スティーヴン・ドーフ インタビュー S・コッポラが導いた新境地は“優しい人”

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『SOMEWHERE』スティーヴン・ドーフ photo:Yoshio Kumagai
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昨年9月、第67回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』は、ハリウッドの伝説のホテル「シャトー・マーモント」を舞台に、自堕落に生きる映画スター、ジョニー・マルコが別れた妻との間にもうけた11歳の娘と過ごす数日間の物語。一見グラマラスな日々を送るスターの孤独を繊細な演技で表現したスティーヴン・ドーフに1月の来日時、話を聞いた。

37歳を迎え「若い頃はやっぱり生意気だったな(笑)」

取材の際、筆者がかつて編集に関わった雑誌で彼が表紙を飾った号を持参した。20代のスティーヴンが東京の新橋でサラリーマンの集団にまじって横断歩道に立ち、街頭の新聞スタンドの販売員と一緒に火鉢で暖をとる姿が掲載されている。
「覚えてるよ! でも雑誌を見るのは初めてだ」と大喜びでページをめくる彼は、原文のまま引かれた当時の自分のコメント「僕はくだらないハリウッド映画なんかやらない」を読んで、「こんなこと言ってる…」とつぶやきながら微笑む。だが、その言葉に忠実にキャリアを重ねてきたからこそ、『SOMEWHERE』のような作品にめぐりあったと言えるのでは?

「そうかもしれないね。37歳になったいまも昔も正直でいたいと思ってる。でも、若い頃はやっぱり生意気だったな(笑)。ハリウッドへの反抗心はあったのかもしれない。だから、出演作もダークな内容のものを選びがちになり、演じるのも悪役ばかりになっていた。でも、ソフィアは『あなたは優しい人も演じられるはず』と言ってチャンスをくれたんだ。とても感謝してる。リアルな感情を持つジョニー・マルコという男を演じさせてくれたこと、そして役者としての僕を信じてくれたことにね」。

本作におけるスティーヴン、そして愛娘・クレオを演じるエル・ファニングの素晴らしさは筆舌に尽しがたい。何もせず、そこにいる。それでいて演じる人物の心の機微を自然に観客へ伝えることに成功している。
「これは本当に大変だった。クセのあるキャラクターを派手に演じるのはとても簡単なことだけど、今回は裸のままで演じるような気持ちだった。芝居をやり過ぎたら、映画のすべてをぶち壊すことになってしまう。いままで演じた中で最も難しい役だった。嘘っぽくなく演じたかったんだ。実は撮影中はジョニーとして過ごすようにしたから、当初は少し荒んだ気持ちになっていたんだ。これは疲れ切った男が、娘と過ごすうちにクリアな自分を取り戻す物語だからね。ソフィアの演出は見事だったよ。自分を見失ってるジョニーになり切っていた僕は物事を客観的に見られない状態だったけど、彼女が導いてくれたんだ」。

「エルに初めて会ったとき、ソフィアも僕もすぐに『この子だ』と思った」

演技力を自慢するのではなく、どれだけソフィアが素晴らしい監督なのかを力説するスティーヴンは、エルについても愛情たっぷりに語る。
「シャトー・マーモントでのスクリーン・テストで初めて会ったとき、ソフィアも僕もすぐに『この子だ』と思った。愛らしくて、部屋に入ってくるだけで空気が華やぐ。素晴らしい子だよ。ずいぶん背が高くなったので、いまや一緒に並びたくないけど(笑)。ヒールを履いたら180センチ近いのに、まだ乳歯が生えてたりするんだ。才能もあるし、素晴らしい女優になると思う」と笑いながら話す表情は、父親そのものだった。

スティーヴンは「ソフィアは観客一人一人が全く違う感想を抱ける映画を作る」と言う。「僕自身、『SOMEWHERE』を何度か見直すたびに新たな発見がある。大抵の映画は1度観ればそれきり。気に入っても気に入らなくても、そのまま忘れていく。でも、これは違う。観た翌日に車を運転していて、ふと思い出す。そんなふうにいつまでも心に残る作品なんだ」。



特集「ソフィア・コッポラ's セレブ・ワールド」
http://www.cinemacafe.net/ad/somewhere
《photo:Yoshio Kumagai / text:Yuki Tominaga》

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