【シネマモード】この夏、恋愛偏差値を高めるなら… アジア発のこの二作

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『サンザシの樹の下で』 -(C) 2010, Beijing New Picture Film Co., Ltd and Film Partner (2010) International, Inc. All Rights Reserved.
  • 『サンザシの樹の下で』 -(C) 2010, Beijing New Picture Film Co., Ltd and Film Partner (2010) International, Inc. All Rights Reserved.
  • 『ハウスメイド』 -(C) 2010 MIROVISION Inc. All Rights Reserved
  • 『サンザシの樹の下で』 -(C) 2010, Beijing New Picture Film Co., Ltd and Film Partner (2010) International, Inc. All Rights Reserved.
ここに純粋無垢なヒロインがいます。1970年代初頭の中国に生きたジンチュウと、現代の韓国に生きるウニの二人。彼女たちが出会う運命の恋愛を描いたのが、中国の巨匠チャン・イーモウ監督の『サンザシの樹の下で』と、世界が注目する韓国人監督イム・サンスの『ハウスメイド』です。この二つの作品は、アジアが舞台であること、純真な女性が経験する身分違いの恋愛物語であること、という共通項はあるものの、実は全く異なる愛の形を描いているのです。

『サンザシの樹の下で』の舞台は、文化大革命下の中国。国策により、農村での再教育に送られた高校生のジンチュウは、住み込んだ村長宅で、年上の青年・スンに出会います。家族と離れて暮らすジンチュウを何かと気遣い、好意を隠さないスンに、彼女は自然と惹かれていくのです。でも、地主階級の父と教師の母が反革命分子として迫害されているジンチュウにとって、この恋は絶対に許されないもの。愛を誓い、密会を重ねるのですが、時代、そして過酷な運命のいたずらによって、二人は試練を課されるのです。

一方、『ハウスメイド』は、1960年に映画化されたキム・ギヨン監督の名作『下女』のリメイクですが、舞台は現代の韓国。主人公・ウニは、ある日、上流階級の家でメイドとして働くことになります。控えめなウニは、すぐに屋敷に溶け込みますが、自分の欲望に素直であるという純粋さを持つ彼女は、屋敷の主人・フンに誘惑されるとすぐに彼を情熱的に受け入れてしまいます。それが、大変な事態を招くとも知らずに。

いずれも、ずばり悲恋です。でも、ジャンルとしては同じ悲恋物語でも、温かい想いも残してくれるのが『サンザシの樹の下で』であり、欲深い人間の恐ろしさを感じさせるのが『ハウスメイド』。後味が全く違うのです。

もちろんヒロインの性格は違いますし、国、時代、文化、ヒロインの年齢、立場も違いますが、恋愛的な視点から二人に最も大きな違いをもたらしたのは、相手の男性にほかなりません。ジンチュウにはどこまでも優しく、「いつまでも待つ」と言ってくれる愛に満ちたスンがいて、ウニの相手となったのは、使用人と肉体関係を結んでも何の罪悪感のかけらもなく、奪うも捨てるも気ままなフン。どちらの男性も社会的にはエリートですが、すべての行為が愛から生まれているスンと、欲望から生まれているフンでは、相手の女性の運命も大きく変わってしまうというもの。似ているのは、名前の響きぐらいなものなのです。

ジンチュウとウニが出会った恋愛の種類が、純愛と性愛の違いだったとことも大きかったのかもしれませんが、それはやはり相手あってのこと。女の人生は男次第とよく言ったもの。現代に生きる、自分の運命を切り開くことができる立場の女性ですら、関わり合った男性次第で天国にも登れるし、地獄にも落とされますからね。これは、実際に目撃済みですから、私だって断言できます。ただ、ひとつ言えることは、どの男性を選ぶかだってその人次第だということ。初恋で素敵な男性に出会えて美しい時間を過ごすことのできたジンチュウは、ある種の幸せを手にした女性と言えるでしょう。でも、ウニについては、女に敬意を払えず尊重もできないフンと、外れクジを引いている様子。それも、それぞれが持つ“男を見る目”の違いゆえなのでしょう。映画の中で、ジンチュウとウニの言動、スンとフンの言動を比べてみると、男を見る目の違いとはどういうものかがはっきり見えてくるのも興味深い。この二作を見比べてみて、「私はどちらのタイプかしら…」とか「私の相手はどちらのタイプ?」とか、ちょっと客観的に自分自身の恋愛を見つめてみるのもいいのではないでしょうか。

永遠に続く純愛か、刹那的な性愛か。どちらを好むか、どちらを選ぶかは個人の自由ですが、愛の違いがくっきりとわかる『サンザシの樹の下で』『ハウスメイド』を並べてみると、自分の恋愛の好みがはっきりするはず。

とはいえ恋愛は、頭でするものではなく、心でするものですから、自分を大切に思ってくれる人と出会いたいと思っていても、つい性悪な男を好きになるというタイプの女性もいることでしょう。実は、そんな女性の目を覚まさせてくれるヒントも、この二作の中には潜んでいます。というわけで、恋のドツボにはまってしまった乙女たちにこそ、この二つの悲恋物語をダブルでお勧めしたいもの。ジンチュウとスン、ウニとフンという二組の男女を観察して、より幸せな愛を見つける恋愛偏差値をぐんと高めてみてください。



特集「どちらに溺れる?純女ヒロインの愛」
http://www.cinemacafe.net/ad/asia_summer/
《text:June Makiguchi》

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