“危険すぎる”息子役で注目の新星、エズラ・ミラー 素顔は「とっても正直な息子」?

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『少年は残酷な弓を射る』 エズラ・ミラー
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心の中を見透かされそうな、鋭く危険な視線。彼の視線には、観る者を惹きつける何とも言えないパワーが宿っている。その絶大なる衝撃をもって世界各国で賛否両論を呼んだ問題作『少年は残酷な弓を射る』で完璧な美しさと狂気を放ち、いま熱い注目を集めている新星、エズラ・ミラー。現在19歳の彼の素顔はしかし、映画とはまるで別人の、少しやんちゃでいて極めて穏やかな少年だ。いま気になるカレの素顔に迫ってみた。

「脚本を読んだときにもう凄いと思った。一人の人間として理解しがたいキャラクターだけれども、俳優としてかなりの挑戦になるだろうと思って、だからこそやったんだ」。この複雑で極めて理解しがたい少年・ケヴィン役への挑戦についてふり返るエズラ。“理解しがたい”というのも当然、彼は生まれてからずっと、実の母親であるエヴァに反抗を重ね、年齢と共に悪意を剥き出しにしていく——。
「彼の目力というのはすべての真実を見通してしまう力なんだ。人が繕った表面の顔、まがい物のマスク、社会的に必要で私たちが演じている役割というものを全部突き破って、本当のその人を見てしまうことができる力をもっている。人の心の動きが見えてしまうということはどういうことなのか、その点をアプローチしていく中で、(ナイフのように鋭い!)表情や目つきが後から生まれたんだ。ケヴィンはその人が一番見てほしくない、恐れていることを“見たぞ!”ていう目をするんだ」。

何もかも見抜いてしまうケヴィンはやがて、独自の愛情表現で母親を繋ぎ止めようとする。それが「悪事」という手段である。
「自分の人生の中でも、自分が感じていることとそれを表現したときに完全にかみ合わない瞬間というのがあるから、彼の愛の表現が上手じゃないという部分は分からなくないよね。ただ、彼が唯一、コミュニケーションの方法として取れるのが、相手を刺激する、相手から何らかの反応を引き出すような行為なわけで、それが常に母親に『何なの、この子』と思わせるようなルーティンに変わっていくんだ。どんな形でも誠実な繋がりというのを一瞬でもいいから感じたいという思いから悪事やいたずらをする。一瞬なんだけど、そこで起こる相互関係というのが真実なんだ。でも母親はそこで繕ったりするから、また不純なまがい物のコミュニケーションになってしまい、埒が開かなくなり、ケヴィンは思うわけなんだ。『真のコネクションを得るためには、もっと極端なことをしなければ』と。そこで事件が起きるんだ」。

では、役から離れての素顔はどうなのだろう。「自分はどんな息子だと思う?」と聞くと、困ったような笑顔を浮かべながら「両親に対しては正直で誠実な息子だと思うよ」とエズラ。
「高校を中退したりとかルールを破ったりとか、典型的な“不足”は満たしているけど、親とは常に話し合える関係だよ。ダサい言い方だけど、世の中で一番尊敬している2人だし、一番僕が理解できてるし、一番僕のことを理解してくれている。本当に仲のいい親友が両親だと言えるいまの環境がすごくラッキーだと思うし、感謝しているんだ。アーティストとしても、彼らの意見はすごく大事にしているから映画の企画についても話すし、大役の話があると母親に相談するよ。すると僕の願いが叶うように、母は祭壇みたいなところに彫刻を作って置いてくれるんだ。だから自分がその役を本当にやりたいときは何でも話すよ、というのは冗談だけど(笑)、普段から何でも包み隠さず話しているよ」。

劇中とは(当然)全く異なる仲の良い親子関係を明かしてくれたエズラだが、前作『アナザー・ハッピー・デイ』でも家族との関係においてエキセントリックな行動に走る役を演じていることからも、何か彼と“家族”の映画に因縁めいたものを感じずにはいられない。
「全てのトラブルというものは“家族”から発しているのではないかと僕は思っているし、アーティスティックな考察を行う対象として、家族ほど意味のあるものはないんじゃないかと思うんだ。人は家庭で育って巣立っていくけど、そこで学んだことや行ってきたことと同じことを世に出ても繰り返しているんだよね。だから、壮大なスケールで本質的に人間というものを考察しようとすると、家族の問題に戻っていってしまうと思う。僕のキャリアの第一章で、そういう作品に出るということは自分の中ですごく合点がいったんだ。これからは家庭から巣立った人物というのも演じてみたいとは思うけど、どんな役を演じるとしても、突然何もないところからキャラクターが出てくるわけでもない、必ずどんなキャラクターにも親や家庭があるんだということは、役へのアプローチの上で必ず考えると思うよ」。

19歳とは思えない、広い見識と自分自身を俯瞰して見る余裕さえ感じさせるエズラ。実は、インタビュー前に彼が歌を口ずさむ素敵なハスキーボイスがかすかに聴こえてきたのだが、彼は演技だけでなく音楽活動にも精を出している。演技と音楽、今後どのように挑戦しようと思っているのだろうか?
「音楽も演技も自分の中では同じ一つのアートの形、自己表現だと思っているんだ。おもしろいことに2つが相互補完をしてくれるんだよね。映画の中でキャラクターを演じるということはすごく直線的な行動であって、反対に音楽はものすごく幅が広い。映画は作ろうとすると制作会社から、監督、様々な機器や製作費といったものが必要だけど、音楽はいつでも自分一つで出来る。あと正直、映画は精神的にすごく疲れるんだ。だから僕自身は1年に2本くらいが限界かなと。もしかしたら1年に2本以下でないと精神的に健康な状態ではないのかなと思ったりするくらいなんだ。音楽はいつでもできるからね。いつでもやりたいし、演奏とか歌ったりすることは僕をリチャージしてくれるんだ」。

型にとらわれない、己の道を見据えるエズラが次はどんな変貌を遂げてくれるのか? 楽しみに待ちたい。
《text:cinemacafe.net》

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