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世界の映画館vol.30〜アジアの旅〜 タイで超満員!トニー・ジャーの新作映画!

遺跡の街・スコータイとタイ最北部の街・ノーンカーイとタイ国内を旅してきたのだが、残念ながらどちらの街の中にも映画館が見当たらなかった。

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タイの終着点で見つけた映画館 photo:ishiko
タイの終着点で見つけた映画館 photo:ishiko
  • タイの終着点で見つけた映画館 photo:ishiko
  • タイの終着点でたどり着いた映画館 photo:ishiko
  • コンピュータ制御でないところが、またいい photo:Ishiko
遺跡の街・スコータイとタイ最北部の街・ノーンカーイとタイ国内を旅してきたのだが、残念ながらどちらの街の中にも映画館が見当たらなかった。

しかし、最後に訪れたナコーンパノムという小さな街には2つのスクリーンを持つ映画館が一つだけあった。一つのスクリーンではハリウッド映画を上映しており、もう一つのスクリーンでは、タイ映画を上映している。ちょうど僕がこの街に到着したときにはタイのホラー映画を上映していた。映画館を舞台にした作品で、身体の芯が凍りつくほど怖かった。ここ数年、タイ映画が世界で注目され、特にホラー映画は日本と同じくらいの注目を浴びているそうだ。ハリウッドでのリメイク版も多く、1年ほど前にはトム・クルーズの会社がタイのホラー映画のリメイク権を購入したことも話題になっていた。

週末からは同じスクリーンで、トニー・ジャー主演の新作アクション映画が公開されることをテレビのCMで知った。日本では映画『マッハ!』('03)で一躍有名になったアクション俳優の彼がプロデューサーも務め、歴史大作に挑んだのだ。

開演前からチケット窓口にはかなりの行列が出来ていた。高校の文化祭でもらえる焼きそば引換券のような薄い黄色の紙のチケットに窓口の女性が座席番号を手書きで書きこみ、同時に手元の座席表に×の印を書き入れる。バンコクのシネコンのようにコンピューター制御ではないのが、逆に映画興行という感じがする。

客席内は先日、ホラー映画を観たときとは明らかに違い、客席の案内係のおじさんがあたふたするほど混みあっていた。一応、指定席なのだが、そういった認識がない客もいて、他人の席に堂々と座っていることもある。もちろん、案内係のおじさんに苦情を言いに行き、自分の席に移るよう伝えに行く。しかし、

「別の席が空いているんだから、座らせればいいだろ!」

と逆ギレされてしまうこともある。全てタイ語で行われているのであくまで僕の想像ではあるのだけれど…。そうすると、案内係のおじさんは引き下がって別の席に案内してしまう。しかし、よく考えれば、いや、よく考えなくても、空いている席にはほかの客が、またやってくる可能性が高いのだ。こうして席順の秩序がなくなっていく。ついには、案内係のおじさんは逃げるようにして消えてしまった。そうなったらそうなったで不思議なもので、今度は客全体で解決しましょうという雰囲気が流れ、お互い空いている場所を探し、新しく入ってきた客はそこに座るというシステムが自然にできあがっていった。こうして無事、満席の状態で暗くなり、いつもの通り、プミポン国王を称える映像が流れてから映画は始まった。象が走る群れの中で、象の上を移動するという相変わらずトニー・ジャーの人間業ではないアクションが繰り広げられていた。もちろんCGなしで。

(text/photo:ishiko
《シネマカフェ編集部》
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