行定勲インタビュー 映画として携帯ドラマを作りズームで遊んだ鬼才

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『女たちは二度遊ぶ』 行定勲監督
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次々とベストセラーを上梓し続ける吉田修一の人気小説を映像化し、携帯電話による放送局BeeTVにて配信され、同局歴代最高の視聴率を記録した『女たちは二度遊ぶ』。“忘れられない女たち”の5編におよぶ物語を映像で綴ったのは、日本映画界屈指の“映像化の魔術師”行定勲。相武紗季、水川あさみ、小雪、優香、長谷川京子という美しき女優の魅力を最大限に引き出し、美しくも儚い恋物語をどのように紡ぎ出したのか? 本作が期間限定で劇場公開されるにあたって改めて監督に話を聞いた。

そもそも、携帯電話の小さな画面で鑑賞するために作られた作品。だが、監督は「映画館で掛かっても遜色ないものを作る」ということに腐心した。
「そうでないと、映画監督が撮る意味がない。僕は言い訳はしたくないんです。小さな携帯で観るものだからと、(携帯に)アジャストして背景を映さずクローズアップばかり多用するとか、そういうことは絶対したくなかった。だから、 撮り方も演出法もいつもの映画と同じ。女優さんたちのキャスティングも素晴らしくて、映画で勝負できる人たちです。 セットも全て作って、全てセットアップして、引きも撮ると。その中でアップが入るから、緩急が生まれるし、感情が見えるんですよね」。

改めてふり返り、撮影を「個人と個人が戦っている感覚、とてもシビアだったと思います」と語る。
「まず、僕個人が面白がっていないといけない。ここはこうだから仕方ないとか、厳しかったじゃ駄目なんだと。人を飽きさせないことについて、また改めて考えました。1話各5分ずつで、次の話を見たいと視聴者に思わせるものじゃないといけないんですから、本当にシビアでした」。

その上で今回、新たに挑戦した部分について尋ねるとこんな答えが返ってきた。
「ズームです(笑)。ワンカット捉えているとき、3人いるとしたら、誰かひとりにズームするという。早く撮れたし、楽しかったですね。何でこれまで映画でやらなかったんだろう? って(笑)。 水川あさみのシーン(『自己破産の女』)で使ったんですけど、ズームする瞬間、面白い画が撮れて思わず笑ってしまいました。今後、映画でも試すかもしれませんね」と携帯配信用の映像作品ならではの収穫もあった模様。

最後に監督に、今後の携帯ドラマのあり方について尋ねてみた。
「僕自身、やって良かったと思っています。自分の中でも納得しているし、満足度も高いです。このメディアに関しては、今後、期待値もかなり持っています。僕にとっては、この作品をやる意味と、作品をどう生み出すか? というモチベーションを持ちながらも、失敗してもいい気持ちで挑めたことが大きかったんです。でもその分、良い作品が出来たのではないかなと思います。2作目も挑戦したいか? それは分からないですけど、もし僕が2作目をやらせていただくとしたら、きっとズームを多用すると思います(笑)」。

ちなみに、吉田修一作品に関して言えば、ベストセラー「悪人」が妻夫木聡主演、李相日監督でこの秋公開されるが、本作および『パレード』と吉田さんの原作を映画化してきた行定監督の心中は? 今後、さらに別作品の映像化の期待もかかるが、まずは携帯ドラマの歴史を変えたとも言える『女たちは二度遊ぶ』で行定ワールドに浸るべし。
《text:cinemacafe.net》

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