【シネマモード】世紀の女 ココ・シャネル『シャネル&ストラヴィンスキー』

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『シャネル&ストラヴィンスキー』 - (C) EUROWIDE FILM PRODUCTION
  • 『シャネル&ストラヴィンスキー』 - (C) EUROWIDE FILM PRODUCTION
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2010年が明けました。シネマカフェ読者のみなさま、今年もよろしくお願いいたします。

さて、このコラムですが、1月より装いも新たにスタートいたしました。タイトルは「シネマモード」。作品にまつわる話はもちろん、ファッション、インタビュー、パーティの話題なども交えて、より楽しいコラムにしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

リニューアルの第一弾は、昨年から次々と映画化や舞台化されてきた“モードの女王”ガブリエル・ココ・シャネルのお話。ついに、『シャネル&ストラヴィンスキー』が、1月16日(土)に公開となります。昨年公開された2作『ココ・シャネル』『ココ・アヴァン・シャネル』では、シャネルがどんな人物だったか、ビジネスウーマンとして、女としてどんな人生を歩んだのかが丁寧に描かれた伝記的側面が大きいものでしたが、この作品は、20世紀を代表するロシアの大作曲家、イゴール・ストラヴィンスキーとの恋愛に的を絞り、ココ・シャネルの思想、価値観により肉薄して、人物像をより具体的に浮き彫りにしています。

不思議なもので、ひとつのことがらをクローズアップすることで、全てが見えやすくなるような気がすることも。それが、伝説的なパフューム「No.5」と傑作バレエ音楽「春の祭典」(ストラヴィンスキー作)が歴史に刻まれるための必然的な出会いなら、なおのことです。

恋多き女と言われるシャネルですが、すべての恋愛をこと細かく解説していくよりも、ひとつの愛に焦点を当てることで、見えてくる魅力、人間性というのもあるのです。恋がどんな風に彼女の創作に影響したのか。男たちがなぜ彼女に惹かれ、なぜ惹かれながらも去って行ったのか。

フランス映画らしく、無駄なセリフは少なく、演技も演出もしっとりとポエティック。20世紀初期のクラシカルかつアヴァンギャルドというアンビバレントな魅力をスモーキーカラーの映像に乗せて。監督は『ドーベルマン』、『ブルーベリー』などを撮った鬼才ヤン・クーネン。昨年から続いたシャネル関連映画の中でも、最もヨーロッパ映画らしさを漂わせているのがこの作品なのですが、スタイリッシュな作風が最もシャネルというブランドのイメージに近いとも言えるでしょう。

もちろん、登場するきらびやかなファッションそのものにもうっとり。メゾンは、シャネルのコレクションやアーカイヴ、そしてココが実際に暮らしたパリ・カンボン通りのアパルトマンをも使用する許可を出し、多数の衣裳やアクセサリーの貸し出しにも応じたのだとか。前の2作もメゾンからの協力を受けているものの、さらに『シャネル&ストラヴィンスキー』では、現在のデザイナー、カール・ラガーフェルドが特別に制作した衣裳を用いています。最もシャネル社との協力関係が密になっている作品と言えるでしょう。それもそのはず、主演のアナ・ムグラリスは、カールの大のお気に入りで、彼にとってはここ数年創作の女神=ミューズであり続けている女性。『ココ・アヴァン・シャネル』の主演、オドレイ・トトゥも、シャネルNo.5のイメージキャラクターを務めてはいますが、アナとカールの関係は、2002年からとより親密です。

親密な関係性ゆえ、ヤン・クーネンは当初、シャネルのミューズであるアナをココとして起用することに躊躇していたようですが、「彼女はココそのものだったから、そのことの方が大切だった」と起用を決めたとか。

これ以上ないほど恵まれた環境で、本物に囲まれながら制作された『シャネル&ストラヴィンスキー』。20世を代表する世紀の女の美学にたっぷりと浸れる1作です。

《text:June Makiguchi》

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