生きることで、得られる愛——岡田将生×井上真央『僕の初恋をキミに捧ぐ』

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『僕の初恋をキミに捧ぐ』 -(C) 2009「僕の初恋をキミに捧ぐ」製作委員会
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コミック全12巻の累計が600万部を超える同名ベストセラーを、『Life 天国で君に逢えたら』の新城毅彦監督が実写映画化。20歳までは生きられないと宣告された少年と、幼い日に彼と出会って以来、ひたすら彼を愛し抜いてきた少女の純愛が展開する。

全12巻におよぶ原作コミックで強調されていたのは、自らの余命を知る少年・逞が献身的な愛を捧げてくる少女・繭を愛おしく思いながらも、自分から遠ざけようとする複雑な心情。もちろん、このくだりは映画にも重要な要素として登場するが、2時間の物語を終始支配するほどの少女漫画的紆余曲折感はなく、むしろ互いの運命を受け入れるふたりが共に手を取り合うことで生まれる痛み、さらには運命を変えられないもどかしさに焦点が当てられているように思う。それは、ふたりに関わってくるキャラクターたちの描写を最小限に抑え、逞と繭にのみ真摯に寄り添った結果なのかもしれない。純愛世界の住人にふさわしい容貌と雰囲気を持つ岡田将生と、真っ直ぐな瞳で一途なヒロイン像に説得力を持たせる井上真央が、1本の映画らしくシンプルに変化した物語で熱演を見せている。

嫌でも泣ける、という表現が失礼なのは承知だが、この作品を観ていると嫌でも泣ける。それは人間の悲しい死を描いているからではなく、生きることで得られる愛が物語の中に気恥ずかしいほど充満しているから。エンドロールに流れる平井堅の主題歌は、そんな直球の愛の体現者、繭へのアンサーソングとして作られたものだそうで、井上真央が曲を聴いてウルッときたという裏話にも納得。映画と主題歌の幸せな関係が築かれている。

《text:Hikaru Watanabe》

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