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『わたしたちの宣戦布告』“最強コンビ”に接近 「私たちは本当の意味でコンビなの」

フランスから強く激しい愛に満ち満ちた映画が届いた。本国を感動の渦に巻き込んだ『わたしたちの宣戦布告』。2人の男女と難病に襲われた2人の子供の勇気ある愛の物語をベースに、何と本人たちが監督と脚本を務め、さらには演じているという異例の一作である。実にバイタリティにあふれる魅力を放つのは、個性派女優として活躍するヴァレリー・ドンゼッリとイケメン俳優のジェレミー・エルカイム。とってもチャーミングな素顔を見せる2人のエネルギーの源に迫ってみた。

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『わたしたちの宣戦布告』ヴァレリー・ドンゼッリ&ジェレミー・エルカイム
『わたしたちの宣戦布告』ヴァレリー・ドンゼッリ&ジェレミー・エルカイム
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フランスから強く激しい愛に満ち満ちた映画が届いた。本国を感動の渦に巻き込んだ『わたしたちの宣戦布告』。2人の男女と難病に襲われた2人の子供の勇気ある愛の物語をベースに、何と本人たちが監督と脚本を務め、さらには演じているという異例の一作である。実にバイタリティにあふれる魅力を放つのは、個性派女優として活躍するヴァレリー・ドンゼッリとイケメン俳優のジェレミー・エルカイム。とってもチャーミングな素顔を見せる2人のエネルギーの源に迫ってみた。

この映画は、様々な愛に包まれている。出会ってすぐに恋に落ちたカップルのロメオとジュリエットの愛、「ラブドイド腫瘍」という非常に稀な病を宣告された幼い息子への愛、家族全員で“闘う”という愛。難病と闘う家族、と聞くと暗く悲しいテーマのように聞こえるが、そんな暗さは一寸たりとも感じさせない。

ヴァレリー:この映画は私たちにとって挑戦でした。実際に私たちが同居していた頃、自分たちに凄いことが起こっているな、もしかしたらこれを映画にすることができるかもという思いもありましたが、それを5年後とか、期間を区切ってやろうということはなく、自発的なアプローチから生まれたんです。この映画の一番のテーマはカップルの愛、子供のために闘うこと。パリで実際に住んでいる同世代の人がどういう生活を送っているのか、父親としての役割や家庭内での男女の同権などを描くのは、すごく楽しかったわ。ロメオが家事をやったり、ジュリエットが外で仕事をしたり、男性が外で働いて女性は家の中にいるという概念を覆したいという思いもあったの。

ジェレミー:僕たちが生きた経験というのはエネルギーにあふれた、アクション映画を撮るのにぴったりの経験だったと思うんだ。この映画を作ろうと言い出したのは僕だけど、まずはヴァレリーが一緒にやることが条件だった。一緒に話を進めていたプロデューサーがいたんだけど、彼はこのテーマに反対したんだ。テーマに縛られる映画になるからやめた方がいいとね。それでもっとコメディ寄りの映画にした方がいいと言われたんだけど、僕たちはジャンルにこだわらず、ただ“映画”を作りたかったんだ。生き生きとした、生命力にあふれた映画をね。だからプロデューサーには別れを告げて、ヴァレリーと2人で出発することにしたんだ。

ヴァレリー:そうね、私もいつまでも仕事をしていたいし、映画が好きだし、いつもいつも2人では映画の話をしているのよ。

ジェレミー:いま彼女、いいこと言ったね。一年間ずっとこの映画のことを話してるけど、初めて聞いた話だよ(笑)。

ヴァレリーが言葉を発すれば、ジェレミーがここぞとばかりに合いの手を入れ、ひとたび笑いが起きる。2人の掛け合いを聞いているだけでも哀しむ時間など必要ないのだと思えてしまう。劇中のロメオとジュリエットも立ち止まる暇などなく、その突き進む姿には自然な笑いの要素が散りばめられている。

ジェレミー:僕たちは観客たちを人質に取るような映画にはしたくなかった。テーマ自体は凄くインパクトはあるんだけど、苦悩や哀しみを全面に出したくないし、実際にもそうだったんだ。誰にでも哀しいことはあるけど、それでもユーモアをもっていたいというのが現実じゃない? 哀しいことがあって泣いていても、すぐその後には笑っている。だからこの映画の中ではそういう現実を少し誇張しながら、哀しみや苦しみの中に笑いを取り込んでいったんだ。

ヴァレリー:“冗談”というもの自体、対象と距離を取る、慎ましいものよね。映画を撮るときには全てのものをコントロールできるものと思われがちなんだけど、現場にいろんな技術者やキャストがいる中で、現実が思った通りになることは絶対にないわけで、予想と現実の間でギャップが生まれるの。今回はコメディという要素が含まれているけど、ひょっとしたら自分で思っている以上に感動を呼ぶ内容になっているかもしれない。逆に、シナリオにはないコメディが生まれたこともあったわ。私たちはこの映画では実際の場所で撮影したんだけど、例えば病院の小児科の先生が間違えておもちゃの電話口を取るというシーンは、実際に先生の部屋に子供用の電話があったからそれを使ったところから生まれたし、実際にあるものを取り入れてコメディにしていったの。

ジェレミー:ヴァレリーには「私たち、強盗しましょ」と言われたんだけど、実際にあった場所で撮影をするというのは、ある種乱入するということだよね。(手持ちのスチールカメラを指し)このカメラにシネマスコープのレンズを付けて、まるでスチールカメラのように思わせて、実際に回してるとバレないようにしたりして、本物の中にあるものを“強盗”したんだ。

実際にあるものを“強盗”するという破天荒な方法は、キャスティングにも及んだ。実は、彼らの家族、そして当の息子・ガブリエルも本人役で登場している。

ヴァレリー:この映画は親子3人の映画なので、誰かに映画を撮る許可を取ろうという考えはなく、3人の間で交わされた契約のようなものだった。ガブリエルには、このストーリーがあくまで3人の経験からインスパイアされたものであることを話したんだけど、そしたらガブリエルが「僕の役は誰が演じるの?」と聞いてきたから「まだ決まってないよ」と伝えると、「じゃ僕がやりたい」と言ってくれたの。だから彼には、彼の出演するシーンのシナリオを渡して、ちゃんと映画に参加してもらった。ただ、それから実際に出来上がった映画を彼に見せるということには躊躇があったんだ。映画の中で起きたことと現実を錯覚してしまうんじゃないかという不安があったから、もう少し彼が大きくなってから見せると決めていたんだけど、実際に映画が公開されてからは話題が沸騰して、ガブリエルのクラスのお母さんたちも友達も観ていて、みんなが観ている状況なのに自分が観ていないのはおかしくない? ということになって…。それでおばあちゃんと一緒に観に行って、観た後どうだったか聞いたら「いい映画だね」と言ってたわ。

愛する息子の生命の危機という問題についても、「落ち込んで泣くよりも、闘う気持ちが大きくなるのが自然でしょ」(ヴァレリー)、「実際に直面すると意外と勇敢に立ち向かえるものなんだよ」(ジェレミー)と一糸乱れぬ合点を見せる2人。実は、いまは私生活でのパートナーの関係は解消している2人なのだが、ヴァレリーについてジェレミーが「ルールに縛られない、とにかく優等生ではないね(笑)」と太鼓判を押せば、逆にヴァレリーにジェレミーに対して思うことを聞くと、「僕の前で言われるのは気詰まりするな…」と照れながら笑顔を見せる。さて、ヴァレリーの本音は?

ヴァレリー:現場でもいままでもそうだし、私たちは本当の意味でコンビなの。私がエンジンをかけて、彼がエンジンを持続する。私がエネルギーを全開にして、彼が新しいエネルギーを入れ込んでくるので、2人のエネルギーが低下することは全然ないの。今回、発見したことは…、やっぱり「寛容で気前がいい」ということね。

ジェレミー:現場ではそうだけど、離れたらそうでもないよ(笑)。

ヴァレリー:それから映画に対する意志を貫く強さというのを改めて感じた。少しでも良い映画を作るのは自分たちにとって闘いだから。本当に無尽蔵のエネルギーを彼は持ってるの。あともう一つは、写真映りが素晴らしいことね(笑)。

ジェレミー:両親に自分のことを話されてるような気分だよ…。

後ろをふり返らず、共に愛するものに並々ならぬ愛情と魂を注ぎ込む2人の相思相愛ぶりは羨望を抱かずにはいられない。そんなおふたり、既に3作目となる共同作もすでに撮影に入っているという。

ヴァレリー:『手に手を取って』(原題)というロマンティック・コメディなの。私はジェレミーの姉を演じているんだけど、ジェレミー扮する男性とパリのオペラ座の芸術監督を務めている女性、全てが正反対の2人が出会う話なの。片や金持ち、片や貧乏で何もかもが逆の2人なんだけど、2人がやることには“同期性シンドローム”があって、彼女が立ったら彼も立つ。そういうミステリアスなものに自分たちもビックリするわけ。相反する関係から絆が生まれていくの。

身振り手振りで説明する姿も息ぴったり。2人の激しく強い、エネルギーをぜひこの映画から受け取ってみて。
《シネマカフェ編集部》

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