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『ザ・マペッツ』監督が明かす、マペットたちと過ごした現場 彼らが愛される理由

その温もりあふれる愛くるしい姿かたちと、時に名言も飛び出すウィットの効いた掛け合い。半世紀以上にわたり、変わらぬ魅力が世界中の子供たち、そしてかつて子供だった大人たちに愛される「マペット」。ご長寿番組「セサミストリート」、その前身である「マペット・ショー」など、TVを通して親しまれてきた彼らが、何と銀幕の主役となって登場! それだけでなく、人間と共存する世界が舞台になっているというのが驚きなのが、映画『ザ・マペッツ』である。本作でその“共存”を実現させたのが、TVコメディで才覚を発揮してきたイギリス出身の気鋭、ジェームズ・ボビン。監督に気になるその舞台裏を聞いた。

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『ザ・マペッツ』 -(C) Disney Enterprises,Inc.All Rights Reserved.
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その温もりあふれる愛くるしい姿かたちと、時に名言も飛び出すウィットの効いた掛け合い。半世紀以上にわたり、変わらぬ魅力が世界中の子供たち、そしてかつて子供だった大人たちに愛される「マペット」。ご長寿番組「セサミストリート」、その前身である「マペット・ショー」など、TVを通して親しまれてきた彼らが、何と銀幕の主役となって登場! それだけでなく、人間と共存する世界が舞台になっているというのが驚きなのが、映画『ザ・マペッツ』である。本作でその“共存”を実現させたのが、TVコメディで才覚を発揮してきたイギリス出身の気鋭、ジェームズ・ボビン。監督に気になるその舞台裏を聞いた。

本作で大活躍を見せるのは、かつて世界で一世を風靡した元スター・マペット集団“ザ・マペッツ”の面々。いまや忘れ去られた存在となった彼らが、もう一度かつての輝きを取り戻すため、そして愛するホームベースを取り戻すため、ハリウッドのショービジネス界に戦いを挑んでいく。

世界中のファンと同様、自身もマペットを見て育った大ファンだというボビン監督。聞けば、彼らの存在は自身の「コメディ」のルーツの一部となっているよう。
「実は『マペット・ショー』は元々、イギリスのショーなんだ。イギリス人なら誰でも知っていることだし、それを誇りにしているぐらいなんだ。いま見返してみても分かるけど、アメリカ的というよりは『モンティ・パイソン』のような、いかにもイギリスらしいコメディのタッチだしね。僕としてはアメリカのものにイギリス人として取り組むという感じではなく、ごく自然な流れだったね。(1976年〜81年のオンエア時)毎週日曜日におばあちゃんの家でマペット・ショーを見ていたし、子供の頃から親しんでいたんだ。だから大好きなマペットたちの映画を監督してみないかと言われて、すごく嬉しかったよ」。

このチャンスは、子供時代に夢中になっていた楽しみを次の世代に伝えるということにも繋がった。
「自分自身の子供たちにマペットたちを紹介するいい機会になるとも思った。子供の頃からテレビで見ていた憧れのカーミットやミス・ピギー、フォジーなどと一緒に仕事をすることになるなんて夢にも思っていなかったし、何だか不思議な感じだったけど、最高に楽しい体験だったよ」。

マペットの祖であり、カリスマ的な人気を誇るカエルのカーミットに、パワフルビューティのミス・ピギーを筆頭に、本作に登場するマペットの数は数え切れない。これだけ大勢の“スター”マペットを束ねるのはさぞかし大変だったようにも思うが、実際の現場はどんなものだったのだろうか?
「ミュージカル・コメディは得意だからそう言った面では不安はなかったんだけれども、マペットを使った作品を手がけたことはなかったから、技術的なことを急いでマスターする必要があったという点では大変だったね。一番苦労したのは、パペティアー(マペットを操るスタッフ)たちがフレームの中に映り込まないようにショットを工夫しなければならなかったことだった。マペットたちの全身を撮影するのが難しかったので、上半身のショットが多くなるなど、ショットのバリエーションがかなり限られてしまう。そのうえ、人間たちと一緒のシーンで違和感のないように見せなければならないからね。僕にとってはそういった体験全てが初めてだったので、撮影しながらいろいろと学んでいったよ。でもすごい楽しかったよ」。

アメリカで人気を博したTVコメディシリーズ「Flight of the Conchords」では、アメリカンドリームを夢見てニュージーランドからはるばるN.Y.で活動を始める若きミュージシャンたちを主人公に描いていたボビン監督。本作でも、アメリカのショービズ界の輝かしい栄光と、儚く散っていく挫折の光と影を見事に捉えている。監督自身クリエイターとして、ハリウッドのショービズ界で活躍する中で、その点どう折り合いをつけているのだろうか?
「仕事をするうえで一番大事にしているのは、常に自分にとって個人的に思い入れのあるもので、なおかつしっくり来るプロジェクトを選ぶということ。だから商業的な成功などはあまり念頭にない。スーパーヒーローものや今の流行りものはあるにしても、何が観客にウケるのかなんて誰も予測できないからね。僕にとっては観客が興味をもってくれる面白い題材や新しいアイディアを生み出すことが一番の仕事だと思っている。商業的な結果というのは、蓋を開けてみないと分からないものだから。予算の大きい大作になるとプレッシャーもあるけれど、いいアイディアを生み出すことに集中しなければ、逆に方向性を見失ってしまうということもあるからね」。

そんな監督の揺るぎない思い入れを、マペットたちの活躍が代弁しているようにも思える。時代が変わっても色褪せない、マペットの魅力。なぜ、彼らは変わらず愛されるのか? 最後に、監督が彼らのメッセージを代弁してくれた。
「マペットの魅力は何と言っても(マペットの生みの親である)ジム・ヘンソンやフランク・オズと言ったクリエイターたちが創りだしたキャラクターたちの魅力だと思う。彼らは基本的に負け犬的なキャラクターなんだ。一生懸命トライするほど裏目に出てうまくいかないといったシチュエーションは、誰もが共感できるもの。でもそんな彼らでも力を合わせれば成し遂げられるというポジティブなメッセージが込められているんだよ。どんなに困難でも諦めずにやることが大切なんだというシンプルなメッセージが、そこには込められているんだよ」。

ボビン監督の愛情がたっぷりと込められた、ちょっぴり不思議な世界。あなたもぜひ、体験してみませんか?
《シネマカフェ編集部》

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