【どちらを観る?】大人への道開く、輝けるヒロイン『17歳の肖像』&『プレシャス』

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『17歳の肖像』
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メリル・ストリープら大物女優たちと並び、2人の新人女優がアカデミー賞主演女優賞候補として名前を連ねている。『17歳の肖像』のキャリー・マリガンと『プレシャス』のガボレイ・シディビーだ。

新たなオードリー・ヘプバーンと注目を浴びているキャリー・マリガンが『17歳の肖像』で演じるのは、60年代のロンドン郊外に暮らし大学進学を目指す成績優秀な女子高校生・ジェニー。しかし、彼女のごく普通の学生生活は、ある雨の日デイヴィッドという大人の男性と知り合うことで一変する。

16歳の少女が大人の世界へ足を踏み入れ、恋した相手を一途に信じてしまう姿はとても危うく、若さゆえの言動を諭したくなる人もいれば、自分自身の過去と重ね合わせてしまう人もいるだろう。特別なストーリーではないけれど(特に女性は)ジェニーの心の揺れに共感、その共感度の高さがこの作品の魅力だ。本作はイギリスの人気女性ジャーナリストの実体験を『幸せになるためのイタリア語講座』の女性監督が映画化したもの。原作も監督も女性の視点であることも特筆しておきたい。

一方、『プレシャス』でガボレイ・シディビーが演じる16歳の少女、クレアリース・プレシャス・ジョーンズの悩みはかなり深刻だ。住まいはニューヨークのハーレム。お腹には2人目の子供、しかもその子の父親は自分の父。母親からは精神的にも肉体的にも虐待を受けている──どう見ても不幸な人生にしか映らない。けれど、プレシャスは悩みつつも自分の幸せを見つけていく、とてもたくましい少女だ。授かった命を大切にし、学ぶことに喜びを見出し、出会った人たちを愛する。そんな彼女の姿を見ていると、環境的にはこの上なく不幸かもしれないが、彼女が自分で選んだ人生は決して不幸ではない、周りの勝手な価値観で人の幸せを量ってはいけないのだと痛感させられる。また、ガボレイ・シディビーは演技経験ゼロ。この作品で発掘された逸材であることも驚きだ。

生まれた国も境遇も異なる2人のヒロインだが、16歳という年齢と自分自身の手で大人への道を切り開こうとする姿勢は同じ。ジェニーとプレシャス、あなたが心打たれるのはどっち?



特集:2010アカデミー賞
http://www.cinemacafe.net/special/oscar2010/
《text:Rie Shintani》

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