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『ジョン・カーター』リン・コリンズ 美しきプリンセスの原点は「シェイクスピア」

「吸い込まれるような」という形容がぴったりの力強さを秘めた瞳。一方でその大人っぽい雰囲気からはちょっと意外にも思える子供のような甲高い笑い声が印象的だ。ウォルト・ディズニー生誕100周年記念作品となる超大作『ジョン・カーター』でヒロイン、惑星“バルスーム”の王女・デジャーを演じたリン・コリンズ。強さと美しさを兼ね備えたヒロインを彼女はどのように体現したのか? 日本での公開を前に話を聞いた。

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『ジョン・カーター』 リン・コリンズ photo:Naoki Kurozu
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「吸い込まれるような」という形容がぴったりの力強さを秘めた瞳。一方でその大人っぽい雰囲気からはちょっと意外にも思える子供のような甲高い笑い声が印象的だ。ウォルト・ディズニー生誕100周年記念作品となる超大作『ジョン・カーター』でヒロイン、惑星“バルスーム”の王女・デジャーを演じたリン・コリンズ。強さと美しさを兼ね備えたヒロインを彼女はどのように体現したのか? 日本での公開を前に話を聞いた。

王女であると同時に戦士という役柄だけあって、デジャー役には激しいアクションも求められたが、小さい頃からマーシャルアーツ(格闘)を習っていたという彼女は、その大部分をスタントに頼ることなく自らこなした。

「マーシャルアーツは4歳から17歳まで習ってたんだけど、それからいままで一度もやってなかったから正直、自信はなかったの。リハーサルで監督に『OK、じゃあ100%の力で試しにやってみて』と言われてやってみたら、練習台の相手を完全に打ちのめしちゃったの(笑)! 周りはもちろん、私が一番驚いたわ。子供の頃に身につけたものは体が覚えているものなのね」。

もちろん、デジャーに求められた強さはフィジカルな部分だけではない。自らの人生と滅びゆく王国の民の命を天秤にかけた二者択一を迫られる美しきプリンセス。役柄の生き方に触れることで自らの内面にも大きな変化を得ることができたと明かす。

「“強さ”や“勇気”そのものを演じることはできないわ。デジャーという強く勇敢な人物を体現するには、演じる私自身が人間として強く、勇敢にならなければいけなかった。そういう意味でデジャーというキャラクターには恩義を感じているわ。彼女のおかげで私は成長できたと思うから」。

相手役のテイラー・キッチュとは『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』に続いての共演となるが、ハリウッドの新星として期待を浴びるテイラーの俳優として作品に取り組む姿勢を絶賛する。

「以前、『レニー・ハーリン コベナント −幻魔降臨−』(DVD)という作品で彼と私の夫(※『紀元前1万年』などに出演したスティーヴン・ストレイト)が共演していたこともあって、テイラーとは何年も前からの知り合いなの。元々、アイスホッケーをやっていたスポーツマンだということも関係しているかもしれないけど、すごく競争心の強い俳優よ。相手を負かす、そして自分に打ち克つという気持ちを常に持って撮影に臨むし、撮影中はずっと私のことを支え、守り続けてくれたわ」。

舞台でそのキャリアをスタートさせ、徐々に映像の世界にも進出。近年では先述の『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』でヒュー・ジャックマンの恋人役で存在感を示し、人気海外ドラマ「トゥルーブラッド」でも注目を集めるなど、彼女もまたテイラーと同様に1作ごとに着実にステップアップを遂げている。だが己を見つめる視点はその力強い瞳とは裏腹に冷静そのものだ。

「成功というものは心で感じる感情ではないというのが正直な気持ちね。つまり何が言いたいかというと、成功は一瞬で消える儚いものだけど、作品に対して自分が少しずつ積み上げてきた誇りはいつまでも消えずに残るということ。私は結果よりもそこに至るまでの過程、努力こそが何より大事だと思ってるわ。もちろん結果が良いに越したことはないけど、結果というのは心の中にまで入ってくるものではなくて、どこかその辺を浮遊しているものよ。でも誇りは心の中に存在し続けるわ」。

では今後のキャリアについてはどんなイメージを抱いているのだろうか? そう尋ねると「私には一つすごい才能があって、他人のことだったら『ああしなさい、こうしなさい』って自信を持って将来のことにまで口出しできるの。でもこれが自分のことになると、顔に泥が張り付いたように何も見えなくなるのよ」と苦笑を浮かべる。そんな彼女の口から漏れてきたのは「原点」と「シェイクスピア」という言葉だった。

「自分の将来を見据えるなんて私には無理だから(苦笑)、だからこそ新しい仕事をいただくときはいつも初めてのような気持ち、一から始めるような心構えで臨んでるわ。これは舞台での仕事で感じてきたことだけど、女優という仕事は与えられたものをお客さんに返す作業だと思う。舞台に立ってお客さんから何かをもらう、返すというやり取りを繰り返す。それが舞台の素晴らしさね。その中でも私が一番興味を持っているのがシェイクスピアなの。テキサス出身の私がどうしてこんなにシェイクスピアに入れあげているのかは謎だけど(笑)、昔からシェイクスピア作品の題材やセリフ、登場人物の感情がすごくよく分かるし大好きなの。これだけ大きな規模の映画に出た後だからこそ、全てを削ぎ落として自分の演技の原点と言える舞台に立ちたいわね」。

そう語る彼女の表情は劇中のプリンセスさながらに気高く、美しい。舞台のみならず映像作品を携えて再び来日してほしい!



特集:『ジョン・カーター』“胸きゅん”ポイント、徹底検証!
http://www.cinemacafe.net/ad/JC/
《photo / text:Naoki Kurozu》

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