黒沢清監督、渾身の4時間超ドラマ「贖罪」を引っさげ単独ヴェネチア入り!

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WOWOWドラマ「贖罪」を引っさげ、ヴェネチア国際映画祭入りした黒澤清監督
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8月29日(現地時間)より開幕中の第69回ヴェネチア国際映画祭で8月30日(現地時間)、日本人監督として公式上映第1号となる黒沢清のドラマ「贖罪」が特別招待部門にて上映された。この日の上映のためにドラマ全5話分を再編集した4時間半にも及ぶ力作を引っさげ黒沢監督も単身現地入りし、ヨーロッパ中から集まった映画人に向けて思いの丈を語った。

ベストセラー小説「告白」の原作者として知られる湊かなえの同名小説を原作に、主演・小泉今日子、各エピソードに蒼井優を始め池脇千鶴、小池栄子、安藤サクラという豪華女優陣を迎え、今年1月にWOWOW連続ドラマ枠で放送された本作。とある田舎町で起きた美少女殺人事件の被害者の母親が、事件当時、娘と一緒に遊んでいた4人の少女たちに“償い”を課していく。

『トウキョウソナタ』や『アカルイミライ』など、幾度となく監督作を引っさげ海外の映画祭の数々に参加してきた黒沢監督だが、インターナショナル版として再編集されたものとは言え、ドラマ作品を携えての参加はこれが初めて。「撮影をした当時は、テレビや映画を意識して撮ってはいなかったので正直、このように映画として世に出ることになったことはとても嬉しく思っています。本作を正式出品作として、この長尺にも関わらず選んでくれたヴェネチア国際映画祭は寛大で冒険的な映画祭だと、改めて懐の広さに感激しています」と感謝の思いが口を突いて出た。

また、本作の製作に至った経緯を「湊かなえさんの作品はとても女性的で、主な読者も女性なんだと推測しますが、男性の私にとってはあまりなじみもない原作と思いながらも、とても楽しんで作ることができました」と語る黒沢監督。「特に前作の『トウキョウソナタ』でご一緒していた小泉さんと香川さんの再競演など、その2人が演じてくれているそのエピソードにも思い入れがあり、この映画は私自身の過去作品の“その先”を探り出すような思いで作ることができました」。

最後に、外国人記者から「個人と社会を対立させるということが軸になっている小説を基に作られていると理解しているが、なぜ日本の社会ではこの映画のように個人の存在が社会と対立するような事件が起こるのか?」という映画祭ならではの質問が飛んだ。これに対して監督は「日本に住んでいる自分でも分からない。日本の社会構造には、新聞や報道で見えてくるものとは異なるものが隠れていると思う」と率直な言葉で見解を述べた。

上映後、会場内にいた黒沢監督に向けて盛大なスタンディング・オベーションが贈られ、海外の映画祭経験が豊富な黒沢監督も今回の上映には大きく胸を揺さぶられていた様子だった。

第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ヴェネチアにて開催。
《text:cinemacafe.net》

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