ララピポ』の最初に出てくる冒頭に挙げた栗野のセリフは、栗野の希望であると同時に自らを苦しめ続ける足枷にもなっていたと成宮さんは分析する。
「高く昇りつめる人間になることを支えに生きてきた栗野が、最後にふり返って“俺はまたスカウトの仕事に戻った、俺にできることってこれしかないんだから”と言うシーンが印象的でした。真実の恋愛を経て変わった栗野が、上を見ずに、いまのままの自分を見つめることができた瞬間だと思うんですよね。そのセリフは少し栗野を楽にしたんじゃないかな」。

東京という街が持つパワーと魔力を知り尽くしている成宮寛貴だからこそ、掴みどころがなくヒラヒラと生きる栗野健治という人間を的確に理解し、表現できたのではないだろうか。

《photo:Hirarock》

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