【アカデミー賞秒読み】実力派俳優たちの“闘い”が“疑惑”に拍車をかける『ダウト』

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『ダウト −あるカトリック学校で−』 -(C) 2008 Miramax Film Corp All rights reserved.
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トニー賞作品賞とピューリッツァー賞演劇賞をダブル受賞した舞台劇を映画化した本作は、シンプルであると同時に複雑で、緊迫のサスペンスとも深みのあるヒューマンドラマとも言える一作。邦題にある“あるカトリックの学校”を舞台に、生徒と不適切な関係にあるのではないかと疑われる神父・フリン、彼に疑惑の目を向ける堅物の校長シスター・アロイシス、さらには2人の間で不信感に苛まれる新人教師シスター・ジェイムズの物語が展開していく。

スキャンダラスな疑惑をめぐり、3人がぶつかり合う光景はシンプルな舞台劇のようだが、複雑なのは三者三様の信念や立場に時代背景が絡み合う点。閉鎖されたカトリックの世界に変革の波が押し寄せる60年代という背景が、カジュアルで人気者だが学校で唯一の黒人生徒との関係を疑われるフリン神父、厳格な姿勢を頑なに貫こうとするシスター・アロイシス、若さゆえの未熟と純真さ、そして柔軟性をもって両者の間を揺れ動くシスター・ジェイムズに絡みつき、大きく深遠なテーマを見せていく。

シスター・アロイシスを怪演したメリル・ストリープがアカデミー賞主演女優賞候補に挙がったのを筆頭に、フリン神父役のフィリップ・シーモア・ホフマンとシスター・ジェイムズ役のエイミー・アダムスもそれぞれ助演賞に候補入り。黒人生徒の母親役で登場するヴィオラ・デイヴィスも、エイミーと同部門にノミネートされている。各キャストの壮絶な演技合戦も映画史に残る衝撃だが、ラストはもっと衝撃的。親切なラストに慣れきった観客に、自分で考え、答えを導き出し、再び考えることを促す。

《text:Hikaru Watanabe》

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