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ユアン・マクレガー インタビュー クールで情熱的な男の映画の歩き方

「“普通”じゃなくて、素晴らしい!」——これが、ユアン・マクレガーが今回挑戦した作品に対する彼の感想だ。サラリとシンプルだが、それだけに説得力がある言葉。そして、ユアンがその賛辞を送った映画『砂漠でサーモン・フィッシング』で彼が演じた役柄でも、『スター・ウォーズ』シリーズでのオビ=ワン・ケノービ役でも、巨匠ロマン・ポランスキー監督作『ゴーストライター』で演じたゴーストライター役でも、そこに佇む彼の姿は常に“普通じゃなくて、素晴らしい”。超大作からミニシアターまで縦横無尽に映画を渡り歩く俳優ユアン・マクレガーは、何を感じ、その俳優人生の一つの拠点として『砂漠でサーモン・フィッシング』へと立ち寄ったのだろうか?

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『砂漠でサーモン・フィッシング』ユアン・マクレガー/Photo:Kaori Suzuki
『砂漠でサーモン・フィッシング』ユアン・マクレガー/Photo:Kaori Suzuki
  • 『砂漠でサーモン・フィッシング』ユアン・マクレガー/Photo:Kaori Suzuki
  • 『砂漠でサーモン・フィッシング』 -(C) 2011 Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.
  • 『砂漠でサーモン・フィッシング』ユアン・マクレガー -(C)  2011 Yemen Distributions Ltd., BBC and The British Film Institute.All Rights Reserved.
  • 『砂漠でサーモン・フィッシング』ユアン・マクレガー/Photo:Kaori Suzuki
「“普通”じゃなくて、素晴らしい!」——これが、ユアン・マクレガーが今回挑戦した作品に対する彼の感想だ。サラリとシンプルだが、それだけに説得力がある言葉。そして、ユアンがその賛辞を送った映画『砂漠でサーモン・フィッシング』で彼が演じた役柄でも、『スター・ウォーズ』シリーズでのオビ=ワン・ケノービ役でも、巨匠ロマン・ポランスキー監督作『ゴーストライター』で演じたゴーストライター役でも、そこに佇む彼の姿は常に“普通じゃなくて、素晴らしい”。超大作からミニシアターまで縦横無尽に映画を渡り歩く俳優ユアン・マクレガーは、何を感じ、その俳優人生の一つの拠点として『砂漠でサーモン・フィッシング』へと立ち寄ったのだろうか?

映画のオファーを受ける際には、彼なりの「脚本に惹かれなかったら監督が誰だろうと共演者が誰だろうと、自分自身がいい仕事なんてできない」という哲学が全てに優先すると語るユアン。もちろん、本作でも「まず脚本に惹かれたんだ」と明かす。

本作で彼が演じるのは、シェイフという大富豪の発案で砂漠の国・イエメンに鮭を泳がせるという、とんでもないプロジェクトの顧問を任された冴えない水産学者・ジョーンズ。そんな冴えない男を、ユアンはこう分析する。
「彼はとても成功している水産学者だ。でも、彼はとても幸せじゃないんだ。結婚生活が明らかにうまくいっていない(笑)。お互い仕事優先で一緒にいる時間もなし、人生にも満足してない。それで、小さい世界で生きてて、彼にとっては大事でも、一般的には興味を持たれない仕事、彼は多くの時間をレポート作成に費やしているんだ、魚が食べるトビケラのね(笑)。でも、この“砂漠でサーモン・フィッシング”プロジェクトが立ち上がって、彼の世界を広げていくことになるんだ。最初はバカげてるし、ありえないと思っている。でも、少しずつ引き込まれていくんだ」。

“脚本第一”主義を豪語するユアンだが、そんな一方で「エミリー・ブラントが共演だったんだ! 彼女とはずっと働きたかったから嬉しかった…それもあるんだ(笑)」と本作出演へのもう一つのポイントを明かす。劇中でエミリーは、厄介なプロジェクトをジョーンズに持ちかけた張本人でもあり、そして彼とロマンスを繰り広げるヒロイン・ハリエットを演じている。そんな熱望していたというエミリーとの初共演について話を聞くと、ユアンは楽しそうにこうふり返る。
「そう、繋がりというか、なんでもやっていいと思える相性だったんだ。恥ずかしくなくやってみれる。だから、やってみてどうなるか試せるんだ。それは本当に楽しかった。別に議論したりしない、僕らはそういうタイプの俳優じゃないんだけど、テイクの前は試してみるんだ、うまくいったり、いかなかったり。だいたい笑っちゃてカットされたけどね(笑)」。

そんな2人が演じたロマンスのゆくえも気になるところだが、彼の生涯の恋人と言えるのが“釣り”だ。ユアン自身は「子供のときはやってたけど、いまは魚を釣りたいという欲求はないんだ」と語るが…。
「鮭釣りは結構複雑なんだよ。明確なキャスト(竿を投げる)の方法があるんだ。その糸が自分の後ろにしなって、前にいって水の表面に落ちる。糸のさきにはハエがいる。虫にみえるような。魚に虫が水面に着地したと思わせるんだ。ハエを食べに来させる。だから技術がいるんだ、魚のこと、魚がどこにいるか。フライ・フィッシングをちゃんとやるのは風が吹くとまた難しいんだ。糸を空中で保たないといけないから——」とその極意を淡々と語るが、結局は「一匹も釣れなかったけどね(笑)」と悔しそうに笑顔で明かすその表情はもはやハマっているのでは? と思えるほど。

一見してクールだが、内なる情熱を燃やす。そんなイギリス紳士独特の魅力が、今回演じたジョーンズの、そしてユアンの魅力と重なる。

“砂漠でサーモン・フィッシング”というとんでもないプロジェクトを押しつけられながらも、可能性を信じて突き進んでいく…というジェームズを演じたユアンは、本作のラストについて、こんな言葉で語ってくれた。
「いままでは夢がなかった。でも、シェイフに学ぶんだ、信じることを。完全に新しい可能性を見つけるんだ。女性が現れ、シェイフが現れ、プロジェクトが現れる。彼はつまらない仕事を辞めて、そして奇跡を信じる。最初ばかばかしい不可能なことも可能かもと思い始めるんだ」。

エミリーとの共演、そして“ありえない”ことへと挑戦する心、そしてそれを信じ続けること。『砂漠でサーモン・フィッシング』で得たものを抱えて、次はどんな作品へと歩きだすのだろう。

(Photo:Kaori Suzuki)
《シネマカフェ編集部》

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