俳優ライアン・ゴズリングに迫る!vol.3 鬼才ニコラス・W・レフンが語る「愛」

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『ドライヴ』ニコラス・ウィンディング・レフン監督
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3回にわたり俳優ライアン・ゴズリングの魅力に迫っていく連載インタビュー、最終回を飾るのは現在公開中の『ドライヴ』でメガホンを握ったデンマーク出身の若き鬼才、ニコラス・ウィンディング・レフン。ライアンに演じてもらうために、名もない“ドライバー”という孤高のヒーローを創り上げた監督に、ライアンとの出会いから、2人がこの映画に込めた「男のロマン」まで語ってもらった。

2人の出会いはライアンからのラブコールから始まった。元々、ジェイムズ・サリズの同名小説を原作にした脚本を読んで気に入っていたライアンが、その監督にかねてより目をつけていたレフン監督を指名したのだ。だが出会った当時、監督は最悪のコンディションにあったという。
「風邪で高熱を出してしまって。ライアンと待ち合わせていたレストランにも四つん這いになって行かなければならなくて(笑)。彼との食事中も気のない返事ばかりだったんだ。それで辛くなって帰りに彼にホテルまで車で送ってもらったんだけど、ライアンは無言で運転していて、車内には気まずい沈黙が流れていて…。僕は仕事で妻と子供にも会えないし、おまけにハリソン・フォードの作品も思うようにいかないこと(当時進行していた作品で、主演のハリソンが死ぬ設定に異を唱え、監督は降板した)が頭をめぐって涙が出てきたんだ。それで車窓から外を眺めていたら、ロスの高速の夜景が広がっていて、BGMには『REOスピードワゴン』が流れていて、ライアンが運転していた。その全てが良くて、この映画を撮りたいと思ったんだ」。

哀愁漂う風景とライアンの運転する寡黙な姿が合わさった瞬間に、ドライバーという男が誕生したのだ。そして、本作の最大の見どころであるドライバーの“涙”も、きっとここから生まれたのだろう。それにしてもこのドライバー、名前もなければどこから来た者なのかも分からない。敢えて語らないことに、監督は何を意図したのか?
「引き算をすることによって観客は謎を深め、より意味を汲み取ろうとする。彼にセリフがほとんどないという設定も、孤独な存在にするというより、彼をより謎めいた存在にしたかったから。言葉を発しない寡黙な男にすれば、彼がやること成すことに何か意味があるんじゃないかと思うわけ。ただ自分なりにしか彼を理解できないんだけど、それがより彼を面白くするんだよね」。

だが、当のライアンにとってこの名もない男を演じるのには試練が伴ったよう。
「全体の撮影期間が7週間というハードスケジュールの中、カーチェイスのシーンは2日間くらい、車中のシーンに至っては全部1日で撮ったんだ。ライアンにただ一つ言ったのは、『全部、内に秘めていてくれ』ということ。感情を表現しなくていいと。なぜなら行動を通して、感情が全て伝わるはずだから。でもやっぱりすごく大変だったよ。ライアンが時々感情がこぼれそうになったときは、ライアンのそばに行ってハグをしてあげたよ(笑)。彼が諦めるまでハグしてたよ。諦めてくれたところで、『神に誓って感情を出さないように』と言ったんだよ」。

2人の間にある愛を感じさせる微笑ましいエピソードだが、そんな2人が創り上げたドライバーの内にある“愛”こそが観る者を締めつけて離さない。ドライブという“動”を通して彼が魅せる“静”なる、でも狂おしい愛。監督は語る。
「ドライバーというのは、常に動き続かなければいけない人間だった。だけどヒロインのアイリーン(キャリー・マリガン)と出会って、それまで動かなければ息ができなかったのが、“動かなくても息ができるんだ”という感覚に彼は陥る。でもそれは長く続かなくて、彼女の夫が釈放されたことによって、彼はまた動的な存在にならざるを得ないんだ」。

ドライバーは監督にとっての「男のロマン」? そう尋ねると「もちろん! どんな男だって愛する女性を悪の手から守りたいものだよ」という監督。実は、ラブストーリーが好きでよく観るそうで「ロマンティックな映画を観ると、すぐ泣いてしまうんだ。お気に入りのラブストーリーは『Brief counter』('45)。『プリティ・ウーマン』('90)も大好きだよ」という意外な一面も。言っておくが、本作は正真正銘の純愛ラブストーリーだ。ぜひ、この激しく心揺さぶる深い「愛」を受け取ってほしい。

ちなみに、本作を通して深く結ばれたライアンとは、既に2作目となる『Only God Forgives』(原題)をタイ・バンコクで撮影している。共演はクリスティン・スコット・トーマス。復讐劇を軸にしたアクション映画のようだが、詳細は未だ明かされていない。
「『ドライヴ』の前から脚本を書いていた作品なんだけど、ライアンの役は観てからのお楽しみだよ。ラブ要素も少しあるよ。僕は何となく分かっているけど、まだまだお楽しみに…」。

今度は、2人がどんな化学反応を起こしてくれるのか、楽しみで仕方がない。
《text:cinemacafe.net》

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