『ハイザイ』ともさかりえインタビュー 女優として、妻として、母として

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『ハイザイ 〜神さまの言うとおり〜』ともさかりえ/photo by Toru Hiraiwa
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撮影中、カメラの前に立つ彼女の圧倒的な透明感にドキドキさせられ、取材中、どこまでもさらけ出してくれそうな気さくさに惚れ惚れさせられ、共演者で夫でもあるスネオヘアーについて質問を投げかけると「共演はイヤですね…って言うと語弊がありますけど(笑)、やっぱり、照れくさいじゃないですか」というサラリとした答えに親近感を抱かされる。身構えたコチラの壁をふんわり軽やかに飛び越えてくるような、女優・ともさかりえはそんな好感度を一瞬にして相手に与えてしまうチャーミングな人だ。

女優としての成長「余白が欲しいと思うようになった」

彼女の新作映画は、沖縄の北谷町美浜にある人気スポット“デポアイランド”を舞台に、男女6人(+α)の群像劇が描かれるスタイリッシュ・コメディ『ハイザイ 〜神さまの言うとおり〜』。演じるのは、万引き中にユタ(運命を占う沖縄の巫女)に間違えられ、ヤクザの下っ端・原沢(落合モトキ)に拉致されてしまうアラサー女・深谷。元々持ち合わせているそのチャーミングさを活かした役でもあり、落合モトキとの密室会話劇が何とも面白い。

「私が出ているパートは車の中の密室劇というか、会話劇がメインです。落合くんとの呼吸が勝負という感じでしたね。また、福永監督はリハをせずにセリフ合わせの後に『とりあえず、やってみましょうか?』と、ライヴ感を重視する監督だったので、常に瞬発力を試された現場でもありました。リハがないことがほとんどなので、セリフをちゃんと覚えているのかがまず不安でしたけど(笑)。でも、(共演相手と)初めて向き合ったときのあの瞬発力は、演じているうえで一番面白い瞬間でもあるんですよね。このセリフを言ったら落合くんは一体どういうリアクションを返してくるんだろう? とか、リアルな温度感で演じることができたのは本当に面白かったです」。

絶妙なテンポ、間、言い方、本当はアドリブなんじゃないのか? と思ってしまうあの演技が、テイクを重ねることなく撮られたというのは驚きでもあるが、ともさかさんの言う「演技プランを立てすぎないこと。十分な余白を残して現場に臨むこと」が大切なポイントでもあった。

「こういう温度感を大切にした作品の場合は、どれだけ用意周到に準備していっても、自分が予想していなかった温度感で返されたらその時点で成立しないんです。それよりは相手の役者さんの出方に合わせたい、監督が望んでいるものに近づきたいと思う。そのためには、なるべく余白のある状況で行った方がいいのかなと。台本を読んだときにプランは立てますが、現場に立ったときの感覚の方を大事にしました」。あるキャラクターを演じるために入念な準備が必要なときもあれば、今回のような群像劇では自然体、瞬発力、ライヴ感が求められる。もちろんそれはこれまで積み重ねてきたものの上に成り立っているわけで、12歳でこの世界に入ったともさかさんの引き出しの多さゆえの演技力でもある。そして、懐かしいまなざしで、遠い日の自分を思い返す。

「仕事を始めた頃はどこの現場に行っても下っ端で、ちゃんと準備していなくては! という、いまとは違った気負いがありました。気づけばかなりの年月が経っていて、いまでは若い世代の方ともご一緒する機会も増えましたけど、余白が欲しいと思うようになったのは、徐々にですね。こういった作品は特に(テストを)繰り返していると、どうしても新鮮さが薄まってきてしまうもの。相手と向き合った瞬間の気持ちで演じることができたら、その鮮度に勝るものはないんですよね」と、演じる面白さを熱く語り、ひょんなことからヤクザの青年と出会い巻き込まれていく深谷の運命については「ありえないようで、やっぱりありえないんですけど(笑)、彼女の巻き込まれ方が面白くて。巻き込まれていることすら楽しんでしまっているスタンスも面白いんですよね」と声を弾ませる。

家族のルールは「風通し良くする」「家に仕事を持ち込まない」

続いて、話は物語の鍵となる“ユタ”の存在、スピリチュアルな世界の興味へ。「実は、数年前にプライベートでユタに会いに沖縄に行ったことがあるんです。20代後半の頃ですね。それまでのスピリチュアルなものへの興味は、雑誌の占いのページを見る程度だったんですが、そのとき抱えていた悩みを少しでも和らげたくて。人って、自分の中である程度選択肢が決まっていても、誰かに何か言ってほしいときってあるじゃないですか。身内や知っている人に言われるよりも、ユタとかそういう人に言ってもらった方が素直に受け止められたりするんですよね(笑)」。自分のことを語る彼女の表情がやわらかなのは、きっとプライベートが充実しているから──。そんなふうに自然とこぼれる笑みの理由を想像してしまうのは勝手だろうか。2010年に『アブラクサスの祭』での共演をきっかけにスネオヘアーと交際が始まり、昨年再婚に至った。自身のブログで、夫のこと息子のことを気さくに綴っていることからも、“いい家族”“あたたかい家族”であることが伝わってくる。だからこそ聞いてみたい。ともさかりえ&スネオヘアー夫婦のしあわせであるためのルールは?

「できる限り共有して家の中の風通しを良くすることです。具体的には、言葉にして伝えることですね。女性は(何かしてほしいときに)見れば分かるじゃん、言わなくても分かるじゃんってよく言ってしまうんですけど、言わないと分からないんですよね。女性はそういう何かを察知する能力が備わっている気がするけれど、男の人…って区切ってしまうのは失礼かもしれないですけど、男の人の大半は、えっ? そこ? みたいな、女性が気にかけてほしいこととは全然違うところばかりに気を遣っていたりするんです。でも、違うのは仕方のないこと。その小さな捉え方の違いをきちんと伝えていかないといけないんですよね。なので、良いことも悪いこともはっきりと言葉にして伝えるように心がけています」。もう一つのルールは「家に仕事を持ち込まないようにすること」だと、妻としての表情から今度は母親の表情を浮かべてこう語る。「子供を産むまではそんなふうに境目をつけなかったんですが、子供がいると家に帰ったら違う任務(母としての仕事)があるわけですよね。なので、できるだけ子供の前では台本を開かないなど、曖昧に仕事を持ち込まないようにしています」。素敵な母親だ。

ともさかさんの女優として、妻として、母として、女性としての生き方を聞いているうちに、取材前に感じていた彼女の透明感はより透明度を増し、キラキラとした輝きが加わっていた。そのキラキラ感はともさかさん演じる深谷がラストで見せる輝きにも通じている気がする。


stylist:Yuriko Nishi (C Corporation)/hair&make-up:Hisakatsu Yamaguchi

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《photo:Toru Hiraiwa / text:Rie Shintani》

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