【シネマモード】映画館で観る、本場のバレエ エドワード・ワトソンに直撃!

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「オンディーヌ」 エドワード・ワトソン
  • 「オンディーヌ」 エドワード・ワトソン
  • 『WORLD CLASSICS @ CINEMA ワールドクラシック@シネマ』
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今年のゴールデン・ウィーク、いかがお過ごしでしたか? 私は、有楽町のGWを彩る恒例のクラシック音楽イベントとなった「ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日」に例年通り通いました。低価格で一流の演奏会が楽しめるのですから、ファンにも初心者にも嬉しいイベント。やっぱり、クラシックは劇場に足を運んでこそのものです。

クラシック音楽と切り離せない芸術として筆頭にあげられるものといえば、バレエでしょう。クラシック音楽同様、やはり劇場で味わう芸術で、ちょっと敷居が高いと思われがちなバレエ。出演者の多さ、生演奏を行う管弦楽団員の多さ、そして舞台美術などの関係で、ライヴを観に行くとなると、チケットのお値段もやや高め。ふらりと行くというのはなかなか…。さらに、人気公演ともなると何か月も前からチケットを購入しなくてはならないので、予定が立てにくい忙しい人々にはなかなか手が出しにくいですよね。

でも、最近ではデジタル技術の進歩がクラシック・コンサートやオペラ、そしてバレエをより身近なものにしてくれていることをご存知でしたか? その代表的なものが、全国の映画館で世界最高峰のバレエやオペラを鑑賞できる『World Classics@Cinema〜映画館で楽しむオペラとバレエの世界紀行〜』。世界最高の舞台芸術を、デジタル映像化し、映画館で上演するという大好評の企画です。これは、舞台芸術愛好家にはもちろん、初心者にもとっても嬉しいプラグラム。お手ごろ価格で、日本にいながらにして、世界最高峰のアートを臨場感たっぷりに体感できるのですから。

そんな好評企画のひとつが、バレエ「オンディーヌ」。英国ロイヤル・バレエの2009年公演をデジタル収録したもので、プリンシパルである吉田都が主役を演じているのも注目ポイントのひとつ。水の精であるオンディーヌと、人間である騎士パレモンとの悲恋を描いた悲しくも美しいフェアリーテイルです。

そんな「オンディーヌ」に出演するバレエダンサー、エドワード・ワトソンさんが来日したと聞き、直撃しました。本来は、劇場でライヴを楽しむものとされているバレエですが、この企画なら、映画館のスクリーンを通し、より多くの観客が楽しむことができるように。バレエダンサーとして、この試みをどう感じているのでしょうか。
「バレエが全く初めての人に、バレエを紹介するには新しい良い方法だと思います。普段、生のバレエを観に行かない人たち、オーケストラがいたりしてバレエを観に行くのは高尚過ぎて…と思う人たちが、映画館というなじみのある、行きやすい環境の中でバレエを体験することができるというのは素晴らしいと思います。特に『オンディーヌ』のようにストーリー性の高いものに関しては、カメラがひとりひとりの役を追っていくわけですから、物語がより分かりやすくなると思いますね」。

ライヴと映画とでは、観客とダンサーとの距離感も違います。カメラは容赦なくダンサーたちのアップを狙っていたりして、そこは愛好家にとっても特別な体験となります。でも、距離がすごく近いことは、「ちょっと怖い体験ではありましたね」とエドワードさん。
「これはやっぱり、俳優にとっての、舞台での演技と映画での演技の違いのようなものを感じました。わたしはダンサーなのでステップもパーフェクトにしていかなければなりませんし。そういった意味ではすごくおもしろい体験でした」。

怖いながらも、面白いだなんて。やはり、一流のダンサーだけあって、キモの据わった方ですね。そんなエドワードさんにとって、この「オンディーヌ」は出世作。ひときわ思い入れが強いと言います。
「私が初めて『オンディーヌ』を踊ったときは、まだソリストでプリンシパル(最高位ダンサー)ではなかったんです。実は吉田都さんが他のプリンシパルと踊るはずだったんですが、その方が怪我をしてしまい、都さんが私にやらないかと声をかけてくださって。『オンディーヌ』がきっかけでプリンシパルに昇格することができたので、これがフィルムになったということは私のキャリアにとっても、都さんとの思い出という意味でも、大切な作品になりました」。

吉田さんと共演し、彼女の感受性、さりげない踊り方、音に乗って踊るというミュージカリティに強く影響されたと話すエドワードさん。
「彼女は誰もが憧れている美しいバレリーナです。ですから大御所の彼女と、未経験の私が一緒に踊るということは大きなプレッシャーになりました。ただ、都さんはとても親切にいろいろ教えてくださいましたし、彼女から学んだこと、体験できたことは多くあります。そうやって完成されていったものを、フィルムを通して観ていただければと思っています」。

10歳でダンサーになるために家を離れ、ロイヤル・バレエにやってきたという彼。「オンディーヌ」のように、演劇性の高い演目を得意とするロイヤル・バレエでプリンシパルを務めるには、踊りの技術はもちろん、様々な才能が要求されます。
「私がやっているパレモンの役は、実際はあまり踊らないんです。演技をしていたり、主役のオンディーヌの演技をサポートするパートナー役であったり。実際に踊る場面が少ないんですね。ですから、すごくチャレンジングで、むしろ役者として出るようなイメージが少しありました。ただ、ステップはもちろんたくさんありますけども」。

もしや、この作品を機に演技の部分をさらに発展させて、俳優としても活動したい気持ちが生まれたのでは?
「作品にもよります(笑)。しゃべるのはあんまり上手くないですし(笑)。実はいままでも何回か声はかかっていたんですけども、実際セリフを上手く言えるかも分かりませんし、まだお話を受けたことはありませんよ。いまは踊っていることが好きですから。ただ、これからは興味を持つかもしれませんね(笑)」。

この映画だけではなく、6月にはさらに公演が控えている彼。
「3つの演目を持ってきます。アシュトンの作品で『リーズの結婚』、『うたかたの恋』『ロミオとジュリエット』です。どれもすべてドラマチックな演目ですし、ストーリー性のある作品です。ロンドンではいろいろ踊っているんですけども、日本で主役級を踊ったことがないので、今回は日本のみなさんに初めて主役としての踊りを披露する事になりますので楽しみにしています。映画を観た人が劇場に足を運んでくれたらいいですね」。

6月公演では、『ロミオとジュリエット』のロミオ役を演じることが決まっているエドワードさん。彼の勇姿、まずは気軽に映画館へ観に行ってみませんか?

《text:June Makiguchi》
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