【どちらを観る?】加瀬亮の“染まり”を検証『重力ピエロ』&『インスタント沼』

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『インスタント沼』 -(C) 2009「インスタント沼」フィルムパートナーズ
  • 『インスタント沼』 -(C) 2009「インスタント沼」フィルムパートナーズ
  • 『重力ピエロ』 -(C) 2009『重力ピエロ』製作委員会
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どんな色にも染まり、期待を裏切らない演技を見せることから“カメレオン俳優”と形容されることが多い加瀬亮。5月には新作映画2本が公開となる。主演の『重力ピエロ』では弟を大きな愛で包み込む兄・泉水を、個性派監督・三木聡のオリジナル脚本&監督の『インスタント沼』ではモヒカン頭のパンクロッカーを演じ、それぞれで新たな一面を披露している。

『重力ピエロ』は映画化作品が続く伊坂幸太郎の同名ベストセラーが原作。辛い過去を抱えた1組の家族を核に、正義とは何か、家族とは何かを描いた感動のミステリー。この作品で加瀬亮が演じるのは、大学院で遺伝子を研究する“泉水”。どこにでもいそうな普通の青年だ。弟の“春(岡田将生)”に誘われて、謎の連続放火事件と謎のグラフィティアートを調べ始めるが、背後には悲しすぎる事実が横たわり、それをどう受け止めるのか……という、兄弟愛にも涙する。そんな感動が味わえるのは、普通の青年を誰もが共感できる人物として演じている彼の演技力あってこそ。原作から飛び出したようなキャラをごく自然体に演じ、原作ファンを納得させることのできる俳優はそう滅多にいない。一番手厳しい意見が上がるであろう原作者から「とても良かった」というコメントを引き出した演技は必見だ。

一方、『インスタント沼』はTVドラマ「時効警察」シリーズの三木聡監督と麻生久美子が再びタッグを組んだ摩訶不思議なコメディ。仕事も恋もパッとしないジリ貧OL“ハナメ”が本当の幸せを見つける自分探しの旅が描かれるのだが、その過程がユニークだ。母は河童を探しに行き意識不明になり、全く知らない男が父親だと知り、彼の影響で骨董屋を始め、沼の秘密を探すという、何ともはちゃめちゃなストーリーとヒロイン。そして、ハナメをさりげなく助けるパンクロッカーの“ガス”もなかなかの強烈キャラ。これまで見たことのない加瀬亮がそこにいる。まず、目を引くのはモヒカン頭。少し間違えば浮いてしまいそうな格好であっても、彼が演じるとなぜかしっくりときてしまうからスゴイ。どんな作品であってもその世界観にスッと入り込める才能を持った役者であることを証明している。

『重力ピエロ』の胸に迫る演技を見るか、それとも『インスタント沼』の見たことのない弾けっぷりを見るか──どちらの作品を観ても加瀬亮の魅力にハマることは必至。演技派という枠では括りきれない彼の演技を見比べるにはもってこいの2作品だ。

《text:Rie Shintani》

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