メガバンクに切り込む“捜査官”クライヴ・オーウェン——純粋な正義でも悪でもなく

最新ニュース

『ザ・バンク−堕ちた巨像−』 クライヴ・オーウェン
  • 『ザ・バンク−堕ちた巨像−』 クライヴ・オーウェン
  • 『ザ・バンク−堕ちた巨像−』
  • 『ザ・バンク−堕ちた巨像−』
世界の富裕層から莫大な資金が集まる、欧州一の巨大銀行の裏で繰り広げられる違法取引。それを追跡する捜査官と巨大組織の戦いを描いた『ザ・バンク−堕ちた巨像−』が日本でも公開を迎えた。主人公のルイ・サリンジャーに扮したのはクライヴ・オーウェン。2006年の『インサイド・マン』ではクールな銀行強盗を演じた彼が、今回は一転、メガバンクの悪に立ち向かうインターポールの捜査官を熱演している。

「奇妙な偶然からタイムリーな作品になった」

100年に一度と言われる大不況を反映するかのように、映画は、手段を選ばずに利益を上げようとする巨大銀行の暗い取引にスポットを当てる。クライヴ自身はこの映画を「タイムリーなスリラー作品」と評する。
「映画が問いかけているのは、“自分たちのお金がどこにあって、金融機関がそのお金をどう使っているのか考えるべきではないか?”ということ。その意味で、奇妙な偶然だけど、世界的な金融危機が起こったことで非常に時事的な作品になったね」。

クライヴが演じたサリンジャーは、銀行の違法取引の証拠を挙げることに執念を燃やす熱血漢である。
「彼は、強大な銀行だけでなく、銀行と政治的なつながりを持っている全てのものに立ち向かわなくてはならない。深く関わっていくほどに彼らの影響力の大きさに気づき始めるんだ。サリンジャーは、たとえどんな犠牲を払うことになっても、あきらめることを知らない男だよ。僕は、キャラクターを善悪だけで判断しないんだ。サリンジャーは、銀行を追求すること、彼らを破滅させるということしか考えられなくなっていく。そうした彼の存在もまた、灰色の範疇に入るし、そこが好きなんだ」。

「以前は脚本重視だったけど、最近は監督が誰かということが最も重要になってきた」

そんな彼の唯一の味方と言えるのが、ナオミ・ワッツ演じる地方検事補・エレノア。クライヴはナオミを絶賛する。
「彼女とはかなり前から知り合いで、ずっと共演したいと思ってたんだ。素敵な女性であり、素晴らしい女優だよ。とても楽な気持ちで仕事ができるんだ。彼女との共演は本当に楽しかったよ」。

そして、何と言ってもクライヴが本作への出演を決めたのは、トム・テイクヴァ監督の存在が大きかったという。
「トムの作品は『ラン・ローラ・ラン』から『パフューム ある人殺しの物語』までずっと観ていたよ。以前は仕事を選ぶ上で、脚本が大きなポイントだったけど、最近はまず監督が誰かというところを見るんだ。その意味でトムは最高の監督であり、すぐにこの話に飛びついたよ。実際仕事をしてみて、彼が非の打ち所のないセンスを持っていることがわかった。トムと彼のクルーを100%信頼して撮影に臨んだよ」。

自らの立ち位置を冷静に見つめ、作品ごとに質の高いパフォーマンスを見せるクライヴ。その秘訣について、このように語る。
「僕の場合、比較的年齢を重ねてから、こうしたハリウッドの大きな作品に出演するようになったことがよかったんだと思う。イギリスでは主にTVに出演していろんな経験を積み、様々な状況に対処してきた。そうした経験があったからこそ、バランスを失ったり方向を見失うことがなかったんだ」。

これから先、どのような監督と出会い、キャリアを積み重ねていくのか? これまでに見たことのないクライヴを楽しみに待ちたい!
《text:cinemacafe.net》

関連ニュース

今、あなたにオススメ
Recommended by

特集

page top