【どちらを観る?】姉兄派? 妹弟派? 夏に観たい、ほろ苦く、心温まる“家族”映画

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『サンシャイン・クリーニング』 -(C) 2008 Big Beach LLC.
  • 『サンシャイン・クリーニング』 -(C) 2008 Big Beach LLC.
  • 『サンシャイン・クリーニング』 -(C) 2008 Big Beach LLC.
  • 『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』 -(C) 2006 Sidney Kimmel Entertainment,LLC.All Rights Reserved.
事件現場の清掃業という怪しげな仕事をきっかけに、どん底だった人生を再生させていく姉妹の奮闘を描く『サンシャイン・クリーニング』と、父親の葬式で顔を合わせた兄弟とその親族がユーモラスな騒動を繰り広げる『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』。ほろ苦いストーリーをユーモアとハートウォーミングな感動でコーティングした2作が公開。その両方で見つめられているのが、どこにでもあるリアルな家族の姿だ。

エイミー・アダムスとエミリー・ブラントという、旬の実力派女優ふたりの共演も話題の『サンシャイン・クリーニング』は、日常を好転させられない姉妹が主人公。エイミー演じる姉は8歳の息子を抱える30代半ばのシングルマザー。ハイスクール時代は学園の人気者だったが、元恋人との不倫関係を清算できない上、低賃金の仕事をこなす毎日を送っている。かたやエミリー演じる妹も、バイトをクビになる日々の繰り返し。そんなどん底姉妹が、ひょんなことから犯罪現場の清掃業を始めることになる。同じ製作チームが手がけた『リトル・ミス・サンシャイン』と同様、描かれるのはダメダメ人生にもがく普通の人々。日々の奮闘の中で芽生える悲しみ、苦しみ、おかしみを、ブラックな清掃業を媒介に、自分たちの人生をもクリーニングしていく姉妹に見出している。

一方、『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』では、よりダイレクトな形で人生が語られる。中心にあるのは、ある秘密を抱えたまま死去した父親の遺体。人生の再生とは対極にある“死”を据えながら、式を取り仕切る生真面目な長男、作家として成功した身勝手な次男、夫の死で不安定になる母、さらには様々な思惑と共に参列した親族たちのドラマがコミカルに綴られていく。また、式には亡き父の秘密に関わっているらしき謎の男の姿もあり…。本来なら厳かに扱われるべき題材をセックスあり、ドラッグありといったタブー満載のドタバタ騒動と共に描きながらも、集った各々の力強い再生群像劇に着地させた展開が爽快だ。

興味深いのは、それぞれ家族の姿を描きながら、中でも兄弟姉妹の関係に焦点を当てている点。『サンシャイン・クリーニング』の主人公が姉妹であるのはもちろん、『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』でも心のすれ違った兄弟のちょっとした愛憎が浮かび上がってくる。しかも、自分本位の妹弟に対し、神経質なまでに不満を抱える姉兄の図も一緒。たとえどんなに分かり合えなくとも、些細なきっかけで笑い飛ばせるほどの絆があり、温かい気持ちにさせてくれるのが家族、そして兄弟姉妹の関係だということかもしれない。

《text:Hikaru Watanabe》

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