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瀬戸内から誕生した期待の若手監督がエール!「熱い思いを持って」

今年の夏、雄大な自然が広がる瀬戸内から誕生した新たな映画の祭典「瀬戸内国際こども映画祭2011」。このメインイベントである脚本コンペティション「エンジェルロード脚本賞2011」では国内外から139本もの作品が集まり、その中から1本の作品がグランプリに輝いた。作品のタイトルは、『笛の伝言〜瀬戸内海賊物語〜』。瀬戸内海で活躍した村上水軍の子孫にあたるガキ大将の女の子が、仲間の子供たちと村上水軍の秘宝を探す冒険物語である。3年後の次回映画祭でのオープニング上映に向けて地元・瀬戸内で早くも期待の声が集まる本作について、グランプリを受賞した大森研一、湯原弘康のふたりに話を聞いた。

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『笛の伝言〜瀬戸内海賊物語〜』 大森研一&湯原弘康
『笛の伝言〜瀬戸内海賊物語〜』 大森研一&湯原弘康
  • 『笛の伝言〜瀬戸内海賊物語〜』 大森研一&湯原弘康
  • 『笛の伝言〜瀬戸内海賊物語〜』 大森研一&湯原弘康
  • 『笛の伝言〜瀬戸内海賊物語〜』ロケ地ハンティングにて
今年の夏、雄大な自然が広がる瀬戸内から誕生した新たな映画の祭典「瀬戸内国際こども映画祭2011」。このメインイベントである脚本コンペティション「エンジェルロード脚本賞2011」では国内外から139本もの作品が集まり、その中から1本の作品がグランプリに輝いた。作品のタイトルは、『笛の伝言〜瀬戸内海賊物語〜』。瀬戸内海で活躍した村上水軍の子孫にあたるガキ大将の女の子が、仲間の子供たちと村上水軍の秘宝を探す冒険物語である。3年後の次回映画祭でのオープニング上映に向けて地元・瀬戸内で早くも期待の声が集まる本作について、グランプリを受賞した大森研一、湯原弘康のふたりに話を聞いた。

今回二人が題材として選んだ伝説の海賊「村上水軍」は、地元・愛媛の人々にとっては身近な存在。愛媛出身の大森さんはこの題材を選んだ経緯を語る。
「これは日本版『グーニーズ』です。地元が愛媛で歴史好きだったので、海賊大名(村上水軍)は身近な話題だったから、元々構想は頭の中にあったんです。たまたま瀬戸内国際こども映画祭の脚本募集の話を聞いて、これはピッタリだなと。日本映画で、実写で子どもの冒険映画はたぶん『僕らの七日間戦争』以来作られてないんじゃないかと思うんです。『グーニーズ』を観たときの感動のように、子どもが観て本当に楽しい映画にしたいんです」。
共同脚本を手がけた湯原さんもこの言葉に頷く。
「僕も、全ての人に愛される映画でなくてもいいと思います。大人にはそんなに面白くなくても、子どもが観て面白ければいいんだと」。

この村上水軍について、「基本かっこいい、というところに尽きる」(大森さん)、「広い海で自由に生きているってところに、海賊はロマンがあると思う」(湯原さん)とそれぞれの“男のロマン”を語るおふたり。海賊というと『パイレーツ・オブ・カリビアン』然り、カリブ海の大海原を舞台に戦う男たちというイメージがあるが、本作がユニークなのは“女ガキ大将”を描いているという点。このアイディアはどこから来たのか?

湯原:重松清さんの「くちぶえ番長」という小説を何年か前に読んでいて、女主人公っていいなと思ってたんです。海賊というと、ジャック・スパロウもルフィ(「ONE PIECE」)も男だから、強い女海賊というのを見てみたいなと。実際、主人公は海賊ではないんですけど。

大森:たまたまですけど、愛媛には「鶴姫伝説」というのがあって“日本のジャンヌ・ダルク”って呼ばれているんです。愛媛では海賊の映画というと「鶴姫の話?」って聞かれるくらい有名なんですよ。

さらに、大森さんは村上水軍の魅力をこう語る。
「水軍の人たちは、最初は文字通り“海賊”で略奪したりしてたんですが、村上武吉が登場して、悪さをする海賊たちを組織化したんですよ。それが新撰組に似てると思いました。近藤勇が道場に来る暴れん坊たちを集めて新撰組を作り上げたみたいな、そういうカッコよさがあると思います。それ以降、村上水軍はメチャクチャやっていたのを改めて、きちんと掟を決めて通行税をとって、悪さをする船に対してだけ略奪をしたりしたんです。それは偉い人の船だろうが関係ない。村上水軍は完全に独立していて、信長とも秀吉とも家康とも戦っているんです。どこにも属さずに、瀬戸内の王として。略奪したお金も島の人々のために使ったりもしていたようです」。

実はこの村上水軍、愛媛には子孫が多く実在するようで、陸上やり投げのアテネ&北京オリンピック日本代表・村上幸史選手もそのひとりにあたるのだとか。

湯原:村上水軍の子孫、全員集合! なんてやったら面白いですよね(笑)。

大森:撮影は来年の予定ですが、子役には地元出身の子どもたちも起用して、主題歌も地元出身のアーティストを考えてます。地元パワー集結の、みんなで一緒に作っていく映画にしたいですね。

地域とそこに住む人々に密着したプロジェクトならではの“生きた”空気に期待が寄せられる本作。中でも小豆島の海と山に囲まれた絶景は見どころのひとつになりそう。実際にロケ地ハンティングを終えたという大森さんと湯原さんは現在、来年の撮影に向けて脚本の練り直し段階にいるという。3年後の公開がいまから楽しみだが、最後に、映画監督への道をスタートさせたおふたりから、同じように映画監督を目指す人々にメッセージを贈ってもらった。

大森:実際に映画化するという脚本賞はなかなかないので、熱い思いを持っている方はぜひ、次回のエンジェルロード脚本賞に挑戦してもらいたいですね。

湯原:新人脚本家というのは企画書を書いている時期が長くて企画書で終わってしまうことが多いんです。企画書が通っても、脚本まで書ける機会は少ない。新人だと、脚本を書けるところまでたどりつくのが難しい。瀬戸内国際こども映画祭は、まず脚本が書ける、さらに脚本だけの勝負で賞がいただける、とても貴重なチャンスだと思います。だから多少スケジュールがきつくても、がんばって挑戦した方がいいと思います。

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《シネマカフェ編集部》

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