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リュック・ベッソンが語る、映画作りへの熱 「カメレオンみたいなものだね」

リュック・ベッソン監督が自ら執筆した児童文学を原作に3DCGアニメーションと実写を融合させた革新的な映像で作り上げてきたファンタジー『アーサー』シリーズが遂に完結! 『アーサーとミニモイの不思議な国』、『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』に続く3部作の最終章となる『アーサーとふたつの世界の決戦』のDVDが先日、リリースとなった。原作の第1巻が刊行されたのが2002年。他作品の監督やプロデューサーをも務めつつも製作を進めてきたこの壮大な3部作を送り出した心境は——? ちょうど1年前に本作を携えて「フランス映画祭2011」の団長として来日を果たした際のベッソン監督のインタビューをお届け! 

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『アーサーとふたつの世界の決戦』リュック・ベッソン監督 Photo : Guy Ferrandis -(C) 2007 EuropaCorp
『アーサーとふたつの世界の決戦』リュック・ベッソン監督 Photo : Guy Ferrandis -(C) 2007 EuropaCorp
  • 『アーサーとふたつの世界の決戦』リュック・ベッソン監督 Photo : Guy Ferrandis -(C) 2007 EuropaCorp
  • 『アーサーとふたつの世界の決戦』リュック・ベッソン監督 Photo : Guy Ferrandis -(C) 2007 EuropaCorp
  • 『アーサーとふたつの世界の決戦』 -(C) 2010 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION – APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS
  • 『アーサーとふたつの世界の決戦』 -(C) 2010 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION – APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS
  • 『アーサーとふたつの世界の決戦』 -(C) 2010 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION – APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS
  • 『アーサーとふたつの世界の決戦』 -(C) 2010 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION – APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS
  • 『アーサーとふたつの世界の決戦』 -(C) 2010 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION – APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS
  • 『アーサーとふたつの世界の決戦』 -(C) 2010 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION – APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS
リュック・ベッソン監督が自ら執筆した児童文学を原作に3DCGアニメーションと実写を融合させた革新的な映像で作り上げてきたファンタジー『アーサー』シリーズが遂に完結! 『アーサーとミニモイの不思議な国』『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』に続く3部作の最終章となる『アーサーとふたつの世界の決戦』のDVDが先日、リリースとなった。原作の第1巻が刊行されたのが2002年。他作品の監督やプロデューサーをも務めつつも製作を進めてきたこの壮大な3部作を送り出した心境は——? ちょうど1年前に本作を携えて「フランス映画祭2011」の団長として来日を果たした際のベッソン監督のインタビューをお届け! 

好奇心旺盛な少年・アーサーが体長2ミリのミニモイ族の世界で大冒険を繰り広げる本シリーズ。タイトルにもあるように、本作ではミクロ世界のみならず、人間界にも冒険が波及! 復活を遂げた魔王・マルタザールやその軍団が人間界をも支配しようとするのを阻止すべく、アーサーと仲間たちが奮闘する。

3部作を作り終えての心境を尋ねると監督は「まずは終わったことに満足してるし、ホッとしたよ」と素直な胸の内を明かしてくれた。監督にとって、この3部作は子供のような存在だという。
「3人の子供たちが自分の中でどんどん大きくなっていったような気分だよ。子供たちの方も『パパ、僕らのことはもういいよ』って気持ちじゃないかな(笑)? 本を書くことと映画を作るってことは全く表現の仕方が違うでしょ? だから最初に小説を書き始めたときに今回の映画のようなイメージを思い浮かべていたわけじゃないんだ。まずは本を書くことに集中し、それから今度は映画の世界に没頭することにした。結局、両方合わせて10年近くを費やすことになったから、そろそろ違うことをやりたいなって気持ちだよ」。

実写部分に関しては第1作目から3作目までほぼ同時期にまとめて撮影されており、主演のフレディ・ハイモアは当時まだあどけなさの残る10代半ばの少年だったが、今年20歳を迎えた。フレディと初めて会ったときの“衝撃”を懐かしそうにこうふり返る。
「彼が部屋に入ってきて、話し始めて3分で『あぁ、彼しかいない』って思ったよ。どうしてって? そんなの説明できないよ。女性に会って『彼女が運命の人だ』って感じるあの感覚さ。分かるでしょ? 僕の頭の中にボンヤリとあったアーサー像にピタッと重なって明確になったんだ」。

このインタビューが行われたのは、ナタリー・ポートマンが『ブラック・スワン』で悲願のアカデミー賞を獲得した数か月後。ナタリー(『レオン』)を始め、ミラ・ジョヴォヴィッチ(『フィフス・エレメント』)などベッソン監督の作品をきっかけに世界的なスターとなっていった俳優は多いが、自作に出演した俳優たちについては、監督も何かと気にかけているよう。
「もちろん気になるよ。責任まで感じちゃうね。でもフレディに関しては別だよ! だって彼は『アーサー』以前から『ネバーランド』や『チャーリーとチョコレート工場』でジョニー・デップと共演したりして活躍してただろう? フレディのことまで責任を持つことになったら大変だからね(笑)。というか、彼は演技が出来るだけでなく、本当に頭がいいしフランス語まで話せるし、そもそも僕が心配しなくても大丈夫だよ」。

「この映画は子供たちに観てほしい。12歳以上の大人は子供の許可を取ってから観るように」とは監督一流のユーモア。自身も撮影の現場で、そして家庭で常に子供たちから刺激を受けていると頷く。
「偉大な哲学者がこう言ってるよ。『子供は人類の父である』ってね(※ロックバンド『ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ』のアルバム名)。僕はいつも、物事はそんなに複雑ではなくシンプルだってことを子供たちから教わってるよ。長く大人でいるとドライになり過ぎちゃうものだけど、正直でまっすぐで敏感な子供たちの感性が『あぁ、そうだよな』って思い起こさせてくれるんだ」。

ちなみに本作では、悪役マルタザールの不肖の息子・ダルコスの存在が物語の大きなカギを握る。監督はマルタザールとダルコスについて「あの親子の関係はシェークスピア的だね」と評する。
「愛と憎しみ。父の横に息子が存在し、育っていくときの問題をたっぷりと見せているよ。父は息子を常に裏切るものだけど、逆に息子はどのように父を裏切るのか? ってね」。

ダルコス(声を担当したのはイギー・ポップ!)がデヴィッド・ボウイ(※第1作でマルタザールの声を担当)の名曲「Rebel Rebel」(邦題『美しき反抗』)を歌うシーンまであり、完全に監督が楽しんでるような…。
「確かに、このシーンも含めて2人の関係を描くのは楽しかったよ。歌いながらダルコスの反抗心が出てるでしょ? 『悪の帝王になんてなりたくない。歌手になりたい』って歌いながら反抗してるんだ。でもデヴィッドの歌を歌うところに愛があるよね(笑)」。

以前は「10作ほど作ったら監督業は引退する」と公言し、日本のみならず世界中のファンを心配させていたが、いまではその心配は不要だろう。監督として映画を作る上での心の支えとなっているものを尋ねると、こんな熱っぽい答えが返ってきた。
「どんなものでも映画のテーマになりうるし、出会いで触発されることもある。何かに心が揺り動かされ、虜になると、興奮するような気持ちがどんどんわき上がってくるんだ。カメレオンみたいなものだね。虫が目の前を通った瞬間に舌が反応して即座に獲物をキャッチしてるんだ」。

このとき「次回作はミャンマーのアウンサン・スーチーのドラマだよ。また全く違うドラマだろう?」と語っていたが、その言葉通り『アーサー』シリーズに続いて『The Lady ひき裂かれた愛』を完成させた(日本では7月21日より公開)。この先もあっと言わせる手法で日本のファンを楽しませてくれそうだ。



「アーサーとふたつの世界の決戦」DVD
価格:2,940円(税込)

「アーサーとふたつの世界の決戦」ブルーレイ
価格:4,935円(税込)

発売元・販売元:角川書店
発売中

© 2010 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION – APIPOULAÏ PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS

Photo : Guy Ferrandis © 2007 EuropaCorp
《黒豆直樹》

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