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「子供たちに目を向けて!」『子供の情景』20歳のハナ・マフマルバフ監督が来日会見

タリバンによって破壊された石仏の瓦礫がいまだに残るアフガニスタンのバーミヤン。タリバンが去った後、世界から忘れられたこの地を舞台に子供たちの視点でアフガニスタンの現実を描写した『子供の情景』。4月18日(土)の公開を前に、ハナ・マフマルバフ監督が母国イランより来日を果たし、3月5日(木)に記者会見が開かれた。

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『子供の情景』ハナ・マフマルバフ監督来日記者会見
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タリバンによって破壊された石仏の瓦礫がいまだに残るアフガニスタンのバーミヤン。タリバンが去った後、世界から忘れられたこの地を舞台に子供たちの視点でアフガニスタンの現実を描写した『子供の情景』。4月18日(土)の公開を前に、ハナ・マフマルバフ監督が母国イランより来日を果たし、3月5日(木)に記者会見が開かれた。

ハナは弱冠20歳。イランを代表する映画監督モフセン・マフマルバフを父に持ち、母は脚本家、兄、姉も映画監督という映画一家に育った。自身も家族と同じように映画監督となった経緯についてハナは「私が8歳のとき、姉が学校をやめて、父に直接映画を教えてくれるように直訴したんです。そのとき父は、私にも『もし映画を学びたいなら、いま始めなさい。後になって教えてほしいと言ってもダメだよ』と言いました。私は当時、2年生でしたが学校で教わることはちっともおもしろくなかったんです。父には絵や哲学、詩について、普通の学校とは全く違うやり方で教わりました」と父親からの英才教育の一端を語った。

本作では、母・マルズィエが脚本を担当しているが、ハナは母と2人で実際にバーミヤンの街を歩いて回ったそう。劇中、子供たちがタリバンの真似事をするシーンなどがあるが「実際に現地で自分の目で見て脚本に活かした部分もありますし、人から聞いて映画に使ったところもあります」と説明した。

子供の視点からこの映画を作り上げていったことについては「映画を観て『どうして子供たちが学校に行くことが出来ないのか?』と感じませんでしたか? 大人たちは戦争や暴力、政治に夢中で子供たちのことなど全く気にかけていないのです。ここで描かれているのは、戦争を味わった全ての国に共通する痛みだと思います」と悲しみをにじませながら語った。

バラク・オバマがアメリカの新大統領に就任したことで、再びアフガニスタンに注目が集まってきているが、ハナは「私はあくまでも映画監督」と前置きし、「私の仕事は目を開いて、みなが見ないものを見せることです。かつて、アフガニスタンの政治家のマスード(※北部同盟の政治家)が『将来を説明できるのが政治家なのではなく、現在の状況を分かる人こそが政治家だ。世界はいまの状況を分かっていないままに何とかしようとしているのではないか?』と言っていました。映画の中で警察官が、車の通らない道で交通整理をしているように、アフガニスタンに対して間違った手伝いをしてきたのではないかと思います。父は、『世界がアフガニスタンに、爆弾ではなくノートを落としていたら…』という話をいつもしています」と強い口調で語った。

会見を通して映画と同様に、最も弱い立場にある子供たちの現状について語ったハナ。『子供の情景』は4月18日(土)より岩波ホールほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》

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