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犬童監督が明かす『グーグーだって猫である』 「上野樹里ちゃんの役は僕の分身」

数多くの名作少女漫画を世に送り出してきた大島弓子が、飼い猫たちとの愛しい日々を綴ったエッセイ漫画を映画化した『グーグーだって猫である』。監督を務めたのは『ジョゼと虎と仲間たち』、『メゾン・ド・ヒミコ』などの話題作を手がけ、2009年も松本清張の名作「ゼロの焦点」の映画化に挑戦するなど、いま最も多忙な映画監督の一人、犬童一心。このたびの『グーグーだって猫である』DVD発売に際して、犬童監督にいま一度本作についてふり返ってもらった。

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『グーグーだって猫である』 犬童一心監督
『グーグーだって猫である』 犬童一心監督
  • 『グーグーだって猫である』 犬童一心監督
  • 『グーグーだって猫である』 -(C) 2008『グーグーだって猫である』フィルム・コミッティ
  • 『グーグーだって猫である』 犬童一心監督とグーグーの子
  • 『グーグーだって猫である』DVD
数多くの名作少女漫画を世に送り出してきた大島弓子が、飼い猫たちとの愛しい日々を綴ったエッセイ漫画を映画化した『グーグーだって猫である』。監督を務めたのは『ジョゼと虎と仲間たち』、『メゾン・ド・ヒミコ』などの話題作を手がけ、2009年も松本清張の名作「ゼロの焦点」の映画化に挑戦するなど、いま最も多忙な映画監督の一人、犬童一心。このたびの『グーグーだって猫である』DVD発売に際して、犬童監督にいま一度本作についてふり返ってもらった。

監督にとっては大島作品の映画化は自主制作作品である『赤すいか黄すいか』('82)、そして伊勢谷友介、池脇千鶴主演による『金髪の草原』('99)に続き今回が3度目。監督は大島さんを「日本では数少ないトラジコメディ(悲喜劇)の名手」と絶賛する。
「すごく悲惨な状況に置かれた人々の姿がコメディとして描かれてるんですよ。そこで、ひとりひとりの人物——主に女性の姿が描かれるわけですが、大島さんはそこで『人間とはこうだ!』とか『女性とはどうだ!』というところに立ち返らない。ただひたすら人間を見つめるわけです。その姿勢が清く見えますね。そこで人間だの世界だのに立ち返るのは“男性”の視点なんです。大島さんは団塊世代ですが、常に団塊の男たちの視点に相対し“アンチ”の立場で描いてらっしゃるのではないかと、僕は思っています」。

フワッとした雰囲気の中で生や死、シビアな現実が描かれるという大島作品のスタイルは、実はこれまでの犬童作品にも見られるように思えるが…。
「女性が主人公のときに特にそういうテイストが出るのは、若い頃から読んできた大島さんの影響はあるのかもしれない。どうやって女性の気持ちにアプローチするかって? 撮影の中で僕は自然に女性の気持ちになれるんですよ(笑)。例えばベッドシーンを撮ってても、女性の視点、立ち位置で見てますよ」。

ただ、今回は普通のストーリー、漫画ではなくエッセイ漫画ということで苦労もあったようだ。
「ストーリーがあるわけではない、こういうエッセイ漫画をストーリー仕立てにしてもつまんなくなっちゃう。最初に2人の脚本家に書いてもらったんですが、なかなか上手くいかなかったんです。そこで、バラバラの要素が最後には一つにまとまっていくような語り口ならば、映画自体もエッセイのような形になると考えまして。サバ(物語の冒頭で死んでしまう主人公の麻子が長年飼ってきた猫)を使うことで、分別なく出てきたいろんなものが全て意味を持っているかのように思えてくるように構成していきました。普通の映画を観るつもりで観ると分かりづらいかもしれませんね。深く考えずに公園に遊びに行くような気持ちで観てもらえるといいかも(笑)」。

小泉今日子扮する麻子をはじめ、個性的で魅力あふれるキャラクターが登場するが、上野樹里が演じた麻子のアシスタント・ナオミを監督は「あれは僕自身」と語る。
「麻子に対するナオミの姿勢って僕の大島さんに対する立ち位置と同じなんですね。その僕自身の身代わりを樹里ちゃんにやってほしかったんです。彼女とは『ジョゼと虎と魚たち』以来で、その間に彼女はすっかり有名になりましたが、僕としては『ジョゼ』を撮ってるころからまた樹里ちゃんと撮りたいって思ってたんです。矢口史靖くんが『スウィングガールズ』で樹里ちゃんを使ったときは、正直『ちきしょー』って思いましたもん(笑)」。

2009年も犬童作品から目が離せそうにないが、まずはDVDで愛くるしい猫と魅力的な人物たちのドラマを楽しんでみては?

『グーグーだって猫である』DVD
価格:4,935円(税込)
発売元:アスミック
販売元:角川エンタテインメント
発売日:2月6日(金)
《シネマカフェ編集部》

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