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【シネマモード】働く大人たちに活力を! 日米サラリーマン映画に抱腹絶倒?

サラリーマンのみなさま、お疲れ様です。ダメ人間の私は、規則正しい生活を送っているサラリーマンのみなさまを、いつも尊敬のまなざしで見つめています。そんな私もかつては、某通信社に勤めるれっきとしたサラリーマンでした。でも、残念ながら脱落。ですから、みなさまへの日ごろの敬意を表して、偶然にも公開時期が重なった日米のサラリーマン映画をご紹介したいと思います。

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『モンスター上司』 -(C) 2011 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.
『モンスター上司』 -(C) 2011 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.
  • 『モンスター上司』 -(C) 2011 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.
  • 『劇場版サラリーマンNEO』 -(C) 2011「劇場版サラリーマンNEO」製作委員会
  • 『モンスター上司』 -(C) 2011 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.
サラリーマンのみなさま、お疲れ様です。ダメ人間の私は、規則正しい生活を送っているサラリーマンのみなさまを、いつも尊敬のまなざしで見つめています。そんな私もかつては、某通信社に勤めるれっきとしたサラリーマンでした。でも、残念ながら脱落。ですから、みなさまへの日ごろの敬意を表して、偶然にも公開時期が重なった日米のサラリーマン映画をご紹介したいと思います。

日本代表となるのは、NHKが誇る異色コント番組の映画版『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』。TVシリーズは2004年に単発番組として放送され、2006年からレギュラー化。あのエミー賞のコメディ部門に、2007年、2008年と2年連続でノミネートされる快挙を成し遂げたスゴイ番組なのです。個人的にも全シリーズ欠かさず観ているお気に入りプログラム。思い入れたっぷりに言わせていただくと、NHKならではの鋭い洞察力と取材力を無意味なほどに駆使したり、自社の番組をやりたい放題にパロディ化し、必要ならば自分たちの番組すら笑いものにする潔さを持っていたり、他にはないユルさを良しとする懐の深さがあったりと、そんなところが魅力でしょうか。サラリーマン社会の喜怒哀楽や理不尽さを背負った不思議なキャラクターばかりを集め、誰かの経験談なのか創作なのか不明なほど突飛なエピソードで綴り、人気を集めているのですが、それが映画になると聞いたときは耳を疑いました? コントを長編にするなど、「いったい、どのように?」と。ファンのそんな心理を承知してのことなのか、タイトルの後に「(笑)」とついているのが、とても“NEO”的。

内容としては、年々厳しくなるサラリーマン世界で生きる人々を思わず笑顔にしてくれるエピソード満載。“あるわけないよ”というネタを絡めながらも、「サラリーマンって文化だな」「こんな働き方って素敵」と思える展開へ。最後には、「サラリーマンってかっこいい!」と思わせる働く人々への讃歌となっています。ベースとなるのは、とある三流ビール会社と一流ビール会社との新商品開発バトル。正直者が馬鹿を見る社会ではなく、本当に一生懸命な人たちにエールを送れる社会にしたいと、しみじみ思わせてくれる仕上がりです。

私と同じNEOファンに向けては、こんな情報も公開しておきましょう。番組の象徴的キャラであるセクスィー部長の“ビギンズ”や、白石夫妻のその後、OL夜叉のみなさんの日ごろの働きぶりなどがわかります。「?」な方は、この映画をきっかけに、ぜひTV番組のファンになっていただきたい。サラリーマン経験の長い人ほど、笑えるはず。明日への活力ももらえる…かもしれません。

万が一、『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』ではもはや笑えないほど、状況がひっ迫している人には、もうちょっと黒い笑いはいかがでしょう。そこで登場するのが、米国代表、悲喜こもごもの“悲”の部分を抽出し、ブラック・コメディにしてしまった『モンスター上司』です。嫌味ネチネチ上司と、セクハラ女上司、おバカな二代目上司に苦しむ男性3人が、業を煮やしてとある計画を練ることから生まれる騒動を描いた作品なのですが、やはりアメリカはやることが派手ですね。モンスターな上司を演じるのが、ケビン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレル、ちょい役ながら脇を固めるのがジェイミー・フォックス、ドナルド・サザーランドという豪華さ。意地悪な役はどこまでも憎たらしく、セクハラ具合は開いた口がふさがらないほどはしたなく、不肖の息子ぶりはどこかの国の製紙会社の社長並に、と実に恐ろしいモンスターぶりなのです。

お下品な下ネタも登場するし、不謹慎なエピソードも満載。現在のハリウッドが嫌う表現を、躊躇なく使い倒しています。でも、これは観に行く相手を選んでいただくための注意事項にすぎません。個人的には決して嫌いじゃありません。ある意味では、『ハングオーバー』シリーズ、『キック・アス』の流れをくむおバカ映画の正統派。こんな上司が本当にいたなら笑い話にならないけれど、もしも実際に、こんな上司で苦しんでいる人がいたら、映画を観ればちょっと気分が楽になるかも。くれぐれも、主人公3人のような解決策は選ばないでいただきたいけれど、笑い飛ばすならいいのでは? 3人の上司に自らの上司の顔を重ねても、誰も非難しませんから。

厳しい社会情勢の中で、大変な部分ばかりが取り沙汰されていますが、元サラリーマン、現フリーランスの私にしてみれば、サラリーマンにも良い点がいっぱいあります。その筆頭は有給休暇。休みたいだけ休めるけれど、その間、収入は一切なしという私にとって、それはそれは羨ましい制度。これからやってくる年末年始のお休みは、サラリーマン・ライフの喜びを象徴するもののはず。年末まであと少し…。そのつなぎ役として、ぜひもうひと頑張りする活力に、2本の映画を正しくお役立てくださいませ。

《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

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