今回は「プッシング・デイジー」のラブストーリー的側面をフィーチャー。死んだものを生き返らせられるパイ屋さん、ネッドが身を投じる辛く切ない恋のお話に迫っていきます。サブタイトルの“恋するパイメーカー”が示すように、ネッドにはいまも忘れられないロマンスのお相手が。第1話で発生した凄惨な事件が、彼の恋心を呼び覚ますことになります。と言うのも、事件の被害者はネッドの忘れられない初恋の相手で、お隣に住んでいた少女・チャック。船での旅行中、何者かに殺された女性の事件を知ったネッドは、犯人を探るべく遺体のもとへ。そこで、チャックこそが被害者の女性であることを知ります。というわけで、ネッドに触れられて生き返ったチャックも、チャックを生き返らせて一安心のネッドもハッピー! といきたいところですが…、そうです。ネッドの力にはいけずな2つの条件が。その1つ目、「生き返らせたものに60秒以内に再び触れなければ、代わりの何かが命を奪われてしまう」の方はチャックの代わりに悪徳葬儀屋さんが死んで万事オッケーだったものの、もう1つの「一度生き返らせたものに再び触れると、今度は永遠に死んでしまい、二度と蘇らせられない」が、夢の再会を果たした2人の頭を悩ませます。お互いを大好きで仕方がないのに、心置きなく触れ合えない…と言えば、最近では映画『トワイライト』シリーズが思い浮かびます。深く愛し合っている吸血鬼のエドワード(ロバート・パティンソン)と人間の女子高生・ベラ(クリステン・スチュワート)の間には、ベラの血を吸ってしまいたいエドワードの衝動が立ちはだかっていました。そんなエドワードの欲望をティーンエイジャーの生態になぞらえて描いたことも『トワイライト』シリーズの魅力ですが、エドワードの“おあずけされてます感”はネッドにも共通するもの。しかも、調子に乗って触れすぎると衝動がむくむくと抑えられなくなるエドワードに対し、ネッドは一瞬たりとも触れられない状態ですから…。どちらが幸せなのか? となると、男子の生態的な話に及びますのでなかなか断言できないところですが、どちらも辛い…とは想像できます。ちなみに、愛し合っているのに触れ合えない2人、と言えば、海外ドラマではジェシカ・アルバの出世作「ダーク・エンジェル」のシーズン2が思い出されます。遺伝子操作人間のマックス(ジェシカ・アルバ)と彼女を愛するローガン(マイケル・ウェザリー)は、ローガンを死に至らしめるウィルスがマックスの体に注入されたことで触れ合えない仲に。何とも切なくもどかしい展開が続きました。チャックに触れられないネッドの思いとは? スリリングな状態にある2人の恋のゆくえは? そんな2人の関係にネッドを慕うパイ屋の女性従業員・オリーヴも加わり、事態はすったもんだしていきます。チャックを演じるアンナ・フリエルは、ウィル・フェレルと共演した映画『マーシャル博士の恐竜ランド』でのヒロインぶりも記憶に新しいところ。オリーヴ役のクリスティン・チェノウェスは、この役でエミー賞助演女優賞に輝きました。チャーミングな女優陣にも、ぜひ注目してください!「プッシング・デイジー 〜恋するパイメーカー〜 <ファースト・シーズン>コレクターズ・ボックス」(5枚組・全9話)価格:9,800円(税込)発売日:1月27日(水)「プッシング・デイジー 〜恋するパイメーカー〜 <セカンド・シーズン>コレクターズ・ボックス」(6枚組・全13話)価格:9,800円(税込)発売日:2月24日(水)発売・販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ© 2010 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
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