【アカデミー賞秒読み】20世紀最高トークバトルを見事に再現『フロスト×ニクソン』

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『フロスト×ニクソン』 -(C) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED
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リチャード・ニクソン——。言わずと知れた第37代アメリカ合衆国大統領であり、1972年に発覚したウォーターゲート事件により史上唯一“任期中に辞任したアメリカ大統領”である。その政治生命を通して“悪役”の称号を背負った彼を題材とする作品は、アンソニー・ホプキンス主演の『ニクソン』('95)や、事件の真相に迫った『大統領の陰謀』('76)など、時代を超えて何作も生まれてきたが、『フロスト×ニクソン』は、さらに事件のその後を追ったお話。政界復帰に全力を傾けるニクソンと、彼に挑んだ一人の男の飽くなき“闘い”を描いていく。

ニクソンに挑んだ男とは、イギリスの人気TV司会者デビッド・フロスト。全米進出を賭けた彼の、元大統領へのインタビューの申し出をニクソンは莫大なギャラと引き換えに快諾する。そう、弁護士仕込みの巧みな話術を持つニクソンにとって、フロストは“ちょろい”相手だから。インタビューのチャンスは4回。テレビという恰好の舞台で、謝罪を引き出そうとするフロストと、汚名返上を目論むニクソンが繰り広げる緊迫感あふれるトークバトルは、まるでスポーツを見ているような興奮を呼び起こし、その一挙一動にたちまち目を奪われる。

この伝説のインタビューの再現を可能にしたのは、アカデミー賞主演男優賞ノミネートの名優、フランク・ランジェラと、『クィーン』のブレア首相役が記憶に新しいマイケル・シーンの秀逸な演技にほかならない。ニクソンの復帰に賭ける執念と共に、老いや喪失感をにじみだすランジェラと、どこか一歩引いたスタンスで軽やかさを見せるマイケルの好対照の演技が、男たちの肖像により深みを与えている。この映画は決してフロストの栄誉を称えるものでも、ニクソンへの同情を誘うものでもない。あくまで客観的に2人がもがき戦う姿を対等に映し出すことで、ひとつのエンターテイメントを築きあげているのだ。

さらに忘れてはならないのが、この闘いの裏に垣間見える、いまも変わらぬマスコミの持つ絶大なる権力と金の切っても切れない関係。正義を標榜する人間が作り出す恐怖を頭の片隅に置きながら、まずは名優2人の演技バトルを楽しんでほしい。

第81回アカデミー賞特集
http://www.cinemacafe.net/fes/academy2009/
《text:cinemacafe.net》

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