『ヱヴァンゲリヲン』、『少林サッカー』のヒットメーカーが仕掛ける新しい映画学校が開校!

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チャンス イン代表取締役・酒匂暢彦氏 photo:Rie Shintani
  • チャンス イン代表取締役・酒匂暢彦氏 photo:Rie Shintani
好きなことをビジネスにする──言葉にすることは簡単だが、実行に移すとなると難しいものだ。特に映画業界となると、映画ビジネスに興味を持ってはいるけれど、なかなか第一歩が踏み出せずにいるという声も多い。そこで、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』、『少林サッカー』、『アフタースクール』などをヒットに導いた、元株式会社クロックワークス代表取締役の酒匂暢彦氏(現株式会社チャンス イン代表取締役)による新しいプロジェクト「PRODUCER’S LABO」を取材! 映画業界で働くためのビジネス・ノウハウを身につけることのできる新しい映画学校について、主催者である酒匂氏に話を聞いた。

──別所哲也(俳優)、行定勲(監督)、ビル・コン(プロデューサー)など、名だたる業界関係者から期待のコメントが届いていることからも、PRODUCER’S LABOの注目度の高さが伺えます。そもそもPRODUCER’S LABOを開校しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

これまでにも映画学校などで講義をしたことはあるんですが、2時間程度の講義では通り一遍の話しかできなくて、消化不良だったんです。映画業界はこういう業界なんだ、映画ビジネスはこういうものなんだ、と教えるのに2時間では足りない。学生はもちろん、転職して映画業界に入ろうと思っている人に、どうやったらこの業界に入れるのか、役に立つスキルを得られるのか、自分自身が経験したこと──会社(クロックワークス)を立ち上げて、配給・制作、映画の買い付けなど、一通りやってきた映画業界での経験を要約して伝えられたら…という思いがPRODUCER’S LABOのスタートでした。

──映画について学ぶ大学・専門学校は数多くありますが、それらとPRODUCER’S LABOの大きな違いは、ビジネスに直結しているということなんですね。

私自身は映画学校の出身ではないので、既存する学校でどんなことを学べるのか正確に把握はしていませんが、はっきりと言えるのは、いわゆる映画論や過去の方法論は、実ビジネスにおいて通用しません。学問として映画を学ぶことと映画ビジネスは違うんです。例えば、映画を作るにしてもどうやって企画を立てるのか、その企画をどう制作するのか、お金はどうやって集めるのか、契約はどうするのか…ビジネスに必要なことは、残念ながら学校では教えてくれない。ですから、実ビジネスに即したものを教えたいんです。企画・買い付け・資金集め、制作・配給・宣伝・回収の方法を学ぶことができ、しかも優秀な人材であればそのまま採用ということもあるでしょう。長らく人材不足と言われている映画ビジネス界の即戦力になってほしいんです。

──実際に映画ビジネスで成功を収めている人たちが講師を務めることや、カリキュラムにある体験型学習というものも魅力的です。

買い付け体験や英語実習も別メニューで考えています。体験型学習が必要だと思うのは、やはり自分自身の経験によるものですね。私がこの業界に入って、最初に映画の買い付けをするとなったときに、通訳を介して臨みましたが、(会話が)ちぐはぐで。経験したからこそ分かったことですが、映画ビジネスに必要な単語は100とか200。必要なのはベーシックな英会話ではなく、業界特有の必要最小限の英語です。海外の映画祭のマーケットに行くと、へたくそな英語の人はたくさんいるわけですよ(笑)。そこでも、流暢に英語を話すことよりも映画を買ったり売ったりするための情報を持っている方が断然大切だと実感しました。けれど、英語ひとつとっても実際に現場にいないと分からないことが多い。それをこの学校で教えたいんです。映画の契約書が分厚いのは何故なのか? なども分かりやすく教えます。私が日本ビクターから転職し、どうやってクロックワークスを作ったのか、クロックワークスでヒット作を世に送り出すために何をしたのかなども、講義のときは必ず話すことなので、PRODUCER’S LABOでも話したいと思います。

──酒匂さんの歩んできた映画ビジネスの道を知るだけでも、相当なビジネス知識を得られそうです! また、現在の映画界に必要なもの、必要な人材は?

映画はコンテンツビジネスですから、いいコンテンツ(作品)を提供しなければ当然お客さんは来ない。今年の夏の興行から分かることは──ヒットした映画は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』『カーズ2』…洋画も邦画もシリーズものばかり。一から新しいものを作る能力が日本も世界も著しく落ちているということですね。ですから、新たに面白いものを生み出せる可能性を持った人たちを業界に呼び込まないとダメなんです。突出した面白さのない同じような映画ばかりが作られる背景には、DVDが売れなくなってしまったり、レンタルDVDの価格競争も影響しています。採算を取るために原作・キャスト・ジャンルがコンサバになり、本当に面白いものに投資する余裕が会社にないんです。良い映画がないと嘆くのではなくて、良い企画をどう立ち上げるか、そこに力を注ぐべきなんです。

──最後に、シネマカフェ読者に向けてメッセージをお願いします。

PRODUCER’S LABOに興味を持って、実際に来てもらえる生徒さんには、社会人、学生、アルバイト…様々な人がいると思います。みんな多かれ少なかれ悩んでいるはず。PRODUCER’S LABOはそういう人たちの意見交換の場でもありたいと思っています。映画業界で働きたいという思いは確かに大切だけれど、就職活動は並行してできるので、映画ビジネスの世界がどういうものなのか、試しにこの学校に来てみるのもひとつです。受講料は決して安くはないので、投資した分、道をひらくお手伝いができたらなと。もちろん、別所哲也さんや浅野忠信さんといったスペシャルコーチを始め、製作プロデューサーコース、宣伝プロデューサーコース、クリエイターコースの各コースに、映画を何本も手がけてなおかつヒットさせた人たち──私自身が話を聞いてみたいと思う講師陣が揃っています!

《photo / text:Rie Shintani》
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