ラテンの王子・ガエル監督デビュー作 故郷メキシコの今を鋭く突く『太陽のかけら』

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『太陽のかけら』 -(C) CANANA FILMS S.A. DE C.V. - 2007
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小柄でキュートな容貌が親しみやすく、日本にも多くのファンが存在するガエル・ガルシア・ベルナルが監督デビュー。これまではカメラの前で表現者としての才能を惜しみなく発揮してきた彼が、カメラの反対側に回り、新たな境地を切り開いている。

ガエルは果たしてどんな映画を撮るのか? これは彼のファンでなくとも気になる問いだが、その答えには「なるほど」と頷く者もいれば、「意外だ」と驚く者もいるはず。初監督作となる本作で、ガエルは故郷メキシコが抱える社会問題を浮き彫りにしているのだ。ストーリーラインは単純で、体裁は青春ドラマ。ガエル演じる金持ち政治家の息子が、ホームパーティに友人たちを招き、飲んで騒いでの楽しいひと時を過ごそうとするところから物語が始まる。

一見すると、若さが眩しい青年たちのありのままをホームビデオ感覚でとらえた青春ドラマだが、ガエル監督は主人公が抱える問題や、彼と若き使用人の微妙な関係、パーティを訪れた美しいアルゼンチン人女性とのロマンスを通し、メキシコのいまを深いレベルで見せつけていく。その鮮やかな手腕は、複雑な題材を好んで演じてきた俳優ガエル・ガルシア・ベルナルを知る人々を納得させ、その一方で、彼のキュートな笑顔にときめいてきた人々に驚きを与えるもの。もちろん、主役を自ら演じているのだから持ち前の必殺スマイルも見られるが、この作品を目にした観客が得られる収穫は、何よりもまず、彼の頭の中を覗くことができる点だ。

《text:Hikaru Watanabe》
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